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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2016/01/09
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おはようございます。

岡田斗司夫がいろんな質問に答える『解決!ズバッと』を、毎日どんどんお届けします。

今回は、「BRUTUS(ブルータス・マガジンハウス)」2011年10月1日号の『スターウォーズ特集』にて、岡田斗司夫がインタビューの質問に答えた回答の中から、選りすぐりをお届けします。

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「アナキンを弟子にした皇帝は、人間不信?」

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 パルパティーンはシスの暗黒卿として、味方は自分と弟子しかいないんです。
 ダース・モールやドゥークー伯爵がいるにしても、基本的に味方の人数が少ないんですよ。


■パルパティーンは銀河の小沢一郎

 ジェダイは20人ぐらいいるのに、パルパティーンの手持ちの駒は少ない。
 この手持ちの駒の少なさで銀河帝国を作るプロセスが、面白いんです。
 どうやって議会の掌握をするのかといえば、彼は自分に協力した人間を後で次々と殺していく。
 証拠を消して、自分がどういう汚いやり方で権力を掌握しているかを把握していくしかない。

 なぜならパルパティーンはルールを知っているから。
 そして、自分がルール違反をしていることも知っているから。
 だから裏技を使わざるを得ない。
 そして、裏技を使った証拠を消していくしかない。
 いわゆる銀河の小沢一郎。
 手腕は抜群なんだけど、方法は褒められたものじゃないよね。


■人間不信が強すぎて、仲間を殺すしかない

 本来、パルパティーンの手法を使うなら、自分以外を皇帝にすればいいんです。
 いわゆるキングメイカーになればよかったんだけど、長年“陰”にいた人間なのでそれが出来ない。
 最終的に表に出るために陰にいたんですが、陰の手法を使いすぎたんですね。

 なぜ、パルパティーンは銀河皇帝にならざるを得なかったのか?
 なぜ、パルパティーンは協力者をすべて殺していくのか?
 この2つは表裏一体なんです。

 本来、自分の協力者を殺すのはバカがやることなんです。
 "自分の協力者"は、自分と同じ手法をとった仲間なわけですよね。
 本来なら仲間とずっと取引を続けている方が効率がいいはずなんです。
 自分の部下を次々と「無能だから」「みんなにバレるから」という理由で殺しちゃうと、自分の軍団の力が上がらないんです。

 もしもパルパティーンがキングメイカーになったら、どうなっていたか?
 パルパティーンが陰の存在でいようと思ってたら、自分に協力してくれた貿易連盟の人たちを殺さなくて済んだ。
 自分は裏で手を汚して、表は綺麗なイメージの銀河皇帝を次々に擁立して支配するなら、パルパティーンの政策はかなりうまくいったと思うんです。
 でも彼は出来なかった。


■父親を殺して、手足を失ったアナキンだから信用できる

 なぜならパルパティーンは、誰を擁立しても信用が出来ないからなんです。
 だから、“味方殺し”なんて手法をとっている。
 自分と同じ“手を汚した者”しか信頼が出来なくなってしまってる。

 なぜアナキンを弟子にしたのかといえば、アナキンが自分の父親まで殺してしまったから。
 パルパティーンは、アナキンの手足が失われて引き返しがつかない状態になって、ようやく彼を信じることが出来た。

 それぐらいパルパティーンの人間不信は根強いわけです。
 だからといってダース・ベーダーを次期皇帝にする気は全然ないよ。
 多分、パルパティーンはフォースとダークサイドの力で永遠に生きるつもりですよね。


【まとめ】
 パルパティーンは人間不信なので、誰も信用できません。
 しかし、アナキンのように取り返しのつかないことまでやった人間なら、ようやく信用できると思います。


 インタビュー全文は、FREEexの『公式ブログFREEexなう
 BRUTUS 10/1号 岡田斗司夫インタビュー全文にあります。