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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「メンターや教祖と、カリスマは何が違う?」

2015/11/25 06:00 投稿

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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/11/25
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おはようございます。

今日は『解決!ズバッと』はお休み。
絶賛発売中の岡田斗司夫の最新著作『カリスマ論』から、ハイライトをお届けします。

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メンターや教祖と、カリスマは何が違う?」


 もう少しカリスマとは何かについて探っていくことにしましょう。
 人に強い影響を与えるのがカリスマですが、似たような言葉もありますね。
 例えば、「教祖」とか「メンター」「マスター」「グル(導師)」「トレーナー」などなど。
 特に「教祖やメンターと、カリスマはどこが違うのか」と、私もよく尋ねられます。
 これらの存在とカリスマの差異を明確にすることで、カリスマの本質に迫っていきたいと思います。
 ただし、ここで述べているカリスマその他の定義は、私が独自に考えたものです。
 なにせ、「カリスマとは何か」をきちんと研究した本などはないものですから、自分で定義から考えないといけないんです。

 さて、カリスマとその他の存在を区別するために、まずは「閉鎖的」か「開放的」かという軸で考えてみましょう。
 カリスマと似た言葉の中で、最も閉鎖的な存在が「教祖」です。
 宗教に限らず、「教祖」と呼ばれるような人は、自分の教えを他人が勝手に解釈することを認めません。
 こういう「教祖型リーダー」の元で何かを学ぶ場合は、教義を細かく定義されますし、細かく指導もされますし、少しでも違っていれば細かく怒られます。
 ことあるごとに「それは違う!」と言われるわけですから、教祖と弟子の関係は非常に閉鎖的で、自由度が低いといえます。

 教祖型は、教祖本人が幸せになれないパターンが多いですね。
 弟子が自分の考えとは違うことをやろうとすると絶望を感じることになりますが、人は往々にして思った通りには動いてくれないものですから。

 教祖型ほどではないけれど、比較的閉鎖的なのが、意外なことに「メンター」型です。
 メンターの語源はギリシャ語のメントール。
 英雄オデュッセウスの息子テレマコス(Telemachus)の教育を託された賢者の名前からきていて、良き指導者、良き理解者、良き支援者を意味します。
 メンター制度を設ける企業も増えてきました。
 先輩がメンターとなって、新入社員をサポートするわけです。

 『スター・ウォーズ』に出てくるジェダイの師弟関係は、まさにメンター型でしょう。
 メンター型の基本は一対一。
 先生一人対生徒一人での指導を行います。
 たくさんの弟子を持つ場合でも、それぞれの弟子との一対一関係を優先するのがメンター制度です。
 教祖型ほどではないにしても、メンターは生徒の一つひとつの行動をちゃんと見て細かく指導することになりますから、どうしても閉鎖的になります。

 メンター型よりずっと開放的なのが、「トレーナー」型です。
 個人の家庭教師みたいなもので、教える内容はあくまでスキル中心。
 英会話の学校に通い、英会話を学ぶ場合、一般的な英会話の先生は「トレーナー」型です。
 トレーナー型の先生は生徒の人間性をほとんど問題にしませんし、生徒も先生の人間性を気にしたりしません。
 生徒が英語を学ぶ動機を先生が尋ねることはあるでしょうが、それはあくまで授業の参考にするためです。
 動機が納得できないからといって、生徒を追い出すトレーナーはいません。
 生徒からしても重要なのは、先生の英会話を教えるスキルだけです。

 ただし、英会話を教える先生であっても、「私と一対一でやりなさい」「このやり方じゃないとダメです」と、生徒にダメ出しをしてくる人がいます。
 「どうして英語を学びたいのか?」「そんな動機では英語は身に付かない」など、精神的な姿勢についてまで口を出してくるのであれば、その先生はトレーナー型というより、より閉鎖的なメンター型に近いですね。

 教祖、メンター、トレーナーは、“学びたい人”なしでは存在しません。
 「俺は、今日からにメンターになる!」「今日から俺は教祖だ!」と言い出しても、誰も相手にしませんよね。
 信者や弟子がいるからこそ、教祖やメンターといった商売が成立するのです。


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