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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/08/31
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おはようございます。

今日は『解決!ズバッと』はお休み。
情報サイト『探偵ファイル』に掲載したコラムをお届けします。


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「オリンピック後の世界を予測する」(後編)

(元記事はコチラから)


 (前号からの続き)

 金持ちや有能な人がちょっと悩んだり、頭を使ったりする必要があるとき、並列処理を手伝って負担を軽くすることに使われる。
 それとも、これまでのスーパーコンピュータがもっと速くならなければできないと言われているような問題、30日後の天気の完全予想するということにも、使うのだろうか?

 100万人くらいの脳を並列処理で使えば、スーパーコンピュータを超えられるかもしれない。
 ということは、100万人のバイトが必要ということでもある。

 じゃぁ、その並列処理のバイトをした人がもらう報酬はなんだろうか? 
 ひょっとすると脳のなかに、ちょっとしたエッチな映像とか、おもしろい動画を送ってもらうことではないかな、と考えてみた。
 または脳内で楽しめるネットゲームのコインやアイテムとか。

 つまり、エッチな映像とか、面白い動画とかを見たいので、脳波ヘルメットをかぶってバイトする。
 ソーシャルゲームのアイテムが欲しくて、いつのまにかセレブの「明日、なにを着ていこうか?」という判断の1部を処理させられる。
 おそらく、バイトと気づかないような形で、バイトさせられるのだ。

 今でも、ネットをのぞいていたら、知らぬ間に広告を踏んでしまうことがある。
 未来では、それがもっと巧妙になっているのかもしれない。
 
 たとえば、無料の並列処理世界でエッチな映像や面白い動画を見て遊んでいると、すごく気になる場所にドアがある。
 そのドアを開けないと、次に進めないようになっていたりもする。
 が、そのドアをうっかり開けてしまうと、そこで強制的に脳労働させられて、明日の天気を考えさせられたりする。
 しばらく考えると開放されて、また楽しい並列処理空間が待っている。

 これは「労働」だろうか?
 「ゲーム」だろうか?

 おもしろい並列処理空間であればあるほど、脳労働者の確保者数もふえるということになるから、ますます面白いものが開発される。
 そして、一日中ネットづけ、ヘルメットかぶりっぱなしの人がますます増えていく。
 いや、脳波ヘルメットだって、あっというまにカッコいいフォルムに変わり、キャップやヘアバンドぐらいの見た目に進化するだろう。

 10年後の日本や世界を予想するのは、かように難しくて面白い。


以上、情報サイト『探偵ファイル』よりお届けしました。
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