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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
　岡田斗司夫の解決！ズバっと　2015/03/02
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おはよう！　岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。
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非公開さん／19歳／大学生／ブロマガ会員
「死ぬことが怖いです。」
【質問】
“死ぬことが怖いです。毎日のように、風呂に入っていると死ぬことが恐ろしくて物凄く怯えてしまいます。ベッドの中でも死ぬことが怖くて眠れないことがあります。宇宙の話や歴史の話も、死を連想するので聞いていると怖いです。
　このまま毎日のように怖がっていては身体にとても悪いと思うので、死ぬことが怖くなるようになりたいです。アドバイスをお願い致します。”


【回答】
　これは難しく考えてないよ。"死ぬことが怖い"のはいいんだ――、いいってこともないけどさ。僕の考え方は、"救いをもたらす"のではなくて、"苦痛を減らす"にしか過ぎない。そこに自分の限界もあると思うし、その限界を超えて、「自分は何かできる」って奴は、全て嘘っぱちだと思ってるんだ。


■死ぬのが怖いのは当たり前
　こんな質問されると、死ぬのが怖くなくなる回答をしようとする。でも、それは本質的に不可能なんだよ。「死ぬのが怖い」って言う人に「怖くないよ」と言ってもしょうがない。
　バンジージャンプを怖がってる人に、「怖くないよ」って言ってもダメなんだよ。「怖いけど面白いよ、大丈夫だよ、やめてもいいよ」とか。まず、怖い事をまず認めないと。"相談者は死ぬのが怖い"って事実を動かすべきではないんだ。

"死ぬのが怖い"に対するデメリットをマイナス100としよう。"このまま毎日にように怖がっていては身体にとても悪いと思う"っていう点が問題だよね。こんなに毎日怖がっていたら、「体に悪い」って考える事がマイナス50になってるよね。

死ぬのが怖い＝マイナス100
体に悪いという罪悪感＝マイナス50
なんとかしないといけない＝マイナス50

　つまり、合計がマイナス200になっている。これを0にするのは不可能なんだ。だって、死ぬのが怖いし、それは当たり前なんだもん。だから、マイナス100に戻すだけでいいと思うんだ。マイナス100以外のことを考えない方がいいと思うよ。
「死ぬことが怖くなくなるようになりたいです」って事が無理だと思います。死ぬのが怖いのは当たり前です。でも、死をどんなに怖がっても体に悪くない。何とかしなくちゃ、って考える必要はないよ。


■エロスとタナトスは表裏一体
　何をやっても死ばかり考えてしまう事は、エロくて困ってる事と同じだよ。何を考えてもエロい事ばかり出てくる。こんなにエロい事ばかり考えてオナニーしてたら、体に悪いと思います。なんとかしなくちゃ！　――と、全く同じじゃん？

　まるで死だから、すごいネガティブに考えてるんだけども、エロと全く同じ。エロスとタナトスというぐらいだから、死の恐怖とエロスの渇望とは、同じコインの裏表なんだ。相談者さんの悩みは「エロくてエロくて困ってる」と本質的に同じようなものだって、ちょっと考えてごらん？

　エロが悪いんじゃないんだよ。
　エロによって、体に悪いぐらいオナニーしたり、痴漢を起こしそうな事がまずいだけじゃん。同じように死が怖かったら、それを体に悪いと考えたり、それを避けるあまり、社会的に経済的に無理な事をする事だけが、マイナスだと分かると思うんだ。エロは悪くない。同様に死が怖いことは悪くない。それは当たり前だよ。そうやって割り切れば、ちょっとはよくなると思います。


【まとめ】
　死が怖いのは当たり前です。でも、死を怖がって、罪悪感を持ったり、悩んだりする事が問題です。死をエロと置き換えて考えてみましょう。そうすれば、死を考える事自体が悪くないと分かるのでないでしょうか。