山田玲司さん/48歳/漫画家/「先輩、今までで一番無茶したことは何ですか?」
<おっくん>
先輩、今までで一番無茶したことは何ですか?
<山田玲司>
武勇伝聞きたいんです。無茶したとか、今思えばやばかったとか。
先輩の武勇伝ってあるじゃないですか。
【回答】
<岡田斗司夫>
仕事上そういうことってよそで喋っているから、あまり面白くならないんだけど。
「オネアミスの翼」作ったときに120分以内って制限があって119分で納品したら、20分切れとか40分切れって言われたの。映画の興行会社から。
切って興行したら、映画館で1日4回が5回かかると。そうすると利益が自動的に25パーセント増える。大ヒットもしそうにないから、興行回数を増やすしかない。
「この映画は大ヒットはしないし、せめて回数こなしてアニメファン山ほど小屋に入れようよ」って言われたら反論出来ないじゃん。
監督だったら作品性がって言えるけど、俺プロデューサーだから試写会の反応とか数字持って来られたら答えられない。
しょうがないから「フィルム切るんだったら、俺の腕切ってください」って言ったの。
関西の生まれの地がでちゃったね。そんな話は近所で聞くわけよ。
中学校の対決で、負けた方が指詰めるとか真剣に言っていたからさ。
おんなじ覚悟でいったら冗談って受けとられて、冗談じゃないんですよって凄んだんだけど、あれはやるべきじゃなかったね。
相手の映画会社はほんまもんのこれが多いところだから、そこでやっちゃいかんわな。
<山田玲司>
いい話ですね。
<岡田斗司夫>
それぐらいしか持っていくもんがないのよ。むこう数字だから、ビジネスマンとして話してくる。
そこで「義理通してください。バンダイの社長が俺の前で120分って言いましたよね。数字が悪いからって最初の約束破るんですか。切れって言っているのは映画興行会社の下っ端ですよ。下っ端のデータで変わるなら、社長はなんのためにいるんですか!」って言ったの。
それ言いながら腕切れって言うから、開き直りもいいところだよ。
<山田玲司>
面白いですね。功利主義の岡田さん、儲け第一ってイメージだけど、本当は全然違うんですね。
<岡田斗司夫>
やくざなの。やくざって情念を守るために弁が立つじゃん。
本当に自分がやくざだと思っている。生き方が任侠。
だからマンガベスト3になると「本気!」が入ってくるの。
<山田玲司>
また意外なの入りますね。
<おっくん>
子どものころ「チャンピオン」読んでいたけど、全然ついていけなかった。
線細いし。やくざなのに。
<岡田斗司夫>
この間まで「僕はウィリー」とか「ヰタ・セクスアリス」とか描いていたのに。
<山田玲司>
やくざ、まさかのパンチパーマ。あんなパンチパーマないよ。
<岡田斗司夫>
凄い点描で「俺のシマ」って描いているの(笑)
<岡田斗司夫>
「本気!」はBSマンガ夜話でやってくれないの。長いっていうのもあるけど、いしかわさんや夏目さんの思うマンガじゃないの。2人の中のマンガの中の少女らしさって「リバーズエッジ」とかだから。
「本気!」を取り上げられないマンガ夜話って、悪い意味でのNHK的であったり朝日新聞的であってさ、学級委員が選んだマンガばっかりになるの。
<おっくん>
岡田さん、ひとり夜話で「本気!」やったんですか。
<岡田斗司夫>
やってないね。あれ語っても情念だけだもん。
<おっくん>
「本気!」山田先生はどうですか。
<山田玲司>
俺が駄目だもん。わかんないもん。
<おっくん>
「本気!2」まであるんですよ。
<岡田斗司夫>
蛇足だけどね。
<おっくん>
ヤンキーマンガどうですか。
<岡田斗司夫>
ヤンキーマンガ好き。
ずっと探しているマンガ「コンポラキッド」だもん。
単行本買いそこねたから。
<山田玲司>
今その話している人誰もいませんよ。
<岡田斗司夫〉
あと「シャコタンブギ」凄い好き。
先輩と後輩がシャコタンのクルマ買って、それで対決するシーンがあるの。
ツナギを新調するんだけど、胸に自分が作ったアップリケでカタカナでフェラーリ。サイコー。
<山田玲司>
やっぱり大阪の荒っぽいところで育ったってことが、メンタルのベースにあって、「ブルジョア気に入らねえ」がありながら、でも王子でもある。
<岡田斗司夫>
ブルジョア気に入らないから。金持ちの息子嫌いだもん。
<山田玲司>
なるほどねー。そりゃポップになるよね。 (続く)
【まとめ】
「王立宇宙軍」で時間を短くしろと言われても凄んで引かなかったこと。
生き方が任侠なので、情念を守るために弁が立つんです。
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