昨日のメルマガで朝日新聞『悩みのるつぼ』、相談文をお届けしました。
今日は、いよいよ回答文もお届けします。
【質問】
現在、大学2年生です。
私はTwitterが大嫌いです。
それを使う周りの人たちの情報モラルの低さが気になって仕方がないのです。
私の悩みは、友達が勝手に、私が写っている写真や、私の発言をTwitterに 載せることです。
ほとんどの友達がTwitterで頻繁につぶやいていて、珍しいものを見たり、おいしいものを食べたときに、それを教えたくなる気持ちはわかります。
しかし、私の写真や発言を、許可なしにネットに載せるのはやめてほしいです。
私はそういうことを知られるのが嫌だからTwitterをやっていないのに、意味がありません。
問題なのは、彼らはそれを悪いと思っていないことです。
載せるのをやめてと伝えても、「○○ちゃんの話が面白かったからみんなに教えてあげようと思って~」だとか、「楽しかったから写真を載せただけだよ~」と、ノリが悪いやつとして扱われてしまうのです。
それにも腹が立ちます。
鍵がついているアカウントだから知ってる人しか見ないといわれても、気持ちがおさまりません。
もしも私の写真が合成などされて、ポルノサイトに載ったら、彼らは責任を取ってくれるのでしょうか?
ありえないことではありません。被害妄想が激しい、私が悪いのでしょうか?
最近ではTwitterを流行らせたオバマ大統領を憎いとさえ思うほど悩んでいます。
【回答】
ハリウッドセレブたちは、家族の写真が広まることを極端に怖れています。
誘拐や脅迫など犯罪に直結するから、当たり前ですよね。
では、セレブたちはどうやって対処してるのか?
答は簡単。「友達に、写真を広めない、という約束を守らせる」です。
セレブたちはプライバシーを守るため、海ではプライベートビーチ、食事するときはレストラン貸切と、たいへんな出費をしています。
その事情を察してるから、友人は守ってくれるわけですね。
日本のタレントやアイドルも同じです。
自分の写真や発言が広まると困る。飲み屋での写真やうっかり発言をばらまかれては大迷惑です。
わかりますか?
「知られたくない権利」を行使するには、周囲の人から「この人ならしかたない」という評価と納得が不可欠なんですよ。
もし、あなたがアイドルかセレブの子供なら、
「写真や居場所や発言がバレると、立場的にまずい。自分も不自由を感じてるけど、しかたない。悪いけど協力して」
こう説明したら、ほとんどの友達は納得してくれるはず。
でもあなたの友達は「セレブじゃあるまいし。そんな大げさな」と笑って取り合ってくれないでしょう。
Twitterは素晴らしいツールです。
誰でも自分の「知らせたい権利」を行使できる。
でも「知られたくない権利」を行使できるのは、一部の特権階級だけです。
カネやコネ、友達に納得してもらえる理由・大義名分を「持てる者」だけが「知られたくない権利」を行使できます。
私からの助言は一つだけ。ぜひTwitterをはじめてください。
ペンネームでOKです。友人があなたの写真をUPしたら、すぐに「写真、イヤなんだ。ごめんね。削除してくれる?」とお願いしてみましょう。
友人はけっして納得はしません。心の底であなたを「面倒だな」と思うでしょう。でも、ちゃんと消してくれるはずです。
だって衆目監視の下で「私の写真を消して」とお願いされたら、それを断る方が悪者になるからです。
あなたの「知られたくない権利」を、思いきってみんなに訴えましょう。
ネット社会では「秘匿」はコストが高くて不利です。
逆に「何を公開するか」が武器になります。
ネットは広大です。
あなたの「知られたくない権利」を守ってくれる仲間は、きっとネットで見つかります。
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