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岡田斗司夫の解決!ズバっと「ビジネスをするのに借金は必要か?」

2014/12/14 06:00 投稿

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  • 人生相談
  • 解決!ズバッと
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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2014/12/14
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おはよう! 岡田斗司夫です。
今日も『解決!ズバッと』をお届けします。

今回は『「お金」って何だろう?』 からです。
僕が質問し、山形浩生先生に答えてもらった対談を、Q&A形式で、分載しながらお届けします。
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【質問】
岡田斗司夫さん/56歳/作家/「ビジネスをするのに借金は必要か?」

岡田 こうして話をお聞きしたところ、銀行がお金を貸せば貸すほど経済活動が盛んになる、ということが前提になっているわけですよね?


【山形浩生先生の回答】

山形 世の中には、人々がやりたいと考えているプロジェクトがたくさんありますから。投資したら10%は儲かるプロジェクトもあれば、5%くらいにしかならないプロジェクトもある。金利が8%だと8%以上儲かるプロジェクトしか進められませんが、金利が4%なら4%以上儲かる可能性のあるプロジェクトは全部実行されます。金利が下がれば、プロジェクトの数は基本的に増えることになります。

岡田 ただそれは、あらゆるビジネスの立ち上げに借金が必要だという大前提の元で成り立つことですよね。
山形 そうです。
岡田 なんでそんな変なことを考えるんでしょう?もちろん、大きな工場を建てるようなビジネスなら借金も必要でしょうけど、普通の人が銀行から借金する必要はありますか?

山形 車や住宅を買うために、大勢の人が借金しているじゃないですか。
岡田 お金がないのに借金して車や家を買うのは、ヤクザがすることですよ。
山形 そんなこと言ったら、クレジットカードで物を買っている人はみんなアウトじゃないですか!借金すれば買えますよね。
岡田 それは情けないことです。

山形 一部の企業は最初にある程度設備を揃えないと、事業を始められませんよ。レストランを開業するために銀行からお金を借りる人も多いでしょう。小さなビジネスなら銀行がいらないかというと、それはケースバイケースではないでしょうか。

岡田 個人がレストランを開業するときは、まず親戚からお金を借りませんか?僕の元妻の実家は果物屋だったんですが、やはり銀行からお金は貸してもらえなかったそうです。親戚数人から苦労してお金を集めて店を買ったら、それを担保にしてようやく銀行がお金を貸してくれるようになった。でも、銀行が貸してくれたお金は、親戚一人分にも満たなかったそうです(笑)。

山形 僕は発展途上国の人に銀行の仕組みを説明しているので、つい「銀行は小さな八百屋さんを出すときにも役に立ちます」と言ってしまうのですが、確かにそれはおっしゃるとおりです。

岡田 山形さんが困るのもよくわかります。僕がこれまで経済というものを理解できなかったのは、こういう考えを持っているからでしょう。僕がアニメ制作会社のガイナックスを経営していた頃、よく銀行員がやって来ては、お金を借りてくれと言われました。

 「わざわざお金を借りろということは、おたくの銀行が得するんでしょう。でも、うちの会社に何の得があるんです?」と聞いたら、その銀行員は「運営資金が必要だからだ」と答えました。でも、運営資金を借りなければやっていけない会社は、ダメな会社に決まっているじゃないですか!

 僕が「お金なんかいらない」と言うと、銀行員は「でも事業拡張するにはお金がいります」と言う。「うちは注文を取って、利益を出してから事業拡張するから」と僕が言えば、「お金を借りていただければ、早く事業を拡張できます」と答える。とうとう「なんでそんな不安定なことをしなけりゃいけないんだ!」と、銀行員とケンカになってしまいました。結局、銀行とは1回も取引しませんでしたね。

山形 それは、すばらしい(笑)。
岡田 だから、僕には借金するということがよくわからない。お金が貯まるまで我慢すればいいと思ってしまう。液晶テレビの製造を始めるというなら、必要な設備や人員数を調べて、それに必要な資金を銀行から借りる必要はあるでしょう。でも、それは大企業の話であって、個人や小さな会社にはあまり関係ないんじゃないですか?

山形 いや、10人くらい雇っている町工場でも、しばらく仕事がなかったら、借金して賃金を支払わないといけないでしょう。
岡田 そんな町工場はいずれ潰れます。そういう会社にまで、銀行がお金を貸すから、エラいことになるんですよ!そういえば、かつて一世を風靡したSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の社長さんが前に語っていました。銀行員がお金を借りてくれと営業に来るんだけど、金の使い途がないと。だいたい、SNSなんて50万円もあれば始められるものでしょ?

山形 (苦笑)
岡田 その社長さんは、銀行からお金を借りるより、会員を増やしたほうが速くて確実だと言っていました。そのほかにやることといえば、せいぜい渋谷のいい場所に本社を作るくらい。社員数が少ないんだから大きな本社はいらないし、福利厚生設備を充実させ過ぎるとみんな働かなくなっちゃうから、それもいらない。

 僕が「それだと有能な人員が集まらないんじゃないですか?」と尋ねたら、「うちに有能な人員なんかいらない。東大出た奴が、うちみたいなベンチャーに来なくていい」と言う。ものすごく首尾一貫していました。


【まとめ】
 借金前提のビジネスではなく、銀行からお金を借りない運営方法を考える。借りる場合、先ずは親戚を頼る。


【最新著作】
山形浩生先生との対談本『お金って、何だろう? ぼくらはいつまで「円」を使い続けるのか?』は、僕が山形先生にどんどん質問して教えを乞う、という形式で進行しています。

このブロマガでは、その第二章を読みやすいサイズに分割して、順次お届けします。「経済の根本の根本」を、常識や思い込みにとらわれず、とことん質問し、かみくだいて、身もふたもなく解説してもらった第二章。

ぜひ、お気軽にお楽しみ下さい。
じゃあ、また明日。バイバイ!

 

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