氷沼英一さん/48歳/フリーター/必ず解決!ズバっと
「岡田さん、助けてください」
【質問】
“宜しくお願いいたします。『就職するには、やっぱりマイナビやリクナビが有効ですか?』の解答として、親戚、友達に紹介を頼め、とありました。友人が全然居ない場合はもうどうしたらいいのでしょうか。
若いときは才能があると勘違いし、自分の力で文章を書いて生きて行けると思いましたが、流石にもはやそんな力はないのだと自覚しました。就職など微塵も 考えていませんでしたが、自分を信じた不憫な嫁さんと我が子に少しでも貢献したいと思い、仕事を探しています。ちなみに、親戚の方には紹介、または親戚の 元で仕事をしましたが、あまりのハードさに辞めた為、もう頼れません。ああ、もう、どうやって生きて行ったらいいのか、分らないレベルです。
簡潔にまとめます。岡田さん、助けてください。”
【回答】
いや、いや、いや、いや!! スゲーのきちゃったよ(笑)。
途中までは「うん、うん」って思ったけど、”48歳フリーター”って書いてある(会場笑い)。ギリ35歳なら分かるけど、48歳だろ――。
「助けてやってよ」(コメント)
助ける以前に、多分自分の状況が整理されてないのがしんどい理由だと思う。俺も同業だから分かるんだよ。俺もほら、本書いて生きてるわけじゃん。世の中 には、”役者になって生きていく、声優になって生きていく、アニメーターになって生きていく、漫画家になって生きていく”みたいな人生歩んだり、チャレン ジした人っていっぱいいるよね。それは普通の人と違うんだ。普通の人に負け犬っていないんだよ。確かに受験に失敗したとか、思った会社に就職できなかっ た、失恋したって人はいるかも分からないけど、それは”その人たちの人生の分岐の1つ”でしかないんだ。
でも僕らみたいに「自分の才覚で食っていこう」と決心した人間は、”勝つか負けるか”の2つしかないんだよ。その勝つか負けるかの2つっていうのは、年齢によってチャレンジできる限界線がある。限界いっぱいまでチャレンジするのは勝手なんだけど、結論が出てるんだよ。
俺らの人生には”勝つと負ける”がある。こういう言い方は申し訳ないんだけども、氷沼さんは48歳でフリーターだろ。「もうその道あきらめた」って自分 でも思ってるんだろ。その賭けには負けたんだ。ただ”君の人生が負けた”んじゃなくて、その”賭けに負けた”んだ。それを正直に認めようよ。賭けに負けた んだから、次の賭けなり何なりチャレンジすればいいのに、負けた事を引きずったり、負けた事を認めたくない。
だから48歳まで、ズルズル伸ばしちゃってるわけだよな。ただ俺らみたいな”自分の才覚で生きていく人間”は勝ち負けがあるんだ。僕らみたいな職業だと負け犬は存在するんだよ。
その状態では、”作家になれなかった、文章として食えなかった負け犬”なんだから、次の人生を立ち上げるしかない。次の人生の立ち上げの時期がずーっと遅れてる。多分、まだ前の賭けに未練があるか、前の賭けに勝ったか負けたかの結論を出したくないと思うんだけども。
48歳で家族いるんだからさ。家族がいる時点で、別のジャンルの勝ち負けでいえば、勝ちなわけじゃん。だから、親戚から紹介された仕事がしんどかったん だったら、楽な仕事探してもいいし何してもいいし、その日暮らしでもいいよ。とりあえず、家族食わして生きてく事をちゃんと目標にしようよ。「普通の事を 目標に出来ない」って思うのは1番最初にやった賭けにまだこだわってるからだよ。
とりあえず、家族食わして生きてくことをちゃんと目標にしようよ。そういう普通のことを目標にできないって思うのは、1番最初にやった賭けにまだこだ わってるから。それは勝ち負けが出ちゃったんだからさ、もういいじゃん。普通に真面目に生きてくことだけを目標にする。俺らみたいな勝ち負けのある人生を 選んじゃった人間は、それが約束だと思います。
【まとめ】
”自分の才覚で生きていくこと”を選んだ人には勝ち負けがあります。その賭けに負けたことを認めて、普通に家族を食わしていくことを目標にしましょう。
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