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 岡田斗司夫のニコ生では言えない話 第67号 2014/1/13
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【今週のコンテンツ】ルパンは三流、ホームズは難しい。原作よりジュブナイルを!
【今週の書き起こし】岡田斗司夫のビブリオトーク(後編)
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◆【今週のコンテンツ】ルパンは三流、ホームズは難しい。原作よりジュブナイルを!
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少年時代の愛読書はシャーロック・ホームズと江戸川乱歩だった前田宏樹です。
当然、両方ともジュブナイルです(笑)

2013年11月10日、岡田斗司夫による読書会「ビブリオトーク」が
吉本興業の本部にて開催されました。

今回は岡田斗司夫が語るジュブナイル小説についてご紹介します。
岡田斗司夫が熱くなったのはアルセーヌ・ルパンとシャーロック・ホームズ。
ルパンの原作小説がダメダメ(?)だってご存知でしたか?

二人の大作家の見る目が変わるかもしれない!? 岡田斗司夫が語るモーリス・ルブラン&コナン・ドイルの逸話をお楽しみ下さい。


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ジュブナイルの魅力を話します。

たぶん、ハリーポッターみたいな良質なものがあるから、
大人も子供も読める小説っていうのが、
この世の中には、既にちゃんと存在してるんですけども。

その昔、子供向けのものってそんなに面白くなかったわけです。

どうしたのかというと、
大人向けの小説を子供向けに無理矢理書き直す。
つまり、ジュブナイルっていう作業があったんですよ。

例えば、村上春樹の新作とかですね。
あと海外とかで翻訳されて大ヒットしてる小説、
例えば『華麗なるギャッツビー』とかを
小学生にも分かるように翻案して変えてしまおう! という文化があったんですね。


シャーロック・ホームズとアルセーヌ・ルパンは翻案ものが面白いです。

実はコナン・ドイルが書いたホームズっていうのは
僕らが思ってる以上に、ちょっと難しいところがあるんですね。

子供向けのホームズの本の方が、より読み物として楽しめる。


大人向けの本当のホームズって、
30歳とか35歳超えてから読み直さないと、
心理的な暗喩・隠喩みたいなものが分かりにくかったりします。


ルパンシリーズはもう原作を読んではいけないです(笑)


ルパン読んだことある人いますか? 
いい加減な小説ですよね~。

ホームズはまともな小説です。

ルパン対ホームズみたいに書かれるから、
ついついルパンまともな小説だと思うんですけども。


でも、モーリス・ ルブランて一発当てることしか考えてないんです!


かなり三流な作家なんです! 


面白くないんですよ、困ったことに(笑)


唯一まともなミステリーになってるのが『奇巌城』ぐらいかな。

『奇巌城』の中にもですね、ホームズが悪役として登場します。
本当に「売れりゃいい!」しかルブラン考えてないです。

ホームズが悪いことばっかりして、ルパンが正義の味方。
読んでる人が思わず涙する! みたいな内容になってるわけですね。


そしたら、コナン・ドイルから国際郵便でめちゃくちゃ抗議が来て!
仕方ないから、ルブランはシャルロック・ホルムズとか名前を変えるんです。


懲りずに次の作品で出して、
またコナン・ドイルにめちゃくちゃ怒られる!
っていうことをやってるのですね(笑)

ルパンは本当に翻案もので、
少年ものに書き直したやつを読んだ方が、たぶん面白いです。