岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/09/09

 今日は、朝日新聞の「悩みのるつぼ」から相談文と岡田斗司夫の回答をお届けします。


<相談>

 40代女性です。1年前から小さな会社でパートをしています。勤続20年、60代の同僚(女性)に悩んでいます。
 彼女は何でも自分の思う通りにやろうとします。仕事のやり方ならまだしも、従業員の湯のみのしまい方まで細かく指示します。それが「あまり使わないモノは奥に」など、合理的な内容ならいいのですが、「柄のある湯飲みは前、ないものは後ろ」といったように、自分のこだわりを押しつけているだけです。
 また会社に出入りする業者さんにお茶を出すように言われたので出していたら、「いちいち業者にお茶ださないで。お客様じゃないから」と言い、出さなかったときには、「お茶の1杯ぐらい出してあげなさいよ」と言います。
 その時その時で言うことが違うのです。彼女の言うことにいちいち従う必要はないのでしょうが、そうしないと仕事を教えない、という大人げない仕返しをされます。
 社長も彼女の横柄な態度は気づいているようですが、事なかれ主義なのでしょう。何も言いません。
 何となく彼女の顔色をうかがっている自分が嫌になり、ストレスがたまりますが、生活もあるので、おいそれと辞めるわけにもいかず、うつうつとしています。
 対処法や心の持ちようを教えていただけたら幸いです。

<回答>

 いま、あなたがしんどい理由は、最初に「ボタンの掛け違い」があったからです。あなたが同僚だと思ってる彼女、同僚じゃありません。実は上司なんです。
 小さな会社で勤続20年、庶務や雑用すべてこなしてる女性とは、いわば「会社の裏ボス」です。同僚じゃなくて上司であり、あなたは部下だから「聞かなくてもわかる」ようになるまでは、指示を完全に実行するのが当然です。
 しかしあなたは同僚だと誤解してしまった。なので「指示ではなく、仕事のやり方説明だ」と受け取り、その矛盾に悩んだりイライラする。彼女も、「指示に対して、いちいち理由を聞くなんて、本当に使えない『部下』だわ!」と思ってるはずです。
 このすれ違い、ストレスから脱するため「師匠と弟子ごっこ」、してみませんか? ごっこだから、本気でなくてかまいません。とりあえず同僚の女性を「尊敬できる師匠」だと思い込んで、弟子入りする「フリ」に徹してください。師匠の意味不明な行動には、自分など思いも寄らない理由が隠されている(はず)! それを「教わらずに解き明かす」というゲームです。
 業者へのお茶出しにも「当社がお願いする用件にはお茶を出す」「先方の勝手な用件にはお茶を出さない」という、ちょっと複雑なパターンが隠れているのかもしれません。
 こういう「明文化されていないパターン」を「文化」と呼びます。文化は理解より体得がいちばん。師匠のいっけん論理的でない指示は「まだまだわかってませんでした」「なるほど!」と大喜び(のフリ)で受け取り、可愛がられた方がストレス少ないと思います。
 ちなみに、あなたを苦しめた真犯人は社長です。あなたの同僚は、本来は「総務または庶務の部長」です。それだけの知識と経験、権限を持っているからです。でも会社が小さいとか、彼女が女性だからという、しょーもない理由で、社長は彼女に役職を与えなかった。なのであなたは彼女を「同僚」と誤解し、「上司に従う」という発想が薄く、ゆえに現状のストレスフルな関係になってしまいました。
 あなたが怒るべきは「ちょっと足りない社長」であり、その女性は「同じ被害者」の「仲間」です。けっして「横暴な同僚という敵」「同じ敵に悩まされている気弱な社長」ではありません。
 この「ボタンの掛け違い」を正すと、わりと楽になると思います。

『悩みのるつぼ』卒業記念講演会のお知らせ

 9月23日(月)に東京、9月28日(土)に大阪で開催する「『悩みのるつぼ』卒業記念講演会」について改めてお知らせいたします。ともに、午後2時半開演、無料です。
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 希望者は、下記のURLからご応募ください。

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