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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/08/26・増刊号
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今回は、ニコ生ゼミ8月25日分(#297)から、ハイライトをお届けいたします。

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 Q:アニメは自分で作ったほうが楽しいですか?

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質問者:
 質問です。

 岡田さんは自分でアニメを作るのと、他人が作ったアニメを見るのとでは、どっちが楽しいですか?

 アニメ作りは大変な労力を費やす作業だと思いますが、『なつぞら』を見たり、岡田さんの話を聞いていると、作っている人たちが一番アニメを楽しんでいるのではないかと思います。


 ものづくりにかける青春。

 才能ある仲間との共同作業。

 それらを僕は味わった事がありません。 


 完成したフィルムをいているだけの僕は、ひょっとして残飯を食べてるのでしょうか?

 見る側と作る側、どちらも知り尽くした岡田さんの答えを聞かせてください。

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 いや、楽しいのは絶対に “他人の作ったアニメ” を見ることなんですよ。

 これは本当なんですよ。


 だって、楽しいアニメを選んで見ればいいわけですよ。

 それでダメなアニメは見るのを止めればいいじゃないですか。

 ところが作る側に回ると、これが “いいアニメ” か “クズアニメ” かっていうのは、作ってみないと分からない。

 オマケに仕事の後半になってから分かってくる場合もあるんですよ。


 もちろん、見て最初から分かる時もあるんです。

 だけど、「あれ? 俺はコンテや設定を見ると面白くないと思うんだけど、 俺の友達は みんな盛り上がっていて「この作品、いいね! やろうぜ! やろうぜ!」って言ってる」みたいな事もある。


 あるアニメの第一話を、自分は「あんまり面白くない」と思ったんだけど、クラスでみんな盛り上がってるからついつい見ちゃう。

 それで、やっぱり乗り切れなくて、途中で見るのを止めちゃうっていうの。

 よくありますよね?


 あれ、仕事の現場でもあるんですよ。

 本当に(笑)。 


 アニメーター仲間が「これ、最高!」って言ってたのに、途中でみんなが凄い辛そうな顔になってきて、「やっぱり面白くなかった」っていうような話がね、よくあるんですけども。

 「これ、企画段階とか脚本とか絵コンテはあんなに面白かったのに、なんで現場に入ったら・・・?」っていうような作品が多いと。


 それと “才能ある仲間との共同作業” って質問に書いてらっしゃるんですけども、それだったら別にアニメじゃなくても、お店のバイトでもどこでも同じなんですよ。

 すげーヤツっていうのは、どこにでもいて面白い事を思いつくし、そういうヤツが面白い事を言ったら、一緒に乗っかればいいのであって。


 でも、それに一緒に乗っかって、独立して会社を作ったり、店を始めたりしたら、やっぱり地獄かもわからないじゃないですか。

 だから “最高に面白い事” には必ずものすごいリスクが伴うので、普通に安全に最大限効率よく楽しく生きていたいんだったら、消費者でいる事が一番のポイントと思いますね。

 それがいいと思います。

 
 ただし、 “作ることを妄想する” っていうのは、面白さを味わい尽くす良い方法だと思います。

 たとえば好きな漫画があったら、それを読み返さずに、セリフと構図だけをノートに、いわゆる “ネーム” って言われるやつをダーッと描いて再現してみるとか。

 あとは面白かったアニメっていうを、映像で見返さずに、絵コンテを自分で描いてみるとか。

 これをやると、すごい ためになるんですね。

 ためになるし、以後、アニメとか漫画を見るときに、本当に面白さが何十倍にもなるのでオススメなんですけど。


 何が言いたいかっていうと、要するにクリエイターっぽくなるっていうのは、案外やった気になるだけでも、かなりの勉強になるんですよ。

 本当にそうなんですよね。


 ただし、もちろん本当にやっている人とは圧倒的な差があるから、そこのところは礼儀というか、SNSとかで相手に質問をするときは勘違いしないようにして下さい。

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