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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「NHKが朝ドラで堂々とラピュタのパロディ!「なつぞら」見どころ解説」

2019/08/05 07:00 投稿

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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/08/05

 今日は、2019/07/21配信の岡田斗司夫ゼミ「【月着陸50周年記念】岡田斗司夫が、宇宙開発とアポロ月着陸を語りつくすゼミ、いよいよ大詰め!」からハイライトをお届けします。


 ここからね切り替えるのも変なんですけど、今週の『なつぞら』です。
 今週の大きな動きは、なつと同い年の姉妹、夕見子の駆け落ち話と、ついに完成した短編アニメ『ヘンゼルとグレーテル』ですね。

 ちょっとビックリしたのが、完成した『ヘンゼルとグレーテル』のこのシーンなんですけど。
(パネルを見せる)

nico_190721_00236.jpg【画像】ヘンゼルとグレーテルの魔女 ©NHKnico_190721_00257.jpg【画像】ドーラ © 1986 Studio Ghibli

 上の方が、本編内、アフレコのスタジオのシーンで映った動画です。ちょっと色は悪いんですけど、グレーテルをいじめる魔法使いのばあさんです。で、その下が『天空の城ラピュタ』で、パズーの家でご飯食べながら怒鳴るドーラのシーンなんですけど。もう、構図も何もかも、そのまんまなんですよ。
 これ、やっぱり意図的なんですよね。スタッフがかなり楽しんでパロディをやってるというのがわかるんですよね。似てるでしょ? 並べてみると明らかに似ています。
 ただ、残念なことに、やっぱり『ラピュタ』の方が上手いんですよね。『なつぞら』の方は、たぶん「当時のなつ達の技術でやろうとしたら、こんなもんだった」というふうにやろうとしているから、どうしても『ラピュタ』の方が上手くなっちゃってるんでしょうけど。

 あと、木曜日のオンエアされた、第94話で、こんなシーンがありました。
(パネルを見せる)

nico_190721_00400.jpg【画像】坂場君とマコさん ©NHK

 坂場君がマコさんにリテイクを出すシーンです。「マコさんはこれをすごく嫌がってるんですけど、坂場君が急に熱く語りだしている。なつはそれを心配そうに見ている」という構図なんですけど。
 これ、何かと言うと。森の鳥たちが急に魔女を襲うシーンがあったんですね。このシーンについて、坂場君が急に思いついたように「そうだ! これは鳥たちがまるでデモをしているみたいに見えるように描いてください!」と。で、そう言われたマコさんが「そんなの描けないわよ!」って怒るシーンなんですよ。

 しかしマコさん、そんなこと言われながらも、努力してなんとか描いてくれました。
 そのシーンが、土曜日の『なつぞら』で出てきたんですけど。
(パネルを見せる)

nico_190721_00442.jpg【画像】鳥たち ©NHK

 「鳥たちが、向こうの方から行儀よく2列になって飛んできて、みんなで順番に魔女を小突く」という。
 ……あの、「これはやり過ぎ」というか。「スタッフは高畑勲を馬鹿にしているのか?」と。それとも、「いわゆる社会風刺というのは、ここまでやらないと伝わらないと思ってるのかな?」と思って、ちょっとビックリしたんですけど。
 ただ、本当に鳥がデモをしているように見えたのも事実で。これはもう、描いちゃった方の勝ちですよね。

 そして、驚いたのが、なつのライバル・マコさんの引退だったんですけど。
 ドラマを見ている方はおわかりの通り、マコさんは、いきなり「私、結婚するわ」と言って、この物語から引退することを宣言して、もう登場しないような感じになったんです。
 「マコさんのモデルになったアニメーターは虫プロに引き抜かれることになり、この時、東映動画からは同様に何人も移籍していった」という、アニメの歴史に残る大事件をどう描くのかと、僕はずーっと注目してて、このニコ生でも何度も話してたんですけど、まさかその辺り、全部スルーされてしまいました。
 なんと、「建築家の彼氏と結婚して、一緒にイタリアに行ってきます」と。「もう、やりたいことはできたから、アニメは気が済んだ」と言われたんですけども。
 僕、正直、腰が抜けてしまって。「そういうキャラじゃないでしょ?」と。本来は、彼氏がいてもアニメを取るようなキャラクターだったのに、急にそこで「イタリアで彼氏と暮らします」と言われて、ちょっと腰が抜けました。

 だけど、やっぱりね、「ちょっとキャラが段々と渋滞してきていたので、抜いていかなきゃいけないのかな?」と。
 なにより、来週から、ついにTVアニメ編が始まるんですね。現実の歴史に照らし合わせると、東映動画でTVアニメの制作が始まった場合、マコさんは虫プロに行ってなきゃいけないはずだから、いるわけにいかない。そんな中での苦肉の策だとは思うんですけど。

 歴史的には、アニメ『鉄腕アトム』の放送が始まったことで、東映動画としてもTVマンガをやるしかなくなった。
 それまでは「うちはTVマンガなんて絶対にやらない!」というふうに……まあ、そう言いながらも、実は当時の東映動画は「1本あたりの予算を2千万~3千万くらいで、まあ年に4本とか、夏休み・春休み・冬休みくらいのスケジュールなら」という形で地下交渉をしてたらしいんですけど。その辺りの事情が知りたい人は、Wikiでも見てください。
 これについて、Wikiに書いてあったことをそのまま読みます。


1963年元日に放送開始した虫プロダクションの『鉄腕アトム』により、日本に本格的なTVアニメの時代が到来した。
3コマ撮りや止め絵、バンクシステムの多用で、テレビ向けの省力化を徹底していた『アトム』に対する東映動画関係者の評価は、当初は低いものであったが、同作品が高い視聴率を獲得すると、その存在を無視できなくなった。
東映動画内部でTVアニメの検討が開始されると、元・手塚治虫のアシスタントで、若手の新鋭アニメーターでもあった月岡貞夫は、自らTVアニメの企画を提出した。


 その月岡さんが出した東映動画初のTVアニメが『狼少年ケン』です。
(パネルを見せる)

nico_190721_00820.jpg【画像】狼少年ケン ©東映アニメーション

 まあ、これは東映アニメの公式サイトから持ってきた絵なんですけど。
 東映動画は、この『狼少年ケン』の第1話を、まるまるYouTubeに公式でアップしてるんですね。みなさんも、このオープニングだけでもぜひ見てほしいです。メチャメチャ動きが良いんですよ。
 この構図では、ちょっとわかりにくいんですけど、月岡さんらしい、全てのキャラクターの足が短いんですけども、「よくこんな短い足で動いて走るな!」っていうくらい、動きが見事なので。


月岡は、自ら演出や原画を引き受けたが、毎週1本のペースで放送されるTVアニメは、天才・月岡といえど、その全話を担当することは不可能であり、1話ごとに担当チームが組まれて制作にあたった。


 こんな事情がありました。
 月岡さんというのは、実は、1人でまるまる1話の原画を書いたりしていたんですね。Aパートを丸々1人でやってたり、「複数の人数」と言っても、まあ2人くらいでやってたり、もう、本当にすごい人なんですけど。

 さあ、ここから先、ドラマはどうなっていくのか?
 来週からは、NHKの朝ドラ『なつぞら』では、東洋動画ということになるんですけども、その東洋動画初のTVマンガに参加することになるみたいです。
 果たして、どんなアニメを作るのか? まさか『狼少年ケン』そのまんまはやらないとは思うんですけど。

 7月は、あと2週、放送があるので、たぶん「TVマンガの時代がやってきた!」という話を2週くらいやると思うんですよ。
 「毎週毎週アニメを作らなきゃいけない」というハードスケジュールの中、どんどんアニメーターの腕も上がっていくし、アフレコもどんどんするので、声優達の出番も増えてくると思います。
 で、オンエアが8月に入った辺りくらいから、「やっぱりテレビより映画だ!」ということで『太陽の王子ホルスの大冒険』に……果たして行ってくれるのかどうか?
 もうね、僕も『ホルス』をやるとは思ってるんですよ。でも、「このペースでそこまで行けるのか?」というふうに思ってもいるんですよね。

 現実の『ホルス』というのは、もともと北海道のアイヌ民話をベースにした作品だったところから、ちょっと政治的になることを嫌った上層部が「変えてくれ」と言った結果、北欧の話になったんですよね。
 でも、『なつぞら』では、そのまんまアイヌの物語としてやってくれるんじゃないかと思ってるんですよ。
 そしたら、雪次郎という、「雪月」の跡取り息子で、なつの友達の、声優をやってるんだけどアフレコの時に緊張して北海道訛りが出ちゃう子。「この子が逆に、他の声優みんなに北海道弁の方言指導をする」というキャスティングもできるし、まあ、わりと逆転できるんじゃないかと思っています。

 あとは、土曜日の、みんなでハイキングをする回で、坂場さん、つまり高畑勲が「今後はちゃんと取材しなきゃダメだ。今回、『ヘンゼルとグレーテル』をやった時も、こういうふうに、あらかじめ森で取材すればよかった」と言うシーンがあったんですけど。
 ということは、この『なつぞら』版の『太陽の王子』をやるんだったら、その舞台となるはずの北海道、なつの故郷の十勝の柴田牧場に、なつや坂場や、物語のキーになる人物がロケハンに行くことになるんじゃないかな?
 そうすると、そこで泰樹じいちゃんと坂場の出会いが生まれるし、そこで「坂場くんを男として認めるかどうか?」みたいな展開もできるんじゃないかなと思っています。

 『なつぞら』、ラストに向かってどんどん加速していっています。
 アニメの歴史や黎明期を、1人の女性の成長や青春に重ねているので、あくまでこれはドラマなんですよ。つまり、フィクションなんですね。
 だけど、実際のアニメの歴史とか出来事を知っていると、まあ、100倍楽しめる作品になっています。

 これから、いよいよTVアニメの歴史の話に入っていくので、今まで見ていなかった人も、できれば一緒に見ましょう。
 8月は、僕の妄想の中では、もう『ホルス』をやることは確定していて、それはアイヌの物語になって、十勝牧場にロケハンに行って、「子供の頃、私、ここで育ったんです」となつが言うと、坂場はなんか眩しそうに見つめるみたいな。
 そういう全く要らないような恋愛ドラマもどうせ入れなきゃいけないんだから、もう、十勝でやりゃあいいじゃん。そしたら、全ての伏線が、パッチンパッチン合うんだから。
 まあ、そんなふうにも思っています。みんなで『なつぞら』見ましょう。

「デヴィ夫人は?」(コメント)

 いまのところ、僕は「なつの生き別れになった妹は、デヴィ夫人として将来復活する」というデヴィ夫人説は取り下げません(笑)。
 いや、それ、どこで出すのかよくわからないんですけど。まあ、最終回のあたりで来るんじゃないかと思ってます。


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