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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/03/12
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今回は、ニコ生ゼミ03月03日(#271)から、ハイライトをお届けいたします。

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 品川祐がオンラインサロンで1万人を集める為の5つの条件

 品川くんのニュースです。

 ではタオルくん、お願いします。

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タオルくん:
 品川裕、オンラインサロン会員が少なすぎて絶叫~!
 『品川、オンラインサロン会員が少なすぎて絶叫 「定員1万人」揚げるもなんと・・・』

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 そういう記事だそうです。

 凄いね(笑)。


 これね、なかなか苦しいと思うんだけども。

 『J-CASTニュース』です。


 品川オンラインサロンが少なすぎて。

 お笑いコンビ「品川圧司」の品川裕さんは、2019年3月1日の12時からオンラインサロンの募集を始めて、「定員1万人」って言ってたんだけども、15時過ぎ時点での会員数は なんと2人と。

 で、自分自身でブログで「人気ねえよ」とか「3人家族の品川家よりも少ない2人・・・」って事で、自分でツッこんでます。

 オンラインサロンの王者キンコン西野が「品川さんがどうやって物を作ってるのか俺も興味ありますもん。俺だったら入るなぁ。絶対人集まりますよ」とキラキラした目をして言いやがったので、開設したそうです。

 それで、「西野のオンラインサロンが1万人超えてんだろ。じゃあとりあえず定員は1万人だ」と、調子をこいたと自分で言っています(笑)。


「シナガワえんためクリエイト」はアメリカで映画を撮ることを目標に掲げメンバーを募っており、活動内容として「Facebookグループを使っての品川との交流」、「不定期のオフ会開催」などを予定している。

 月会費は5000円。

 西野の5倍の金額だと。


 「今ならオンラインサロンとしては異例の人数の少なさなので、Facebook上で答えられる質問には答えるし、オフ会も、親戚の集まりより少ない予定なので、たくさん話せると思います」と少人数の良さに目を向け、前向きにコメントした。

 なお、このブログの効果だろうか、1日の17時すぎの時点で会員数は9人に達したというですね。

 すげえ(笑)。

 さっき僕が見たら、いちおう42人になってました。

・・・

 それでね、ダメな理由はちゃんとあるんですよね。

 この品川サロンのダメな理由は、募集文章なんですね。

 オンラインサロンのトップページに、「こういう意図で始めた」「こんな人を求む」っていうのを書くんですけどもですね。

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 YouTubeでフェイクドキュメンタリーや短編映画を作りたい、漫画の原作もやりたいと考えたときに仲間を集めたいと思った。

 集まってくれた仲間にも経験になるし、こっそりみんなでやりたい、そういう空間が欲しいと思ったからです。


 サロンを開設して、まずはYouTubeのチャンネルを作りたい。

 YouTubeに上げる映像のメイキングとかもサロンには公開していきたい。

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 ここがダメなんですよ。

 サロンを開設して、まず「YouTUbeのチャンネルを作りたい」なんですけども、「YouTubeのチャンネルを作ってからものを言えよ!」なんですよね(笑)。


 だって映像監督で、自分と一緒にやる仲間なんでしょ?

 じゃあ映像監督としての実力をYouTubeで見せなきゃダメなんですよ。

 彼の中で「俺はもう商業映画を3、4本作ってるから」っていう発想があるんですけどね、それがもうネット的じゃないんですよ。


 まず この人は、サロンの告知を文章で書くべきじゃないんですよ。

 そうじゃなくて、YouTubeの映像として語りかけて、「こんな事をやりたいです」っていうのを映像で見せて、その映像を見た みんな がやる気にならないと。

 なにか「ウチの飯がどんなに美味いのか」を口で説明する料理店みたいなもので、ダメですよ(笑)。

 まず一人でサロン用の動画を撮って、編集して、それを見せた上での文章だったら、「あっ、こんな面白い告知動画を作るんだったら、俺も」っていうふうに、みんなは考えると思うんですけども。

・・・

 あとね、「自分は有名人で芸能人だから、人は集まるに違いない」と、そこまで甘い事を考えてるわけではないと思うんですよ。

 この人は頭がいいから。


 でもね、その根性というのかな、底知恵が見えている(笑)。

 すべての芸能人・有名人・タレント・ユーチューバーに共通しているのは、タダだから見てもらっているだけなんですよ。

 ヒカキンであろうと、誰であろうと、日本中のユーチューバーであろうと、タレントであろうと、全員に言えるのは「お前らは所詮タダだから見てもらえてる」ってだけなんですよね。


 僕は15年前にオンラインサロンの元々のものを、もっと原型みたいなものを作ろうと思った時に、芸能人のファンクラブの運営の人を呼んで話を聞いた事があるんですよ。

 それで、その人に言われたのは「高田純次さんのファンクラブは5人しか集まりませんでした。 だから成立しませんでした。 あなたは大丈夫ですか?」と言われたんですね。

 
 高田純次さんのように、当時、もう15年ぐらい前に、本当に毎日のようにテレビに出てて、テレビのCMに出ている人が、ファンクラブを有料で月に800円かなんかで作ろうとした時に募集して。

 で、それは雑誌とか新聞でも宣伝したらしいんですよ。

 それで10人集まらなかったと。


 つまりこれは、どんなに有名な人であろうとも、メジャーに見える人であろうとも、“お金を払ってくれる” っていうのは、たとえば品川さんだったら今日の朝の時点では40人ぐらいしかいないし、という事なんですよ。

 この差が分かってない。


 有料でやった事が無い人っていうのは、無料で見て、それが何百万人だから「俺が持っているファンの母数っていうのは、これぐらいに違いない」というふうに思ってる。

 違います。


 何で西野君のエンタメ研究所っていうのが、有料でお金を払ってくれる会員が2万人もいるのかっていうと、あれは圧倒的な文章量にあるし。

 西野君のエンタメ研究所って、“エンタメ研究所” って書いてあるけど、違うんですよ。

 あれは格安の自己実現セミナーなんですよ。

 あれは本当は実はセミナーなんですよ。

 熱い文章、アジ文章を読んで、みんな が やる気になって、西野君のやる事をみんなが応援するっていうのは、本当に自己実現セミナーの講師の考え方なんですけども。

 自己実現セミナーは、日本では古くからいっぱいあるんですけども、おそらく西野君のセミナーは破格の安さであり、破格のサービス料なんですよ。


 1000円で、あんなに毎日サービスしてくれる自己実現セミナーなんて無いんですよ。

 だから みんな入るし、みんな止めないんですよね。

・・・

 それで僕が話しているニコ生ゼミも、有料会員だけで軽く1万人ぐらい超えてるんですよ。

 僕はイケメンでもなくて、デブで、人格的にはサイコパスじゃないですか(笑)。


 それでも会員が1万人も集まるのは、重要なのがキャラじゃないからなんですよ。

 キャラではなくて、有名だからでもなくて、毎週これぐらいの話をしていて、それの前半部分を無料でYouTubeで公開していて、さらに面白くて刺激的な話っていうのを有料部分の後半にもってきてやっているから。

 そこまでやって、ようやっと「お金を500円払ってやろうか」っていう人が、西野君の半分ぐらい(笑)。


 西野君は1000円。

 俺は500円ですよ。

 西野君は2万円で、俺はそれの半分なんですよ(笑)。

 それぐらいになっていると。


 だから、今これは無料版で話してるんですけども、もしも有料版の話が面白くなければ、もう本当にあっという間にガーッと人数が減りますよ。

 それはもう分かっていると。

 それどころか、面白くても減るんですよ。

 もう みなさんにデータを見せたいんですけども、アポロ計画とかゴシック建築の話をした月は、必ず有料会員が減るんですよ(笑)。


 なので、“僕には面白い” じゃダメなんですよ。

 僕が面白いだけだったら、せいぜい他のニコ生の人たちの放送を見たら分かるんですけども、5000人に行くか行かないかぐらいなんですよね。

 
 だから品川さんが本気で1万人を目指したいんだったら、条件が5つあります。

 絶対に。

 これは有料で、いわゆる動画をやる人のポイントだと思うんですけども。


 まず、面白い事。

 これは絶対ですね。


 次に、ためになる事。

 次に、元気になる事。

 二つは矛盾します。

 それで次は、よそでは聞けない事で、最後は、人に話したらウケる事。

 この5番目は、必ず聞いている人の利益になる事なんですよ。


 この5つの条件ですね。


 面白い。

 ためになる。

 元気になる。

 他で聞けない。

 人に話したらウケる。


 この5つを必ずやると、そしたら1万が狙えると思います。

・・・

 それで品川さんは、この中で「脚本や監督を目指してる人がいるなら面白そうと思えば脚本を読むし、脚本や演出で困ればサロン内に相談することがあるかもしれない。 注意点を挙げるとするならば、役者さんになりたい、映画に関わる職業を目指してるという人に、サロンに入ったら絶対に役や仕事がもらえるというような期待されるのは厳しいです」と書いてあるんですけども、これもダメ。


 あらかじめ「サロンに来る人は自分以下だ」というふうに決めてるんですよ。

 僕ね、自分でやった事があるから分かるんですけども、参加費が5000円以上のサロンだったら、そういう所に来る人の5人に1人は自分以上の能力かキャリアを持ってます(笑)。


 これはもう僕が自分自身の経験で言えます。

 だから高額サロンっていうのは怖いんですよ。

 「来る人の5人に1人は、自分以上だ」と思った方がいいんですよ。

 だから “教える” とか “与える” ではなくて、「正直、一緒に考えてください」とかね、もっとハッキリ「助けてください」の方が分かりやすいんですよね。

 だけど、この人は、それが言えないんですよね。


 このブログの書き方だったら、プロの映画人がすごく参加しにくい雰囲気になってる。

 「品川さん以上の映画のキャリアとか、映画の能力を持った人が参加する」って発想がハナから無いから、そういう事をハナから考えてない。

 ネットは本当に誰が集まるか分からないから面白いんですけども。


 そこが敗因だと思います。


 とりあえず品川サロンを見て参加している42人の方、もしこれを見たら、無料のYouTubeでもいいです。

 僕の話を文字起こししてください。

 
 「だいたい こんな内容だろう」という、“だいたい” ではダメですよ。

 僕が話したことを一字一句を変えずに文章にして、そのまま品川君のサロンに上げていいです(笑)。


 それでサロンに上げたら、「岡田ナントカというデブが、こんな事を言ってます」でいいですから。

 それで品川さんがサロンに本気だったら、もうこれを読みます。


 それで一つ言えるのは、今さらユーチューバーを選ばずにサロンを選んだのは賢いと思います。

 クレバーだと思います。


 YouTubeが絶滅するのと流れは同じなんですよ。

 サロンも、今、オンラインサロンをやっている人は、これから凄い勢いで淘汰されます。


 たとえばマジで危ないのは、はあちゅう さんとか、イケダハヤトさんの『脱社畜サロン』というのがあるんですけども。

 「社畜になってはいけないぞ! 脱社畜だ!」って言っているサロンをやっている時点でもうね、危ないんですけどもですね(笑)。


 こういうのをオリエンタルラジオの中田さんとか、元Microsoftの社長だった成毛眞さんとかが やり始めたら、一瞬で駆逐されるんですよ。

 その意味で、品川さんが今サロンを始めたっていうのはね、ギリというより かなり早い段階で先行した利益が得られるから、いい感じだと思います。

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