今夜 20:00~21:30 岡田斗司夫ゼミ#270
この書籍の中で、たまたま僕の心にヒットしたのは、本筋とは関係ないこの部分です。
<136ページ、“世界展開”より>
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富裕層というのは、地球に存在する他のどんな集団より均質である。
私は最近、JPモルガンの投資サミットで講演を行った。
CEOであるジェイミー・ダイモンが同銀行の300人の重要顧客(お客)と、その顧客の資産を運用しているファンドの創設者やCEOを50人ほどを招いた。
あらゆる国から来た人々は、あらゆる文化的背景を持つ人々にも関わらず、そこには似たものが溢れていた。
部屋にいた誰もが同じ言葉を話す。
エルメス、カルティエ、ロレックスを身に着けている。
子供をアイビー・リーグへ行かせ、イタリアやフランスの海辺か、カリブ海のサン・バルテルミー島で休暇を過ごす。
世界中の中産階級が一堂に会しても、そこには多様性がある。
違うものを食べ、違う服を着て、互いの事は理解できない。
人類学の見本市だ。
それとは対照的に、世界中のどこへ行っても富裕層のエリートは多様でありながら同じ色だ。
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僕はこの部分を読んだとき、この “富裕層の均質さ” っていう視点がメチャクチャ面白かったんですよ。
僕が前々から感じている “金持ちの人たちの退屈さ” っていうのかな。
「あの人たちって、なぜあんなにおもしろくないんだろう?」と感じていた理由が これだ! ってわかったからです。
たとえば僕だったら「お金が山ほど あったら、何するだろう?」って考えたら、そりゃ家が本だらけになるじゃん。
あと、オモチャだらけになるじゃん。
で、これを増やす事しか考えないよね。
その結果、家がもう、どんどん、どんどん変になるに決まってる。
模型を作る専用部屋を作る。
一つだけでは足りないから、飛行機模型を作るだけの部屋、船舶模型を作るだけの部屋、レゴを作るだけの部屋・・・と増やしていくはず。
作った模型を見せたいから、模型を見せる専用部屋を作る。
それぞれの模型用に部屋を用意する。で、その向こうには模型に合うこんな庭を造てっ・・・・・・。
そんな建て増しやら改築やらを繰りかえしていたら、なんだか訳の分からない18世紀とか17世紀あたりの貴族の邸宅みたいなものになりそうだよね。
僕に富が無限にあったらそんな事をするなって、自分では目に見えてるわけよ(笑)。
ところが、そんな事をやっている人が、現代の金持ちには ほとんどいないじゃん。
彼らはおそらく、お金の使い方が全然 分からなくなってる。
その結果、そんな均質な存在になっちゃうんだろうと思うんだよね。
オモチャとかアニメといった子供っぽい趣味でもいいし、他の趣味でもなんでもいいんだけど、そういう趣味を持っている人でも お金を持ちだすと、そういう “自分の趣味” っていうのが無くなってしまう。
その結果、均質で、おもしろくない人たちになってしまうんだろう。
僕がお金持ちを面白くないって感じる理由は、ここにあったんだ!
というのが、今回、この本を読んで発見したことです。
これは本のテーマとは関係ないんだけど、僕が個人的に面白いと思った箇所でした。
こういうことも含めて、僕の視点で『GAFA(ガーファ)』 を解説していこうと思います。
お楽しみに!
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ちなみに、前回のニコ生岡田斗司夫ゼミ#269
「『ファーストマン』は後々評価されるが、今は当たらない理由」は
表放送
00:00:00 『ファースト・マン』
00:07:12 アメリカ陸軍の力
00:13:15 X15の事故の10ヶ月前
00:24:09 キューバ危機
00:36:22 ニューナイン
00:40:51 マーキュリー計画
裏放送
00:48:16 バックアップクルー
00:59:58 月とニール
01:10:33 なぜ事故が起こったのか
01:21:31 着陸実験船
01:29:05 マスケリンクレーター
01:35:53 月への第一歩
01:41:50 私物ポケット
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