岡田斗司夫ゼミからのお知らせ

岡田斗司夫の毎日ブロマガ「【Amazonプライム】岡田斗司夫ゼミ#254「もののけ姫 完全解説・後編 1.エボシとモロはなぜ憎み合うのか? 2.シシ神の正体とサンの嫉妬 3.宮崎の描いた共産主義コロニー」」

2019/02/16 06:00 投稿

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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/02/16
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 「【Amazonプライム】岡田斗司夫ゼミ#254「もののけ姫 完全解説・後編 1.エボシとモロはなぜ憎み合うのか? 2.シシ神の正体とサンの嫉妬 3.宮崎の描いた共産主義コロニー」

 今回ご紹介するAmazonビデオは、先週に引き続き『もののけ姫』です。
 ゼミ動画の中でも、前編・後編ともにベスト10に入る人気動画です。

 後編のお題をご紹介すると

 (1)サンとエボシ 親子説を検証
 (2)シシ神の正体に迫る 
 (3)仮想敵は『七人の侍』と『ゴジラ』
 (4)『もののけ姫』は『平成たぬき合戦ぽんぽこ』へのアンサー作品。

 テーマの深掘りから、宮崎監督の心情まで、『もののけ姫』に様々な方向から光をあてます。

 Amazonビデオ https://amzn.to/2HR3dkH
 (レンタル500円 販売1,000円)

 ちなみに
 岡田斗司夫アーカイブの会員の皆様はこちらからどうぞ
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 ブロマガチャンネル会員の皆様はこちらでご覧になれます。
 (月会費500円で見放題)

 さわりの部分はこんな感じです。

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 まずは「エボシ御前の正体」という話からですね。

 エボシ御前に関する設定については、この本の中に書かれています。

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 『「もののけ姫」はこうして生まれた。』という単行本です。

 これは、日本テレビの同名のドキュメンタリー番組『「もののけ姫」はこうして生まれた。』の内容のまとめみたいな本なんです。このドキュメンタリーはDVDにもなっています。

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 このドキュメンタリーの中で、宮崎さんの机が映されるんですけど、コンテとか作画原稿以外にも、いっぱいメモが貼ってあるんですよね。

 そのメモの内容が面白いから、ドキュメンタリーの撮影班も、どんどん撮っているんですけど。

 そのメモの中には、エボシについての設定のメモもあるんです。

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 辛苦の過去から抜け出した女性。

 海外に売られ倭寇の頭目の妻となる。

 そこで頭角を現していき、ついには頭目を殺して金品を持って故郷に戻ってきた。

 このとき海外(明)で最新式の武器「石火矢」を手に入れ、日本に持ち込んでいる

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 「辛苦」とは、つらく苦しいという意味ですね。

 「倭寇」というのは、元寇の反対で、中国とか朝鮮の沿岸を襲う海賊行為を行った日本人のことです。

 まあ、歴史書によっては「その正体は日本人じゃなくて、日本人のフリをした当時の中国人とか韓国人である」という記述もあるんですけど、そういった倭寇の頭目の妻となるわけです。

 そこで頭角を表していき、ついには夫である倭寇の親分を殺して、金品を持って故郷に戻って来た。

 その時、当時の中国である「明」から、最新式の武器である石火矢を手に入れ、日本に持ち込んでいる。

 これが、エボシの設定です。


 ポイントは「もともとは海外に売られた悲しい女性である。ところが、そこから倭寇の親分の妻になる」というところですね。

 つまり、彼女は美人なだけでなくて、かなりの「やり手」なところがあったんでしょう。

 そして、どんどんのし上がって行って、ついには頭目を殺してしまい、倭寇の金を盗んで日本に帰り、おまけに中国から最新の武器、石火矢っていう大砲を持って帰ってきちゃったという、とんでもない女性です。


 そして「侍の支配から抜け出し、強大な理想の国を作ろう」と考えています。

 そのために目を付けたのが「シシ神の森」だったんです。

 なぜなら、シシ神の森というのは誰の領地でもなかったからですね。


 当時、日本中の土地というのは、天皇の土地であったり侍の領地であったり寺の土地であったり、すべて所有権が決まってたんですけど、この森はシシ神に属している。このメモにも「ここを手に入れれば、自分の国が作れる」というふうに書いてあるんですね。


 ここまで読めば、このエボシって、なんとなく「正義の人」みたいに見えますよね?

 確かに、映画の中でも、売られた女の人を引き取ったり、ハンセン氏病で差別されている人達も優しく介護して仕事を与えるという、すごくいい人に見えるんですけども。

 だけど、「ただのいい人」というだけでは説明できない矛盾というのが、このエボシにはいっぱいあります。


 たとえば、僕がやっぱり最初に気になったのが「タタラ場には子供が一切いない」ということなんですよね。

 宮崎アニメには、いろんな村が出てくるじゃないですか。『ナウシカ』での風の谷とか、『ラピュタ』のスラッグ渓谷とか。こういう場面では、必ず子供達が外を走り回ってるんですよね。

 ところが、タタラ場には走り回る子供がいない。

 それどころか、母親に抱かれている赤ん坊すらいないんですよね。


 これに関して宮崎駿自身は、当時の『もののけ姫』の映画パンフレットの中では「いやあ、そこまで描いてる暇がなかったんですよ」なんて言ってるんですけども。「描いてる暇がない」なんて言い出したら、『ラピュタ』や『ナウシカ』を作っていた時の方が絶対に忙しいはずなんですよ。

 描いてないのには、描いてない理由があるんです。


 では、その理由とは何かというと「このタタラ場というのは “開拓村” だから」なんです。

 開拓村というのは、18世紀から19世紀のアメリカ開拓時代によくあった、ようやっと村として成立してから10年とか5年くらいの年月しか経っていない村のことです。
 
 まだまだ「常に周囲との戦闘状態を続けている」みたいな村のことですね。


 タタラ場という場所では、家をなくしたり親に売られた女の人達は受け入れているんですけど、子供や老人という「働けない人」を積極的に仲間に入れるほどの余裕がない。

 まず、それだけの食料がないし、開拓村ですから、働けない人は養えないんです。


 タタラ場の外れには、隔離されているようにハンセン氏病の人たちの暮らす区画というのがあるんですけども、彼らは「石火矢を作れる」という能力があるから、あそこで飼われているのであって、どちらかというと「弱者には厳しい環境」なんですね。


 だけど、タタラ場の中で結婚している人もいるんだから、子供が産まれないはずがないですよね?

 にも関わらず、子供の姿がまったく見えないということは「外の子供を引き取らない」のと同時に、おそらくは、すごく厳しい「産児制限」、つまり「子供を産んじゃいけない」というルールを敷いているんだと思うんですよ。

 たぶん、このタタラ場の中に蔓延する、男をバカにして「女の方が強いんだ!」と言うような文化も、同じような目的で、意図的にエボシが作っているんだと思います。


 もっと大きい村になって、もう少しみんなの生活に余裕が出来るまでは、できるだけ無軌道に人口が増えないように、かなり注意している。

 これが、エボシ御前が単なるいい人に見えない、矛盾点の1つ目です。
 
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