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今回は、ニコ生ゼミ01月27日(#265)から、ハイライトをお届けいたします。
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「【『アナ雪』主題歌シーンに隠された意味 2 】 怪物と化していくエルサを肯定的に描いた」
そんな彼女のもとに、カメラがどんどん寄っていきます。
英語の歌詞では「The snow glows white on the mountain tonight Not a footprint to be seen.(今夜の山は雪が白く輝いて、足跡は全く見えない)」と歌っているのに対して、松たか子の吹替版では「降り始めた雪は 足跡消して」となっている。
意味としては、ほぼ同じです。
「一生懸命、良い女王になろうとしていたんだけど、もうそれはやめて山の中に入って行く時に、自分の足跡が雪に消えて行く」というのは、「彼女の人間社会の中で持っていた立場とか責任とかが、どんどんなくなって行く」という暗示なんです。
エルサはそんなマントを引っ張って歩いている。
月の影が後ろに伸びているから、このマントが更に巨大に見える。
自分自身の責任感、重圧に打ちひしがれて、寒さから守ってくれるはずのマントが、後ろに引っ張っている邪魔者になっている。
もう、このワンカットだけで名作決定なんですよ。
これは「エルサの内面が、この時、どんな思いになっているのか?」というのを、絵だけで表現しているんですね。
ピンと来ない。
「これは演技だ」とわからないんですよ。
これが、実写との差。実写において背景というのはあくまで表現の1つであって、演技というのは役者さんの表情とか動き、動作、所作を指すんですけど、アニメーションというのは全てがこれ演技なんですね。
それがわからないと「平凡な絵だな」って見えちゃうんですね。
アニメをナメてはいけません。
地形や気象、空気、風まで全て思い通りに表現できるからこそ、その全てを演技だと理解していないと、読み違えちゃう。
普通の人は役者の顔だけ見ちゃうんですけど、アニメはそういう視点で見てはいけないんですね。
英語版では「A kingdom of isolation, and it looks like I’m the Queen」、日本語版では「真っ白な世界に一人の私」と松たか子が歌うシーンなんですけども。
この後、エルサはマントを脱ぎ捨てて、どんどん寒さを感じなくなって行くんですね。
つまり、モンスターになっていく過程というのを描いてるんですよ。
でも、普通、人間がモンスターに変わっていく時というのは、黒くするものじゃないですか。
ダース・ベイダーみたいに。
ところが、『アナ雪』っていうのは逆なんですよね。
エルサというのを、より美しく、より白い方向へ持って行くから、「モンスターになっている」というのが、みんなには分からないんです。
ここも新しいところだと思います。
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