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今回は、ニコ生ゼミ1月20日分(#265)から、ハイライトをお届けいたします。
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「【 漫画版『攻殻機動隊』を掴むための3つのキーワード 3 】ニューロチップ」
このパネルは、たぶん、実際の原稿とほぼ同じサイズなので、これが5万分の1だとすると、だいたい1辺が0.006ミリ。1ミリの1000分の6のサイズのチップということになります。
つまり「生体部品などを使ったコンピューター技術というのがこの頃発達してきた」ということですね。
「30年前の時点でここまで進歩していた」と言ってるんですね。
中国から来る、まあまあ身体に悪い微粒子みたいなものですね。
フィルターを通ってしまうので、マスクとかをしても無駄だと言われている有害物質です。
あのPM2.5というのが「1000分の2.5ミリ」なんですね。
だから、あれよりもちょっと大きいくらいだと思ってください。
髪の毛が、だいたいPM30くらいだというので、これの6倍くらいの太さが髪の毛だと考えて頂ければいいと思います。
これが30年前の技術ですから、この『攻殻機動隊』の中では、おそらくもっと小さくなってくるだろうと思われます。
おそらく、こういう白くなっている部分がありますよね。
ここらへんが神経細胞が壊死している部分なんですね。
では、これがなぜ死んでいるのか?
普通の人は「神経細胞の断裂が見られる」とだけ言われても、このページの読み方がわからないんですね。
そもそも、これが成功しているのか失敗しているのかも分からないんですよ。
だって「神経細胞の断裂が見られる」とか、「成長過剰で死にかけてる」としか書いてないんですから。
人間の生体部品みたいなもの、脳を構成している神経線維、ニューロンみたいなものを、コンピューターのチップの上で培養することに成功して、それが過剰に成功して、もうコントロールが効かなくなっている。
だから「過剰成長している」んですね。
そのおかげで、一部、死んじゃってる部分もあるんですけど、それ以外は過剰成長しているから、制御できないくらいの思わぬ成長を見せて、もう作った人間ですら何をやっているのかわからなくなっている。
それが、『攻殻機動隊』の物語の、30年前の姿なんですね。
1つ目が「終末戦争とサイバーパンク」、2つ目が「バブル経済」、3つ目が「ニューロチップ」です。
これがそのニューロチップなんですね。
つまり、これが『攻殻機動隊』という作品の中の最後のキーワードとなっている概念なんですけど。
こういったものが、作った人間ですらもうわからないくらいの発展を遂げている世界。
それは僕らが今知っているような、スマホなんかの、2017年現在使っているコンピューターよりも遥かに進んだものが、この中には描かれているということですね。
首都東京が第3次世界大戦の核戦争で消えてしまった日本で、新しい首都として暫定的に作ったのが兵庫県の沖にある海上都市なんです。
そこに “新居浜県” という県名がついているんです。
そのニューポートシティという場所で話し合いが持たれています。
最初のセリフです。
さっきも言ったように、わずか8階建ての建物の中で「なぜ、いまさらシリコンの鉱床など」という会話から始まります。
このセリフが、すごくわかりにくいです。
「政府が『貴国の分離独立を認めない方針』に関与しないと保障できるほど重要な理由です」
――――――
「第三国を経由します」
「結構」
――――――
その後には、こういう会話が続きます。
言ってしまえば、石油とか原子力とか電気がある時代に、石炭の話をしているみたいなものなんです。
かつては価値のあった資源で、19世紀には「それを持っているか否かが国力を決める」とさえ言われた石炭は、20世紀になってからは、ほとんど意味をなくしている。
それと同様に、この21世紀の『攻殻機動隊』の世界では、シリコンなんていう20世紀のコンピューター技術というのは、全く意味を持たないんですね。
「そんなものに、なんで “今さら” こだわるんですか?と」いう質問から始まっています。
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「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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