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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「【Googleへの就職 1 】 映画『インターンシップ』からわかるGoogleの入社事情」

2018/10/24 06:00 投稿

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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/10/24
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今回は、ニコ生ゼミ10月14日(#252)から、ハイライトをお届けいたします。

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 【Googleへの就職  1 】 映画『インターンシップ』からわかるGoogleの入社事情


 今日のテーマは「Googleへの就職」というものなんですけど。

 今、Amazonプライムで、199円でレンタルできる『インターンシップ』という映画を、みんな見たことあるかな?

 2013年のハリウッド映画です。

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 この『インターンシップ』というのは、何がすごいかというと、Google本社でロケをしているんですね。

 ラストシーンには、本物のGoogleの社長まで出てきて出演者と絡むという演出まであります(笑)。


 これ、どういうことかというと、映画用にある程度はデフォルメしてはいるものの、かなり事実に忠実にGoogleに入社する時に出される問題や、どんな事が行われるかを再現しているんですよ。

 まあ、お話自体は甘々の “サマーキャンプ・ムービー” なんですけど。


 言っちゃえば『グーニーズ』とかと同じなんですよ。

 「中学生とか高校生が、ひと夏のキャンプに行ったら、なんか成長して帰ってきちゃったよ。人生も恋も学校も全部ハッピーだ!」というような。

 見たところで、何も落ち込むことのない映画です。

 なので、みなさんも、僕の放送を見終わった後で、まだ気持ちがスッキリしなかったら、Amazonで200円くらいで見れる『インターンシップ』という映画を見てください。

 そんな、今晩、適当に笑って寝れるくらいの、なんでもない映画です。

 ただし、Googleに入社することに関する基礎知識だけは山のように付くんですけどね(笑)。

・・・

(中略)

 さて、主人公のビリーとニックはGoogleの入社試験を受けることになるんですけども、そこで “パソコン面接” というのを受けることになります。

 そして、そのパソコン面接で、2人は変な質問を受けるんですね。

 それが、Googleの有名な “ミキサー問題” です。

 「あなたの体が5セント玉くらいの大きさに縮んで、ミキサーの中に放り込まれました。 体は縮みましたが、密度は変わりません。 60秒後にミキサーの刃が動き始めます。 どうしますか?」というやつですね。


 ここで行われたパソコン面接というのは、ビリーもニックも経験したことがなかった面接形式ですね。

 これは2013年に公開された映画だから、スマホも普及してるんですけども。

 
 パソコンのカメラがありますよね。

 あれで、お互いの顔が見えるように、いわゆるskypeの映像通話みたいな形で面接をするんです。

 で、「5セント玉くらいの大きさに縮んで、ミキサーの中に放り込まれた。どうする?」ということを聞かれるわけなんです。


 これ、何のためにやるのかというと、こういった質問に対して喋りっぱなしで答えなければいけないんですよね。

 「じっくり考えた上で、1つの答えを出す」という回答ではなく、思考プロセスそのものを全て計られるんです。


 たとえば、こういう問題を出された時に、やっぱり「5セント玉くらいのサイズということは、厚みもそれくらいだろうし、ミキサーの刃はちょっと浮いたところにあるはずだから、ミキサーの底で伏せていれば、刃がぐるぐる周っても平気だろう」みたいに考えちゃうんですけど。

 そう答えると「でも、それだったら君の体は段々、刃の方に引き寄せられるよ?」とか、「底に近い部分でミキサーの刃が周ってたらどうするの?」みたいなことを言われて、安直なとんち的な回答が出来ないように追い込まれていくんですね。

・・・

 では、ビリーとニックは、これに対してどう答えたのか?

 2人がミキサー問題に対して出した回答は、この「そのまま寝てればいい」だったんですね。


 もちろん、ビリーが「そのまま寝てればいいよ」と言うと、Googleの面接官は「それじゃあダメだ。 ミキサーは永遠に止まらないよ。 どうするの?」と聞いてくるんです。

 すると、ビリーはカッとなって「おいおい。それはないよ。 俺達はセールスマンだぜ? ミキサーだって売ったことがある」と怒り出すんです。

 ニックもフォローするように「現在、売られている中で世界一のミキサーはドイツのブラウン社製のものですが、そのミキサーでも11時間も連続で回せば、絶対にモーターが焼けて止まります」と言うんですよね。

 で、ビリーは「そんなことも知らないのか!?」と、画面に向かって怒り出すんですよ(笑)。


 Googleの面接官はびっくりしてしまいます。

 だって、そういう現実的な反論をされたのは初めてだったからなんです。

 そんな仮想問題に慣れ切っていた面接官に対して「世界中に今あるどんなミキサーも、11時間ぶん回したら壊れるよ! 俺達、それを売ってたことがあるけど、お前らは売ったことがあるのか?」と、ビリーは問いかけてしまったんです。

 なので、Googleの面接官はビックリしちゃって、面接はそこまでになったんですけど。

・・・

 もちろん、これはGoogleが望む答えではないんです。

 これは “論理的な思考力” を試す問題なんですね。


 試験を受ける人間が、ずっと喋らなければいけない理由というのは「どういう経路で考えているのかを明らかにするため」なんですね。

 黙って考えて答えるだけというのはダメなんですよ。


 この場合のポイントは「体は縮みましたが、密度は変わりません」という部分なんです。

 わざわざ、これを言っているというところが重要なんですね。


 では、密度が変わらない場合どうなるかというと。

 まあ、5セントコインと言われても、僕らは日本人だからよくわからないんですけど、とりあえず、直径が2センチ弱くらいのコインです。

 つまり、大雑把にいえば体が100分の1のサイズに縮むわけですね。


 100分の1に縮むということは “長さ” が「100分の1」になるということです。

 それに対して “重さ” は縦・横・高さのある3次元であり、その全てが100分の1になるわけですから、100の3乗で「100万分の1」になります。


 では、100万分の1の体重になるのに対して、筋肉の力はどれくらいになるのか?
 
 筋力というのは、たとえば腕の筋肉の断面とか、足の筋肉の断面積に比例するんですよね。

 ということは面積ですから100の2乗分の1、つまり「1万分の1」にしかならない。

 なので、人間が密度はそのままに100分の1の大きさになった時には、体重は100万分の1になるんですけど、筋肉の力は1万分の1にしかならない。

 イコール「今のジャンプ力の100倍のジャンプ力を持っている状態である」と考えられるわけです。

 なので、ただ単に「ミキサーの上に飛び出せばいい」というのがGoogle的な正解なんです。


 論理力で考えていくと、「もし、本当に体の密度が変わらないのであれば、筋力が100倍になっちゃうということで、50センチくらい簡単に飛べるようになるんだから、ミキサーの上にポンと飛び出せばいいよ」となるわけです。

 ちなみに、面接官側には、この答えを確認するための「そのミキサーには蓋がしてありますか?」という質問に対して、「蓋はしていません」という答えが用意してあるそうです。

 これが “第1の答え” なんですけど。


 第2の答えとしては「そのまま登る」というのもあるそうです。

 手の平の “摩擦力” というのがありますよね。

 実はミキサーの内部はガラスに覆われていてツルツルに見えるけど、無数に突起があるんです。

 そして、手の平の摩擦力というのも面積に関係しているものだから、体重が100万分の1になるのに対して、摩擦力は1万分の1にしかならない。

 つまり、通常の100倍の摩擦力を発揮できるということなので、そのままガラスの表面を上に登って行けばいいんですよ。


 虫というのは、別に手足の先が鈎状になっていなくても、壁や天井に貼り付けるんですよ。

 なぜ、体重が軽い動物が、天井に掴まれたり、壁を登れるのかというと、別に足に秘密があるわけではないんです。

 ただ単に、重さと面積の問題なんですね。

 こういった答えが、この場合の本来想定されていた回答らしいです。

・・・

 さて、この映画の中では、主人公のビリーとニックの面接は散々だったんですけども、実は、合格か否かを決めるのは、面接官ではないんですよね。

 面接官は、ひたすら質問をして、それに対する答えを貰って、その質問と答えをひたすらメモするだけなんですよ。

 面接官というのは採用に関する決定権を何1つ持っていないんです。


 おまけに、こういった面接を、面接官を変えて2回も3回もやるんです。

 「最低でも4回、最大では7回くらいやる」と言われています。


 なぜ、面接官の仕事が具体的な質問と返答を書いたレポートを書くだけなのかというと、「面接官による偏見や先入観を排除するため」と言われています。

 面接官とはいえ、人間だから、偏見とか先入観を捨てるのは不可能なんですよね。


 なので、実際に会った人から感想を聞くのではなく、全てレポートの形で提出させるんです。

 こういったレポートと、映像データ、後は、その他の履歴書的なものを全て書いた、メチャクチャ分厚いファイルを山のように用意して。

 次は採用だけを担当する人間が集まって、面接などは一切せずに、ファイルを見ながら「こいつはどうだろうか?」と話し合い、次の段階である「Google本社に呼ぶかどうか」を決めるんですね。


 Google本社はサンフランシスコのマウンテンビューという、山の上のメチャクチャいい所にあるんですよ。

 そこまで、全世界から飛行機代も宿泊費も全部出して、Googleが呼ぶわけなんですね。

 だから、1人呼ぶだけでもメチャクチャ金が掛かるので、まずはこのビデオ面接の段階で、ザーッと落として行くわけです。


 ビリーとニックは、面接でのこの面白い回答によって「Googleが求める “ダイバーシティ”(多様性)がある」ということで、飛行機代から滞在費まで全部Google持ちで、サンフランシスコに呼んで貰いました。

 まあ、これは映画ですからね。

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