10月14日のニコ生ゼミは “Googleに就職するには?” という事で、Googleに就職する問題というのを考えようと思ってやっていきました。
ここに置いてある書籍は『ソクラテスの人事』っていうNHKの番組を書籍化したものなんですけども。
2009年あたりにオンエアされていた番組です。
僕はこれに出演依頼を受けて出演してたんですけども。
企画書に書いてあった問題が、ちょっと面白いので紹介しようと思います。
・・・
Googleの就職試験が話題になったおかげで、一時、日本国中のチャラい企業が、やたらと面倒くさい、難しい問題を出し始めたんですよ。
それで、これは『ソクラテスの人事』の企画書に書いてあった問題なんですけども、これをどう思いますか?
「サザエさん一家に高級オープンカーを買わせるには、どう営業する?」とかですね。
あと「ジャンボジェットとかジェット機の重さを、秤を使わずにどう量るか?」。
「富士山を動かすには、どうしますか?」というですね、こういう質問が出てきたんですけどもですね。
本当にマジな話、2009年~2010年あたりの就職市場は、本当に入社試験にこういう問題が続出したんですよね。
それで、この問題は企画書に書いてあってですね。
僕も、そのNHKの番組に出るにあたって「岡田さん、ちょっと解答を書いてみてください」と言われてたんです。
ま、番組アンケートみたいなもんですね。
で、番組アンケートみたいなものを書かされたんですけども、せっかくだから皆さんにも考えていただこうと思いまして、めくりフリップを作ってみました(笑)。
正攻法・力業・裏技ってふうに分けています。
まぁ、一つだけを考えると発想が固まっちゃうんでですね。
「サザエさん一家に高級オープンカーを買わせるには、どう営業するのか?」
ちょっと みなさんも考えてみてください。
正攻法でも、裏技でも、力業でも、なんでも結構なんですけどね。
「一流企業にそんな人材は、いらないだろう」とか、いろんな意見があるんですけども。
もうこれは本当に、流行と言えば流行なんですね。
コメント「タラちゃんを誘拐する」
コメント「8人乗りを買う」
コメント「番組スポンサーになる」
あぁ、番組スポンサーになるっていうのは大きいですね。
「タラちゃんを誘拐する」が、やたらと多いな(笑)。
みなさんは裏技とか邪道ばかりを考えてますけども、だいたい分かります。
で、まぁ、僕が考えた正攻法は、みなさんが考えているのと同じようなものですね。
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・正攻法
波平は、頑固一徹に見えてあんがい世間の流行に弱い。
ナカジマ家やイササカ家や周囲の家に営業をかけて、「最近はみんなオープンカー」と思わせれば、カツオ→サザエ→波平の順に陥落する。
ただ、これはコストも手間もかかるっていうのが欠点なんですけどもですね。
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まぁ、こんな感じですね。
これは正攻法です。
一番 面白くない答です。
じゃあ力業ですね。
「何が何でも」っていう案ですね。
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・力業
波平いきつけの居酒屋で「1万人目のお客様ありがとうキャンペーン」として、車体のみを無料でプレゼント。
それで付帯条件として割高の車両保険に契約させ、6~8年がかりで差額分を支払ってもらう。
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つまり「携帯料金はゼロ円ですよ」というのと同じですね。
あの当時は「パソコン代500円」とか、そういうのが流行ったんですけどね。
そういうやり方でやるという、力業。
で、裏技は、これも同じ。
金額はゼロ円なんですけどね。
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・裏技
売値をゼロ円またはマイナス(キャッシュバック)にして、あげてしまう。
もちろん儲からないんですけども。
「日曜のゴールデンタイムに毎週30分、サザエさん一家前に停まっている車を見せるだけで、広告効果を換算したら充分以上に利益が出ますよ」と、自分の上司を説得する。
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つまり、サザエさん一家を説得するのではなくて、裏技として自分の上司を説得すると。
こういう考え方もあるなと。
で、これが番組の企画書の問題で出てきて、NHKの人と吉祥寺の喫茶ルノアールで相談したときに「岡田さん! まさにこれです!」と。
「こういう番組なんですよ!」と。
それで、「残念ながら三つも答えてもらうわけにはいきませんが、こういうのが欲しいんです!」と(笑)。
で、「こういう振り分けを考えてくれれば」っていう。
まぁまぁ、向こうの人は別に言いませんけども、いわゆる他にゲストの方が5人も6人もいらっしゃるわけですね。
だから、その人らが考えないような答を僕に振っていて、「あ、これかな?」っていうふうに出せばいいなと思ってたんですけども。
(中略)
では「富士山を動かすには、どうしますか?」ですね。
これも大雑把な言い方ですね。
“動かす” っていうね。
コメント「遠景を写真にとって動かす」
コメント「富士山を止めて、地球を動かす」
コメント「自分が動く」
みんな、本当に “とんち問題” に流れがちですね(笑)。
はい、正攻法・力業・裏技なんですけども。
正攻法で僕が考えたのは…
…これは正攻法って言えるのかなぁと思いますけどね(笑)。
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・正攻法
富士山のテッペンに1メートル程度の盛り土をすればよい。
富士山は「タテ方向に1メートル移動した」ことになる。
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まぁ、これは正攻法とは呼べないんですけども、こういうのを書いたんですね。
力業は、これの応用なんですけどね。
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・力業
東側の山腹から厚み1メートル分の土砂をすくい取って西側に移動させる。
そうすると富士山は横方向に移動した事になる。
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そんなふうに書いています。
「まぁ、10キロ移動させたい場合は、100万人が10年ぐらいかければいいんじゃないの?」っていう、投げ捨てたような答です。
それで裏技が、これも、もう “とんち” ですよ(笑)。
富士山を動かすって、“とんち” になりがちなんですけども。
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・裏技
日本列島は中国大陸からのマントル流と、太平洋側からのマントル流の双方に押されて現在の位置にとどまっている。
なので、日本海溝の底で、ある程度の規模の核爆発を起こせば、流れ込んだ海水によって太平洋側のマントルの温度が下降。
マントル圧力の低下となって、日本列島 全体が東南方向へ押し出される。
自動的に富士山も東南の方向に移動する。
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で、何でこの問題を言ったのかというと、実はこれは実際にマイクロソフトの、つまりビル・ゲイツの問題として有名なやつなんですね。
マイクロソフトの入社試験で「君は日本人だろう? じゃあ富士山を動かしてくれよ」って出されたとして、たいへん有名な問題なんですよ。
それで実は僕の解答は、そのビル・ゲイツの質問としてはゼロ点なんですね。
まぁ、取れて5点ぐらいなんですけども。
この解答で、何でゼロ点なのか?
まぁ、この他にも色々と解答はありえますよね。
さっき話していた「自分が動けばいい」とか、そんな “とんち” みたいな解答もあるんですけども、それらもすべて “ダメ” なんですね。
ビル・ゲイツ、マイクロソフトが狙っているのは、たった一種類の答だったという事です。
そういうわけで、10月14日のニコ生ゼミのテーマは“Googleに就職するには?”という事です。
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