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「【子供には教えてはいけないトトロの正体・1 】 トトロの本当の年齢は?」
これは、バス停の前でサツキがトトロと初めて出会うシーンなんですけど。
人と自然との戦いの末に、原始の森が枯れ果て、死に絶えてしまう。
だけど、そんな中、若木が芽生え復活していく森が、最後の最後に画面に映されます。
この若木の中に、“コダマ” という小さな精霊が1匹だけ生きていて、首を揺らしているという描写があるんですよね。
「このコダマがトトロだ」というふうに、後に宮崎駿は言っています。
これが真実ならば、『もののけ姫』の時代というのは、「鉄砲伝来の100年くらい前」というふうに言われているので、室町時代末期の1400年代の半ば。
つまり、トトロの年齢は5~600歳ということになります。
すごく優秀なアニメーターで、もう亡くなってしまった方なんですけど。
彼女が「このコダマが後のトトロになったということにしてくれませんか?」と、宮崎駿に言ったんですね。
その後、「このコダマが後にトトロになったということにしませんか? でないと、アニメーターとして参加してて、この『もののけ姫』という物語はあまりにもやりきれないです。なんで人間というのはこんな事をしてしまうんだって。最後には希望が欲しいし、これがトトロということにしませんか?」と言ったら、宮崎駿は「ああ、いいね! その設定、採用!」と。
これは、公式設定での1302歳とか、『もののけ姫』のラストシーンで生まれたという話とは、明らかに桁が違う年齢です。
……この辺が「子供が聞いてもしょうがないトトロ」なんですよ。
「おじさんが『となりのトトロ』の話をするよー!」と言って、こんな話を始めたら、子供は途中でグーグー寝てしまうと思うんですけど。
「大人向けなら、こういう話もできるよな」と思いながら喋ってます(笑)。
その『風立ちぬ』の号の中で、鈴木敏夫さんはこんなふうに言っているんですよ。
かつてこの世には、たくさんのトトロ族がいた。彼らは人類と戦って滅ぼされたが、その生き残りがいろんな時代に登場する。
中世なら「もののけ」、江戸時代には幽霊、そして、今は『となりのトトロ』……。
トトロはそういう歴史を背負っている存在なんです。
ただかわいいだけの生き物じゃない。
恐ろしさも含んでる。
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「トトロたちはかつて、人間と戦って滅ぼされた」というのが、宮崎駿がもともと思っていた『となりのトトロ』のプロットなんですよ。
その奥には大きいトトロが眠っているんですけども。
この中に不思議なものが映っています。
トトロの住処には、ほとんど自然なものしかないんですけど、そんな中、唯一 “人工物” っぽいものがあるんです。
これについて、詳しくは、もう少し後で話しますね。
どちらかというと退屈そうな顔をしています。
だから、トトロは退屈そうなんですよ。
なぜ、宮崎さんが、ここでのトトロに対して、退屈そうに立っている演技をさせているのかというと「バス停で毎日同じ時間のバスを待っている “オジサン感” を出したかったから」なんだそうです。
だから、このシーンの絵コンテにも、わざわざ「オジサン」と書いています。
それくらい、トトロはこのバスに毎日 乗っているんです。
ただ、サツキには、それまでトトロが全然見えてないし、トトロにもサツキが見えてない。
お互いに見えない存在だったんです。
さらには、「何も考えていない目にしてください。人間から何か考えていることを読まれるようでは困ります」とまで。
面白いことに、トトロって、サツキに興味がないんですよね。
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