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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/08/10
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今回は、ニコ生ゼミ7月29日(#241)から、ハイライトをお届けいたします。

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 2年後の『シン・エヴァンゲリオン』は『火の鳥』になるんじゃないかな?


  『シン・エヴァンゲリオン』の話をします。

 シン・エヴァンゲリオンの、今と、6年前の予告編の両方を見てみたんですけどもですね。


 シン・エヴァンゲリオンのQを久しぶりに見たらですね、ラストに予告編が付いてるんですね。

 軽快な戦闘シーンなんですよ。


 チャーチャチャーチャチャッチャー♪っていつもの音楽で、軽快な戦闘シーンをして、「サービス サービス!」って言ってるんですよ。

 で、「あぁ、これがもう6年前かぁ」と。


 で、『未来のミライ』を見たら、シン・エヴァンゲリオンの予告編の最新版が付いてるじゃないですか。

 それで6年ぶりの予告編は何かと思ったら、やっぱり新しい新型のエヴァンゲリオンが軽快に銃を撃っていてですね。

 7月22日のニコ生ゼミで僕は「しょうもない」って言ったんですけども、まぁ、今でもそう思います(笑)。


 わりと、何かそんなに凄いわけでも無いんですけど、とりあえず軽快。

 で、「そんな軽快なアニメが次に出来るのか?」っていうのが僕は疑問なんですけども。


 6年前のアニメ、エヴァのQの終わり方っていうのが、みんなも覚えていると思うんですけども、3バカトリオがいますよね。

 シンジ、アスカ、レイの3バカトリオです(笑)。

 この3バカトリオが、「これから どうしたらいいんだろう?」という事で、ヒッチハイクみたいな感じでタラタラと歩き出すっていう事なんですけども。


 それで人類は滅びちゃって、ネルフと、反ネルフ組織のヴィレっていうのがいるんですけども、もうそれしか地球上にいないんですよ。

 人類は滅びて誰もいなくてですね、そこにネルフと反ネルフ組織しかいないっていう虚しい所。

 そこで、「これから3人で誰もいない砂漠みたいな所で、ヒッチハイクするようなアニメをつくってどうするんだろう?」って思ったんですけども。


 ま、これの目的が「ファイナルインパクトを防ぐ」って事なんですよ。

 ファーストインパクトから始まって、セカンドインパクトをどうするだの、サードインパクトを防ぐだの、フォースインパクトだのと言っていて。

 「インパクト、いくつあるんだ!?」と思っていたら、ファイナルインパクトって(笑)。


 もう、いくつインパクトがあるのか分からなくて、「今度は、どうなるんだろうな?」と思ってたんですけども。

 「どうなるんだろうな?」というので、僕は何となく「こうなんじゃないかな?」というのを持ってきました。

・・・

 手塚治虫の『火の鳥』って漫画があります。

 『COM』(コム)という雑誌で1967年に連載された漫画です。

 『2001年宇宙の旅』よりさらに昔ですね。

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 これは『火の鳥』の『未来編』です。

 主人公のマコトは、世界が滅びる核戦争の後、火の鳥の呪いを受けて死ねない体になってしまった。

 それで死ねないまま、ずーっと永遠に生きていなければいけなくなったんですよね。


 それで、ずーっと生きていかなくてはならなくなった後で、彼はもう一人だけ生きてる人間を見つけるんですよ。


 すみません。

 これは見開きでコマが細かいんですけども、このシーンを描く時だけ手塚治虫は、こういうコマ進行をしてるんです。

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 一人だけ冷凍睡眠をしている人を見つけたと。

 それでこの人は五千年後に目覚めると。


 それで「アナタはどんな人なんだろう?」とか「本当に生きててくれるんだろうか?」とか思いながら、彼は五千年待つんですね。

 それで五千年の間にいろいろな事があって、死ねないんだけども肉体だけは段々と老化していってですね。

 それでも死ねなくて五千年経った。


 「五千年経ったけど、あなたは起きてくれない」と。

 それで「レーザードリルを持ってきたから、これで開けるよ」といってガコンと開けたら「しまった」「こなごなに くだけている」っていうですね。

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 何か開け方が悪かったのか、もう中で死んでいたのか分からないんだけども。

 何かこの辺の感じっていうか、流れっていうのが、実はすごくエヴァの臭いがするんですよね。


 この『火の鳥』は1967年に描かれたんですけども。

 実は、僕にしても庵野監督にしても、青春時代に『マンガ少年』というのが朝日ソノラマで創刊されて、そこで『火の鳥』っていうのが凄く出たんです。

 それで、だいたい高校生から大学ぐらいのときに『火の鳥』の単行本が、「もう10年以上前に、こんな凄い漫画があったんだ」という事で次々に刊行されて、ものすごい影響を受けたんですよ。


 だから、「この辺りからかな?」って思うんですけども。


 この後ですね、彼はもう数万年間も一人ぼっちで、寂しくて寂しくてロボットを作ります。
 
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 それで女の子のロボットを作るんですけども、言ったとおりに動いてくれない。

 それで自分の事を「シワシワの爺さんで、変だ変だ!」って言うので、怒ってついに殺してしまうんですね。


 それで殺したら、「どうしてワシは、ちゃんとロボットを作れないんだろう」と言って、その女の子のロボットの死体が山のようにドーッとあるシーンがあるんですけども。

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 もうこの辺が “綾波レイ” の元ネタの一つだと思っていますけども。


 それで、「これをやろうというのが、シン・エヴァンゲリオンの落とし方なんじゃないかな?」というふうに思います。


 それで この後 どうなるのかっていうと、結局このマコトっていうのは神様になったんですけども、自分で新しい生命を作ろうとしてもダメだった。

 ロボットを作ろうとしてもダメだった。


 それで「こうなったら」という事で、地球の力に任せようという事で、海の中でコロイドなどの化学物質を入れて、数億年 待つんですね。 
 
 それで 数億年 待っていたら、ナメクジから進化した生物たちが、段々と進化を始めて、ついに科学文明を持つに至ったと。

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 で、科学文明を持つに至ったんだけども、ある種族が地下のマグマを地面に引き寄せる方法を使って、二つのナメクジ勢力が戦争を始めて。

 結局、このナメクジ生物たちも数億年も成長を待ったんですけど、ついに滅びてしまうと。


 その後、また気が遠くなるぐらいの時代を経て、ついに爬虫類が生まれて、人類が生まれて。

 地球の歴史を数百億年ぐらい待って、もう一回繰り返して人類が生まれる。


 それで人類が生まれて、永遠の生命を持ってる火の鳥を追いかけだして。

 おそらく、また人類は、この愚かな戦争をやるだろうと。

 だから、多分また同じ事の繰り返し。


 『火の鳥』って第一話がヤマタイ国だったんですけども。

 またヤマタイ国になって、火の鳥を追い求めて殺そうとするって話に繋がってきて、人類はまた同じような過ちをする。

 それでも火の鳥は諦めずに、何度も何度も同じ過ちを繰り返すのを見ているっていう話で、未来編は終わるんですね。

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 『火の鳥』って漫画は、もう本当に50代ぐらいの人は みんな知ってるんですけども、第一話が超大昔なんですよ。

 第二話が超未来なんですよ。


 だから、お話の一番最初と最終回を第一話、第二話でやって。

 段々と第三話、第四話、第五話、第六話、第七話、第八話ってふうに徐々に現代に近づいてくるっていう、とんでもない作品だったんですよね(笑)。


 手塚治虫のライフワークだったんですけども。


 で、これをやろうとしてるんじゃないかなと。

 さっきの「綾波 そっくりだな」っていうのもあるんですけども。


 ここまで人類が滅びてしまったら、もう一回、人類なり何なりを作る話にするしか選択肢が残ってないから、そっちの方に行くんじゃないかな?


 ウルトラマンから何から、庵野監督の元ネタに遡っていく形になって行くんで。

 遡って行ったら、「今度は、この『火の鳥』ぐらいじゃないかなぁ?」っていうのが、僕の予想なんですけども。


 まぁ、予告どおりの爽快なロボットアクションが二年後に出来るのかどうかって話は、限定版の放送で行っています。

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