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「【トランスフォーマーに至るオモチャの歴史 1 】 コールガールの人形から生まれた “バービー” がアメリカの玩具を変えた!」
戦争にボロ負けした日本に進駐軍としてやってきたGHQは、今後、日本という国を二度と戦争を起こさないような国に改造しようとしました。
ところが、日本にGHQが進駐してきた直後くらいから、朝鮮半島の情勢が怪しくなってきたんです。
次に、同じ連合国側だったソ連や中国との関係が、ちょっと微妙になってきてしまった。
なので日本にも、朝鮮とかソ連に対する基地の役割というのを持たせて、“アジア防衛” というのを考えなきゃいけなくなったんです。
しかし、だからといって、軍事化はあまりさせたくない。
こういうのが、当時のアメリカの考えだったわけですね。
おまけに財閥も解体しちゃった。
なので、「どうやって日本を経済発展させようか?」となっていたわけですね。
その結果、「とりあえず、小さいところから始めよう」ということで、アメリカが積極的に援助したのが “繊維産業” と “玩具” だったんです。
もう1つが玩具だったんですね。
日本では、西洋風の料理がそんなに手に入らなかったから。
この缶詰の空き缶は、ブリキで出来ていたんです。
鉄の上から錫のメッキを施された物をブリキというんですけども、このブリキというのは、オモチャを作るのにちょうどいい材料だったんです。
まず、カッターみたいな機械で、ブリキの空き缶を回転させて上の縁を切り取る。
次に、手押し式の押し切り機で、ブリキのお腹をガシャッと割く。
最後に、ぐるぐる回るローラーで、ブリキの空き缶をペシャンコにして平たく伸ばす。
これらは全て手作業なんです。
でも、爆撃されたせいで工場とかが動かなくなっていた当時の日本では、これくらいのレベルで良かったんですね。
これが第2次大戦後の1945年から、だいたい51年くらいまでの日本の姿でした。
ということで、今度はアメリカに話が行きます。
だって、これ、服も布で出来ているんですよ。
その結果、「どこかの国で作った方が安いんだけど、こういう人形を精密に作れて、おまけに服とかもちゃんと縫って作れる国はどこかないか?」ということになり、当時「オモチャとアパレル製品なら、なんでも安く作りまっせ!」と言っていた日本がバッチリだということで、マテル社は日本に、この人形を大量に発注することになりました。
日本の玩具問屋の “国際貿易” というところに話を持ちかけて、開発から生産から全部 依頼するんですね。
この辺が、なかなか金持ちですよね、マテル社(笑)。
ただ、「1年間、帝国ホテルの部屋を借りた」とだけ聞くと、「おお。バブルでいいじゃん」と思うんですけども。
そこで何をしていたかと言うと、自宅からミシンを持って行って、1年間ずーっと試作品を作り続けながら、国際貿易の人が持ってきたものに対して、「いや、これは違う。こうだ」と指導するだけだったそうです。
シャーロットさんは、ほとんど日本観光もせず、帝国ホテルで1年間、延々とミシンを踏んでただけなんですって。
そうやって作られた人形がバービーなんです。
赤ちゃん人形しかなかったところに、大人っぽいファッションドール、それも着替えの服のバリエーションもいっぱいあるものを持ってきたんだから、アメリカの女の子は喜んでバンバン買うわけですね。
みんな「フィギュアというのは、30cmのものなんだ」と思ってこれに合わせて作っちゃっただけなんですよ。
さて、スタン・ウェストンという人がいます。
この人は『0011ナポレオン・ソロ』というTVドラマのシリーズとかの販売をやっていた版権プロデューサーです。
しかし、このウェストンは、同時に発明家でもあったので、「こんなTVドラマの権利を売っているよりは、メーカーになった方が儲かる」ということで、バービーの逆張りとして、全身21箇所が可動する身長30cmの男の子向けフィギュアというのを考えました。
その結果、誕生したのが、ハズブロの代表商品となる “G.I.ジョー” です。
まず全身21箇所を動かさなきゃいけないし、服も着せなきゃいけないから。
なので、製造費が掛かり過ぎるということで、「0.5%しか出せない」と言われたんです。
スタン・ウェストンとハズブロはそこで押し問答になって、最終的に1%で決着するのかと思われていたんですけども、もう嫌だということで、最終的に、全権利を10万ドル、当時の貨幣価値で3千万円くらいで売り払ってしまいました。
なので「せめて、定価の1%という条件で契約していたら、スタン・ウェストンのところには、違う150万ドル以上かな、入ったと言われています。
そして、拗ねた結果、2年後の1966年、ハズブロのライバル企業だった、さっき見せたロボットを作ったアイデアルトイズに、“キャプテンアクション” という企画を持ち込みました。
……すみません。
このあと、ちゃんとトランスフォーマーの話になりますから、もう少しお待ちください。
いや、無料放送では、トランスフォーマーの話まで届かないかもしれないけど(笑)。
“バットマン”、“スーパーマン”、あとは “キャプテン・アメリカ” というキャラクターが描いてありますよね?
これについては、僕はある種の発明だと思います。
このパッケージに描かれているのは、主にスーパーマンなどのDCコミックのキャラクターなんですけど。
基本的には、マーベルと大きく契約していたんですね。
というのも、スタン・ウェストン自身が、TVドラマの仕事をしていた時に、マーベル原作のドラマを動かしていたり、もしくは自分が企画したTVドラマをマーベルに売り込んだりしてたので、以前から深い関わり合いがあったからなんです。
ということで、マーベル・コミックスのキャラクターをよく使うようになっていたんですね。
アメリカでは、まずドイツのコールガール人形から女の子向けのバービー人形が生まれて、これがすごく売れたので、他のいろんなメーカーも30cmのフィギュアを作るようになりました。
あとは、アイデアルトイズのキャプテンアクションというのがあったということだけ、軽く覚えておいてください。
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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