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「【『ジュラシック・パーク』と恐竜 1 】 あらゆる恐竜描写を変えてしまった映画」
さっきみんなが答えた「ティラノサウルスには毛が生えていたのか?」とか、「恐竜は本当に爬虫類かどうか?」というのは、80年代の恐竜学で新しく出てきた学説なんです。
たとえば、ご存知、ブラキオサウルスとかティラノサウルスの、こういうリアルなフィギュアが売られるようになったのって、実は、『ジュラシック・パーク』の影響があるんです。
だいたい水の中にいて、首だけを出していると思われていたんです。
なぜかというと「こんな重い体を陸上で維持できるはずがない」と思われていたからなんですけど。
このティラノサウルスもそうです。
しっぽが真横に向かってピンと生えて、2本足で俊敏に歩く。これも、『ジュラシック・パーク』のおかげでメジャーになりました。
現在では “アパトサウルス” と呼ばれてるんですけども。
なぜかというと、さっきも言ったように「陸上ではこの重い身体が維持できない」と言われてたからなんですけども。
ところが、実際にこんな恐竜が水の中に入ったら、あっという間に溺れちゃうんですよ。
なぜなら、恐竜には “横隔膜” がないからなんです。
実は、横隔膜というのは、哺乳類特有のものなんですよ。
なので、哺乳類というのは水中でも結構、生活できる。
僕らが水に浸かって首だけ外に出しても呼吸できるのはなぜかというと、横隔膜によって強制的に肺を上下させることが出来るからなんですね。
でも、こいつらには横隔膜がないので、水の中に体を漬けると窒息しちゃうんですよ。
これは、同じく1980年に公開された『のび太の恐竜』のワンシーンです。
これが古い恐竜の復元図の特徴なんですけども。
昔は、ティラノサウルスというのは、ゴジラみたいに直立してノッシノッシ歩くと思われていたので、こういうふうに描かれています。
全長は50m近くあったんじゃないかと言われています。
シロナガスクジラが35mだからですね、実はあらゆる地球上の生物の中で最もデカかったとされています。
これについては、後でちゃんと説明しますけど、恐竜が滅びたのは “ジャイアントインパクト” とか “ダイナソアキラー” とか、いろんな名前で呼ばれてる隕石の落下によるものと考えられています。
メキシコのユカタン半島に落ちた、直径10kmの隕石……と言うよりは、ほぼ “小惑星” ですよ。
だって、東京都の山手線圏内と同じサイズなんですから。
そんなものがドカーンと落ちたおかげで、恐竜というのはほぼ絶滅したんです。
この巨大隕石説というのは、だいたいみんな納得してるんですけども。
その隕石落下の70万年後の地層から、こいつの化石が見つかってるんですね。
ということは、こいつはどうやら、隕石の落下を生き残っていたらしいんですよ。
そんな、「いまだに生き残っているんじゃないか?」 というふうに言われている恐竜です。
“恐竜はまだ絶滅してない説” の根拠にもなっているヤツですね。
『ジュラシック・パーク』に出てきたのと同じ、今の恐竜の学説に則った姿になってきて、ちゃんと尻尾が跳ね上がっています。
昔の恐竜の復元図というのは、茶色とか灰色とか、そういう渋い色味で描かれていたんですけど、最近では「捕食獣としての “警戒色” みたいなものがあったんじゃないか?」と言われています。
その人のモデルは、モンタナ州立大学にいる、ジャック・ホーナーというオッサンなんですね。
このモデルとなったジャック・ホーナーは、映画の中のアラン・グラント博士と「 ビールの勧め方までそっくり」 な人物だそうで、本当に、あんな感じのカウボーイハットをかぶっているオッサンなんですよ。
よく頑張って学者になったなと思うんですけども。
このジャック・ホーナーさんが、いろいろアドバイスしたおかげで、『ジュラシック・パーク』 というのは、かなり恐竜に関して正確な映画になりました。
これが『ジュラシック・パークⅡ』になると、もう怪しげになってくるんです。
たとえば 「ティラノサウルスが子供を育児していた」 みたいな、誰も論拠を発見していない説というのも出てきますし。
あとは、ラストでプテラノドンが羽ばたいて着地するんですけども、本当のプテラノドンは、あんなにデカい翼を動かす筋肉をほとんど持っていないので、羽ばたけるはずがないんです。
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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