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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「【ディズニーランドの基礎知識 3 】ハイテクには頼らない」

2018/06/13 06:00 投稿

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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/06/13
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今回は、ニコ生ゼミ6月3日(#233)から、ハイライトをお届けいたします。

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 【ディズニーランドの基礎知識 3 】ハイテクには頼らない


 ディズニーランドって、ハイテクっぽいものもあるんですけども、ローテクも結構いいんですよ。

 たとえば、ディズニーシーに “タートルトーク” っていう催しがあるのを、みなさんご存知ですか?
 
 客船コロンビア号という船の中にあるんですけど。


 このコロンビア号についても、揉めたんですよ。

 客船コロンビア号って、すごいデカい、タイタニック号みたいな客船なんですけど、全長140mあるんですよね。


 デイズニーシーを作る時に、たぶん、一番金が掛かったものだと思うんですけど、何の意味もないんですよ。

 「何の意味もない140mもある本物の客船を、昔ながらの “リベット工法” で作る」という、メチャクチャなことをやってるんですけども(笑)。

 運営を行うオリエンタルランド側が、「これ、50mでいいじゃないですか」って言っても、ディズニー側は「いや、140m」って。

 「だったら、70mで」と言っても、「いや140m」って、全然、譲ってくれなくて、結局、140mのサイズのものを作っちゃったんですけども。

 それでも、ディズニー側は「いや、安心してくれ。これでも実物の “8分の7サイズ” に縮小してある」というふうに言ってて(笑)。


 そのコロンビア号の後ろの方でやってる催し物として、タートルトークって言うのがあるんですよ。

 中に入ると、『ファインディング・ニモ』に出てくる喋るカメが出てきて、お客さんが言ったことに反応して喋ってくれるというものなんですけども。

 一度、『すべらない話』で千原ジュニアが、「ディズニーシーのタートルトークすごいですよ! 全然スベり知らずで、客が言ったことを受け取って喋ってドッカンドッカン受けてるんですよ!」と話したことで、YouTubeとかでも有名になったんですけども。

 僕も、千原ジュニアの話を聞いて、「面白いな」って思って行ってみたんですよ。

・・・

 なぜかというと、仕掛けが気になったんですよね。

 タートルトークの仕掛けについて、ブログとかで予想をしてる人も結構いるんですけども。

 この亀というのは、暗い会場の中でお客の反応を見るんですよね。


 「お客さんがこんな顔してる」とか、「ちょっと手を挙げた」とか、「こんな帽子被ってる」っていうのを全部、カメが拾って喋ってくれるんです。

 だから、「いろんなところに隠しカメラがあって、離れたところにいる俳優さんがアドリブで演技しているんじゃないか?」っていうのが、ほとんどの人の考え方なんですけども。

 ディズニーのやり方ってね、そうじゃないんですよ。

 ディズニーっていうのは出来る限りライブでやるし、出来る限り故障しないシステムっていうのを作るんですね。


 タートルトークというのは、客席があって、その前にスクリーンがあるんですけども。おそらく、そのスクリーンの真裏に演者がいると思うんですよね。

 あのスクリーンが、いわゆるマジックミラー状態になっていて、真っ暗な部屋に掲げられたスクリーンの、本当に真裏の、1m以内くらいの場所にいて、お客さんをすごく近くで直に観察してるって、僕は思うんですよ。

 「そうだろうな」と思って、僕、タートルトークに行った時、出来るだけ真ん中辺りに座って、スクリーンの真ん中をずーっと見つめてたんですよ。

 で、「さあ、じゃあ、次は誰に聞こうかな」とカメが言った時に、「俺のこと見えてるよね?」っていうふうに軽く頷いたら、もちろん俺を当ててくれて、「名前はなんていうんだい?」「……斗司夫って言います」ってことで、一通りやり取りをしたんです。


 やっぱり、実験してみてハッキリしたんですけども、あれはスクリーンの真裏に人が居るんですよね。

 カメラでもなんでもない。
 裏に人が居る。

 そういうふうに、「変にテクノロジーを入れずに、お客さんと演技をするキャストというのを直に近づける」っていうのが、ディズニーのやり方なんですよ。

・・・

 あと、ディズニーランドの方に “ホーンテッドマンション” という、アトラクションがありますよね。

 ホーンテッドマンションというのは、いわゆるお化け屋敷で、ゴシック調の古い建物の中に入っていくと、大広間みたいなところで部屋中に半透明の幽霊がボワーっと浮き上がって動くんですよ。

 この仕掛けについても「どうなってるんだ?」と不思議になるんですけども。

 よく「あれはホログラムなんじゃないか」と言われることが多いんですけど、ホログラムではないんですね。


 あれは “ペッパーズ・ゴースト” という、19世紀のロンドンでメチャクチャ流行ったお化け屋敷と同じ手法を使っているんです。

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 基本的には、舞台の下で明るいライトを焚いて、人物や人形を照らして、その像を鏡で反射させて、舞台の手前に張ったガラスにうっすらと反射させているんですよ。

 そうすると、ガラスを通して見ているものだから、まるでそこに半透明の幽霊がいるように見える。


 これは、パフュームのライブとかでも使われています。

 まあ、パフュームは、もっとハイテクな感じで使ってるんですけど。


 基本的にはこれなんですよ。

 つまり、ホーンテッドマンションというのは、僕らがゴンドラに乗ってガーッとコースを進んで行く時に、ゴンドラの真下に並べられた動く人形に明かりを当てて、ガラスに反射させて見せているだけなんですよ。

 それだけの、すごく単純な仕掛けなんです。


 では、なぜ、ホログラム使ったりとか、フィルムにしないのかというと、「この方が動作が確実だから」です。

 1つや2つのメカニズムが壊れても、タートルトークもホーンテッドマンションも成立するようになってるんですね。

 決してハイテクに頼らない。
 むしろ、そっちの方が、その場での臨機応変が効く。

 このホーンテッドマンションだって、こうやって作っているおかげで、幽霊達の服とか衣装とかもすぐに変えることができるんですよ。


 こういうふうに「ローテクだけで再現できるものは、ローテクで行く」というのも、ディズニーの面白さであります。
  
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