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「【『海賊の経済学』解説 2 】“隠し財宝” は真っ赤なウソ? 海賊船長の給料事情」
この『海賊の経済学』という本に書いてある話は意外なことばっかりで。
しかし、海賊の船長は選挙制。
おまけに、その選挙というのは、いつでも始まるんだ。
誰かが「お前より俺の方が船長としての適性がある!」と言い出したら、その場ですぐに選挙が始まるんだって。
さっきも話した、4隻の海賊船に500人の手下を従えるバーソロミュー・ロバーツ船長は、部下の1人だったシンプソンから、挑戦された。
でも、海賊船の場合、女の海賊というのもたまにいたそうなんだけど、その女の海賊ですら1人1票をちゃんと持ってる。
黒人であろうが東洋人だろうが、その船に乗っている人間は、投票が認められている。
とりあえず、船に乗っている人間って、全員 “使える人間” なわけだから。
使えない人間なんて、そもそも船に乗せないからさ。
使える人間であるということは、全員平等に1票、年齢も何も関係なく持っていたんだ。
まあ、船長を吊るし上げるほどでない場合とか、選挙するのが面倒くさいという時は、船長に不満を持った海賊達というのは、港に着いた時に黙って船を降りちゃうんだって。
船乗りって、全員、1航海ごとの契約制の契約社員だから、船を降りたら、もう一度その船に帰ってきてくれるとは限らないんだよね。
だから、船長というのは、全員に対してものすごく公平に振る舞わなきゃいけなかったんだけど。
とりあえず、「船長が気に食わないな」と思った船員は、全員、船を降りて他所の船に行っちゃう。
だから、タチの悪い船長というのは、やっぱり残れなかったみたいなんだよね。
こういうふうに、船長の私物というのは基本的に “みんなで分けるもの” であって、あんまり独り占めできるものではなかったそうです。
いかがでしたか?
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/06/05
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「【『海賊の経済学』解説 2 】“隠し財宝” は真っ赤なウソ? 海賊船長の給料事情」
この『海賊の経済学』という本に書いてある話は意外なことばっかりで。
さっき話したように、海軍の船はエゲツないし、民間の商船もエゲツないんだけど、海賊船はそれに対して、かなり面白いんだよね。
たとえば僕もこの本を読むまで知らなかったんだけども、海賊船の船長って “選挙” で選ばれてたそうなんだ。
しかも、投票権は船に乗る1人1人が全員1票ずつ持っていた。
海賊船の中には、基本的に奴隷っていないんだよ。
全員、同じ1票持ってるんだ。
もう、格差0。
平の船員であろうと、1等航海士であろうと、1人1票持っていて、その選挙によって、海賊の船長が決まったんだ。
海賊船の中には、基本的に奴隷っていないんだよ。
全員、同じ1票持ってるんだ。
もう、格差0。
平の船員であろうと、1等航海士であろうと、1人1票持っていて、その選挙によって、海賊の船長が決まったんだ。
海軍の艦長というのは、王様とか、偉い参謀本部が決める。
商船の船長というはスポンサーが決める。
だから、雇われた船員、もしくは連れ去られた水兵たちというのには、基本的には自分たちのトップを選ぶ権利がない。
商船の船長というはスポンサーが決める。
だから、雇われた船員、もしくは連れ去られた水兵たちというのには、基本的には自分たちのトップを選ぶ権利がない。
しかし、海賊の船長は選挙制。
おまけに、その選挙というのは、いつでも始まるんだ。
誰かが「お前より俺の方が船長としての適性がある!」と言い出したら、その場ですぐに選挙が始まるんだって。
・・・
これに関しては、詳細な資料が残ってて。
18世紀のカリブ海で海賊船 “ロイヤル・ローバー号” で起きた選挙の記録があるんだよ。
これは海賊船長選挙の典型例なんだけども。
18世紀のカリブ海で海賊船 “ロイヤル・ローバー号” で起きた選挙の記録があるんだよ。
これは海賊船長選挙の典型例なんだけども。
さっきも話した、4隻の海賊船に500人の手下を従えるバーソロミュー・ロバーツ船長は、部下の1人だったシンプソンから、挑戦された。
すると、お互いに推薦人を選んで、“演説大会” が始まったんだ。
「彼はみなさんの福祉のために~」という演説を本当に大真面目にやるんだよ。
「彼を船長として選ぶことが、いかに我々の利益に繋がるか。彼がどんなに自分の利益よりもみなさんの福祉のことを優先しているのか」っていうのを、マジで大演説するんだ。
「彼はみなさんの福祉のために~」という演説を本当に大真面目にやるんだよ。
「彼を船長として選ぶことが、いかに我々の利益に繋がるか。彼がどんなに自分の利益よりもみなさんの福祉のことを優先しているのか」っていうのを、マジで大演説するんだ。
選挙の結果、バーソロミューは再任されて、そのまま船長になり、結果、バーソロミュー船長のおごりとして全員に酒が振る舞われ、夜はパーティー、と(笑)。
とりあえず、船長はことあるごとにこうやって、みんなに何かを奢らなきゃいけないから、実は、船長って、かなりスッカラカンなんだけども。
この船長選挙は「世界中のどんな民主主義選挙よりも150年は早かった」と言われてるんだよ。
民主主義選挙の歴史でいえば、まあ、ギリシャのアテナとかがあるんだけど。
でも、アテナって奴隷制だからさ、完全に1人1票を持ってるわけじゃないんだ。
でも、アテナって奴隷制だからさ、完全に1人1票を持ってるわけじゃないんだ。
でも、海賊船の場合、女の海賊というのもたまにいたそうなんだけど、その女の海賊ですら1人1票をちゃんと持ってる。
黒人であろうが東洋人だろうが、その船に乗っている人間は、投票が認められている。
とりあえず、船に乗っている人間って、全員 “使える人間” なわけだから。
使えない人間なんて、そもそも船に乗せないからさ。
使える人間であるということは、全員平等に1票、年齢も何も関係なく持っていたんだ。
・・・
逆に怖いのは、「運が悪い船長はクビになる」というところなんだ。
たとえば、海図が読めない船長は容赦なくクビにされたし、「あの船長は勇気がない」という噂が立っただけでもクビになった。
これはその実例なんだけど。
詳しくは後半で話すけど、本当にこの時代の人たちは、みんなスペインが嫌いで嫌いでしょうがないんだよ。
そんな中、拿捕したスペイン船の船長を、みんなが「殺せ! 殺せ!」と言ってるのに殺さなかった、心優しい船長がクビになったことがあったそうだ。
詳しくは後半で話すけど、本当にこの時代の人たちは、みんなスペインが嫌いで嫌いでしょうがないんだよ。
そんな中、拿捕したスペイン船の船長を、みんなが「殺せ! 殺せ!」と言ってるのに殺さなかった、心優しい船長がクビになったことがあったそうだ。
では、クビになったらどうなるのか?
だいたいは「無人島に島流し」なんだって。
必要最低限の水筒1杯分の水と、あとはピストルと弾と火薬だけを持たされて、無人島に島流しにされた。
この銃は、もちろん「自殺するため」に持たされたんだよな。
必要最低限の水筒1杯分の水と、あとはピストルと弾と火薬だけを持たされて、無人島に島流しにされた。
この銃は、もちろん「自殺するため」に持たされたんだよな。
まあ、船長を吊るし上げるほどでない場合とか、選挙するのが面倒くさいという時は、船長に不満を持った海賊達というのは、港に着いた時に黙って船を降りちゃうんだって。
船乗りって、全員、1航海ごとの契約制の契約社員だから、船を降りたら、もう一度その船に帰ってきてくれるとは限らないんだよね。
だから、船長というのは、全員に対してものすごく公平に振る舞わなきゃいけなかったんだけど。
とりあえず、「船長が気に食わないな」と思った船員は、全員、船を降りて他所の船に行っちゃう。
だから、タチの悪い船長というのは、やっぱり残れなかったみたいなんだよね。
・・・
なので、船長というのは、大体の場合、食事も下っ端海賊と同じものを食べるし、寝る場所も同じベッドで寝てたと言われています。
こういう海賊船の資料には、“船長室” っていうのがあるじゃん。
「船長室で船長だけがベッドで寝てた」ってふうに思っている人も多いと思う。
僕もそう思ってたんだけども。
「船長室で船長だけがベッドで寝てた」ってふうに思っている人も多いと思う。
僕もそう思ってたんだけども。
でも、この本によると、海賊船には確かに船長室が付いてるんだけども、これはほとんど “シェアハウスのリビング” 状態で、みんなで使うのが当たり前の場所であり、そこにある酒はみんなのものだったんだって。
だから、みんなは勝手にその酒を飲むんだけど、それを買うのは船長なんだよね(笑)。
だから、みんなは勝手にその酒を飲むんだけど、それを買うのは船長なんだよね(笑)。
こういうふうに、船長の私物というのは基本的に “みんなで分けるもの” であって、あんまり独り占めできるものではなかったそうです。
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