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岡田斗司夫のニコ生では言えない話 7号 2012/11/05
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【庵野秀明論】ジョージ・ルーカスと同タイプ。ずっとエヴァを作るのが正しい。
【今週の書き起こし】エヴァのあと、私はどうすればいいでしょうかby庵野秀明監督
【新着映像】古市憲寿×岡田斗司夫「道徳の時間」
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【庵野秀明論】ジョージ・ルーカスと同タイプ。ずっとエヴァを作るのが正しい。
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ニコ生岡田斗司夫ゼミ2011年9月号「世界一キケンな人生相談」より
「エヴァのあと、私はどうすればいいでしょうかby庵野秀明監督」
結論から言うと庵野秀明監督はジョージ・ルーカスタイプです。
ジョージ・ルーカスタイプは『スター・ウォーズ』をずっと作るタイプ。『ハワード・ザ・ダック』とか他にいろいろ作るんだけど、でもやっぱり『スター・ウォーズ』が求められてるし、『スター・ウォーズ』っていうあの器に何でも乗っけられるっていうことを見つけちゃった。
つまり他の監督は、一回ごとに作品を変えなければ別のものが語れないんだけど、同じ入れ物で違うものが語れるというのを発見してしまった。
1人の人間の作品でそんなバリエーションがあるはずがない。押井守さんも早いうちに「俺ができるものはこの1種類か2種類だ」というふうに決めてしまって、切り口をいろいろ変えているようで、同じような映画をずっと続けてる。
たぶん押井さんが死んで100年後か200年後に「押井守っていう映画監督がいた。フィルムグラフィーを見たら見事に統一性がある」言っちゃ何だけど同じような映画ばかり並んでいると思うんだよな。
庵野秀明君もそれと似たようなもので、100年後か200年後にフィルムグラフィーとして並べてみたら、実に見事に『ヱヴァ』っぽいものばかりやっていることになると思うんだ。
それがスピルバーグとか宮崎駿と違うところ。スピルバーグとか宮崎駿というのは次から次へ違うものをやって、次から次へ自分の新境地というのを開拓するんだけど、庵野君はそのタイプじゃない。
「『ヱヴァ』の後、私はどうすればいいのか」って、そりゃあもう、また『ヱヴァ』やればいいに決まってるじゃん。
劇場版の『ヱヴァ』の三部作が終わったら次はテレビ版でまた一からやり直してもいいし、それが終わったら3D映画でまた一からやってもいいし、それが終わったら実写にして……。
ずっと『ヱヴァ』やっていいと思うよ。
見ている人はついて来てくれると思う。
『ヱヴァ』を見た時に中学生だったり高校生だったりする人は死ぬまで『ヱヴァ』見るよ。それはある年代で『ガンダム』見た人はまるで税金を払うがごとく、どんな『ガンダム』であってもずっと見るのと同じで、『ケロロ軍曹』になってまで見ちゃうわけじゃん?
『ヱヴァ』もたぶん数年後には『ヱヴァ』をネタにしたマンガが『ケロロ軍曹』みたいに出てくるんだ。「『ヱヴァ』が好きであります!」みたいな宇宙人が出てきて、『ヱヴァ』ネタばっかりで語ってて、ついには中学生とか高校生が「へー、『ヱヴァ』って本編は見たことないんだけど『ヱヴァケロロ』は見たことがある」とか。『ヱヴァケロロ』の方が有名になったりする時代があるかもわからない。
でも、そんな時代になってもずっと『ヱヴァ』を作り続けるというのが庵野秀明の生きる道だと思うな。
もう庵野君も俺とそんなに年齢変わんないからそろそろ50歳超えてるじゃん? ということは人生の半分ぐらい『ヱヴァ』作ってるわけだから、もう人生『ヱヴァ』でいいと思うよ。
無理矢理新しいことをするっていうタイプじゃないと思うし、『ヱヴァ』の上に何でも乗るっていうのがわかって、何でも語れるっていうのが分かったんだから、『ヱヴァ』っていうのは作品じゃなくて自分にとってはフォーマットなんだっていうふうに考えたらいいんじゃないでしょうか。
「また同じことをやってる」というふうに言われた時には、「いや、俺は『ヱヴァ』バカだ。『ヱヴァ』で一生生きる!」というふうに強く言っていく方がかっこいいと思います。
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