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「“エヴァの正体はシンジの母親” という構造は第1話から予告されていた!?」
ここで、「あ! このロボットの顔は、実は仮面であって、その奥に素顔があるんだ!」というのがわかるようになっているんですね。
実は、「仮面の奥には生物的な顔がある」という衝撃的な事実を、オープニングの時点で見せちゃっているんです。
いや、そんなことはないです。
たぶん、今、50歳以上のSFファンは、俺のこの話を聞いて頷いていると思いますよ。
「そりゃ、そうに決まってるよ」って(笑)。
これがジュノーンの顔だと思われていたんですけども、表面の仮面が剥がれたらその中には素顔があったという、かなり衝撃的なシーンがあるんですよね。
さらには、「仮面を剥がれて壊れてしまい、もう動けないはずのロボットが、ひとりでに再起動して動き出す」というシーンも、ここに描かれています。
おそらく、この辺りの強いイメージというのが『エヴァ』に影響を与えていると思うんですけども。
こういうことからもわかる通り、1つの映像作品を作り上げるということは、それ以前からある、いろんな文脈を辿っていくのと同じようなことなんですよ。
『約束のネバーランド』という漫画がありまして、その中に出てくる “鬼” という存在が出てきます。
この鬼も、「お面を被っていて、その奥に不気味な目がある」というふうに描写されているんですね。
つまり、今、『約束のネバーランド』に引き継がれているわけです。
『ファイブスター物語』で出てきた「ロボットの顔の奥に実は素顔がある」というアイデアが『エヴァンゲリオン』になった。
そして、現代では、それが、人間サイズで喋る鬼という存在に変わって『約束のネバーランド』の中に出てくるという流れになっています。
いかがでしたか?
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/04/09
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「“エヴァの正体はシンジの母親” という構造は第1話から予告されていた!?」
『エヴァンゲリオン』のオープニングの、「ほとばしる熱いパトスで~♪」と歌い上げる部分で、エヴァ初号機がガーッと前から迫って来てドアップになったと思ったら、メインカメラの奥に瞳のようなものが見える、というカットがあります。
ここで、「あ! このロボットの顔は、実は仮面であって、その奥に素顔があるんだ!」というのがわかるようになっているんですね。
さらに、「思い出を裏切るなら~♪」の「う」の部分で、一瞬だけ、この仮面が全て外れた状態のエヴァの素顔というのが、パッと映る。
実は、「仮面の奥には生物的な顔がある」という衝撃的な事実を、オープニングの時点で見せちゃっているんです。
・・・
つまり、SFに慣れている人には、第1話を見ただけで「怖い父親だけが出てきた。母親はどこにいるんだろう? そりゃ、このロボットが母親なんだろうな」ということが、自動的にわかるような構造になっているんですね。
「父親があんなに酷いやつだとしたら、じゃあ、母親はどうなってんだ? そりゃ、あの巨大ロボットは母親が変形したものなんだろう」と。
だから、2話辺りの、無理矢理、起動したロボットが碇司令をガンガン襲うシーンを見て、これが、ママが「パパ、息子に何やってるの!」って言いながらド突いているんだということがわかるんです。
まあ、ここら辺には、たぶん、SFに慣れてる人と慣れてない人との間に、微妙に読みの差があるんですけど。
『エヴァ』っていうのは、そこら辺が面白いんですよね。
母親の「子供を守る」という本能でロボットが動いているということは、“母性の良さと悪さ” を同時に持っているという意味でもあるということです。
つまり、「守ろう」という良さもあれば、母性として取り込んでしまって「自由にさせないようにする」という悪さというものもある。
つまり、「守ろう」という良さもあれば、母性として取り込んでしまって「自由にさせないようにする」という悪さというものもある。
そこから “母性の怖さ” というテーマにも繋げられるし、さらに「じゃあ、父親は、そこからどうやって逃れようとしたのか?」というのも、根本のテーマになり得る。
そういうことが、このオープニングと、1話2話を見たら、カチャカチャっと頭の中で組み上がるようになっているんです。
「斗司夫にしかわからん」(コメント)
いや、そんなことはないです。
たぶん、今、50歳以上のSFファンは、俺のこの話を聞いて頷いていると思いますよ。
「そりゃ、そうに決まってるよ」って(笑)。
・・・
ちなみに、この「ロボットの顔に見えていたのは実は仮面であって、その中には素顔としての生体的な顔がある」というイメージを初めて視覚化したのは、おそらく、永野護です。
永野護の『ファイブスター物語』の第2巻に、モーターヘッド・ジュノーンというのが出てくるんですけど。
これがジュノーンの顔だと思われていたんですけども、表面の仮面が剥がれたらその中には素顔があったという、かなり衝撃的なシーンがあるんですよね。
さらには、「仮面を剥がれて壊れてしまい、もう動けないはずのロボットが、ひとりでに再起動して動き出す」というシーンも、ここに描かれています。
おそらく、この辺りの強いイメージというのが『エヴァ』に影響を与えていると思うんですけども。
こういうことからもわかる通り、1つの映像作品を作り上げるということは、それ以前からある、いろんな文脈を辿っていくのと同じようなことなんですよ。
この辺は、村上隆に言わせると「それはもう、現代アートと同じですよ!」って話になるんですけど。
僕なんかは、「いや、そんな高級なもんじゃねえよ」って思うんですけどもね(笑)。
僕なんかは、「いや、そんな高級なもんじゃねえよ」って思うんですけどもね(笑)。
・・・
さて、この「仮面の奥には不気味な目をした素顔がある」というイメージは、今言ったように、文脈と言うか、脈々と受け継がれるアイデアみたいなものなんです。
だから、やっぱりバトンタッチして、次の世代、次の世代へと伝えられていくものなんですね。
だから、やっぱりバトンタッチして、次の世代、次の世代へと伝えられていくものなんですね。
今は80年代のオタク文化で語りましたけども、じゃあ、このイメージが2018年にはどうなっているのかというと。
『約束のネバーランド』という漫画がありまして、その中に出てくる “鬼” という存在が出てきます。
この鬼も、「お面を被っていて、その奥に不気味な目がある」というふうに描写されているんですね。
つまり、今、『約束のネバーランド』に引き継がれているわけです。
『ファイブスター物語』で出てきた「ロボットの顔の奥に実は素顔がある」というアイデアが『エヴァンゲリオン』になった。
そして、現代では、それが、人間サイズで喋る鬼という存在に変わって『約束のネバーランド』の中に出てくるという流れになっています。
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