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「岡田斗司夫の大予言『2028年には人類はAIによって“支配”されている!』 (後編)」
(前編からの続き)
現在、ユーチューバーと呼ばれる人には、いろんな人がいますよね。
今のように、お金が入ってきたり、成功したりというふうなことは、ゼロとは言いませんけれども、かなり可能性が低くなっているでしょう。
今、現役で活躍している人達も、全て終わってしまっていて、新しい人がポツポツいるといったような状態じゃないかと思ってるんです。
だけど僕らは、今やニュースのソース映像そのものをツイッターなどを通して見ることができる。
そんな時に「それが元々、どの国で配信されたのか?」っていうのは、あまり関係がないですよね。
それと同じように、ピコ太郎のような、言語に関係がないような芸であれば、別に世界中の人が楽しめてしまう。
あれが普及することで何が起こるのかというと、膨大な言語データが蓄積されるんですね。
家庭に置いてあるこういうスピーカーに向かって「コカ・コーラを注文して」って喋りかけると、Amazonからコカ・コーラが届くという。
こういうのがAmazon Echoの機能なんですけども、こういうものが何のための物なのかというと、通販のためだけじゃなく「個人個人がどのように日本語を喋るのか?」というデータ蓄積を目的としているんですね。
いわゆる「女心がわかる」とか、「男心がわかる」のと同じように、「アメリカ人心がわかる」、「イタリア人心がわかる」と、それだけの理由になっちゃうんですよ。
僕らは、女言葉を学ばなくても女の子と話が出来るように、英語を学ばなくともアメリカ人と話すことが当たり前のようになると思います。
それくらいのスパンで考えれば、“パーソナル・エージェント”というのが個人個人に配属されることによって、そういう問題が解決されると思っているんですけど。
これは、まあ、20年30年後の予想ですから、将来に置いておきましょう。
パーソナル・エージェントについては、ここではとりあえず、「個人個人のコンシェルジュみたいなものだ」と思ってください。
すると、そのパーソナル・エージェントが相手のパーソナル・エージェントに話して、次はその相手のパーソナル・エージェントが伝えたい対象の人にわかりやすく説明してくれるというふうになるのだと思います。
「まずは営業マンを通しての話し合いで、トップ同士が話すのは最後」みたいな。
20年後、30年後は、そういうふうになるんだと僕は思っています。
たぶん、「完全に溶ける」ということはないんですよ。
マイナーな言語なんかは、なかなか溶けていかないんでしょうけども。
なぜなら、みんなが理解したいと思わないから。
スウェーデン心あまりわかりたいと思わないからですね。
言語の壁が溶けてなくなって、僕らが喋ったことが、一瞬後に英語になって音声で出てくるようになるからですね。
それが10年後の世界です。
そんな世界の中で、日本人のユーチューバーというのが、どれくらいのアドバンテージ、優越性を持つのか?
しかし、10年後の世界のコンビニでは、おそらく日本全国で売っている商品というのが、どんどん少なくなってると思うんですね。
その町内でしか売ってないとか、その地方でしか流通していないご当地商品というのは残るんでしょうけども、日本全国みたいな中途半端な範囲で売るというのは、あまり意味がなくなっていく。
「日本全国で売るくらいだったら、世界で売った方がいいいじゃんか」と、誰もが考えるだろうし、必然的に「世界で売れないものは、大阪の堺市だけで売った方がいいよ」という判断になるからですね。
そして、日本人に残されたローカルな場だけでは、今現在のユーチューバーのような、広告収入で生きていく人達の生活が成り立たなくなっちゃうんですね。
そこはもう、ボランティアの人達の活動の場になっていく。
言語の壁が全くなくなると、無意味にグローバルな人達との競争が始まるんですよ。
でも、その裏には15億人のインド人が、「よし、今日の午後はこいつをパクってやろう!」と山のように控えてる。
さらにその背後には、その時点では15億人もいないんだけども、同じような中国人たちが「よし、これをパクってやろう!」と待ち構えているんですね(笑)。
無意味にグローバルな世界の中では、僕ら日本人というのは、全世界、70億人か80億人かの中の、たった1億人に過ぎないんですよ。
そういうことになってくると、彼らに親しみを持つ前に、次から次へと落ちていってしまう。
そういう状況を、僕らは何度も見てるんですね。
なぜなら、彼らは彼らで、自分たちが活動しているテレビとか劇場という部分にプライドを持っていたからですね。
でも、そういう人達が、最近は、どんどん そういったこだわりを捨てつつある。
なので、これからのYouTubeは、この2,3年以内に、かなりの勢いでタレントさんや芸人やアイドルに荒らされると思ってます。
さらに、それと同時に、世界中の何億人というヤツらが「何か面白いことがあったら、それをもっと工夫して繰り返す」ということをやり出したら?
あとは動画の更新やコンテンツを発信するペースというのも、その人の頑張り次第になってきちゃうんですね。
ところが、これからは、人工知能によるバーチャル・ユーチューバーというのが始まる。
まあ、もうすでに初音ミク的なものを使って行われていますけども。
これは、AIと言うよりかは“人形劇の人形”みたいなものだと思うんですけど。
しかし、じきにこれらは、『君の名は。』みたいなデジタルアニメのような圧倒的な速度で進化を遂げていくはずです。
これに関しては、もう本当に、半年から1年の間にザッと流れて行くと思うんです。
“ファンタジーの世界”とか、“学園ものの世界”という世界自体が提供されるようになる。
こうなると、YouTubeという規格自体が必要ではなくなるんですね。
実写と変わらない密度で表現されたそういう世界の中で、美形なキャラクターとか、モンスターとかが、毎日毎日、ひょっとしたら1時間に1回、30分に1回、15分に1回、自分の番組をもう配信しちゃうんですね。
こういった、人間が思いついて作れる動画というのは、ヒカキンさんとかがやってるんですけど、1日に4番組くらいが限度なわけですよ。
1日に10番組を、毎日毎日、繰り返すことが出来るAIのユーチューバーみたいなものに、やっぱり人間は敵わないわけなんですね。
そういう事が言語の壁が溶けることによって始まり、日本人のユーチューバーが淘汰されるということが起きる。
AIのユーチューバーというのが、今 現在のような「人間の喋っていることを、顔、表情というのを読み取って再現する」という中途段階の形から、さらにAIで自動化されたものへとどんどん置き換わって進化していくからですね。
10年後のYouTubeの世界は、まだまだそれらの勝負はついてないんでしょうけども、その決勝戦みたいなものが行われているとは思います。
そして、そんな10年後の再生数ランキングのベスト10とかには、少なくとも、今の日本のユーチューバーというのは一人もいないんじゃないかなと僕は思ってます。
というのが、岡田斗司夫による10年後のユーチューバーの予想ですねなんですけども。
まあ、「ありましたよね」って、架空の会社なんですけども。
……あれ、なんの映画に出てきたんだっけ?
そうそう、『ターミネーター』だ。
あとは“毎日100回 更新する”という、人類にはとても出来ない進撃速度で僕らの日常生活の興味関心を奪ってしまうものなんです。
いや、こうなると、もう「支配する」という言葉すら適切ではなくなるのでしょうね。
「フォロワーを最も増やす」ということになるんじゃないかなというふうに思います。
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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