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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/01/08
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今回は、ニコ生ゼミ12月31日(#211)から、ハイライトをお届けいたします。

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 2028年のニコ生は、こうなっちゃうと思うよ


 2028年の予想って、なかなか誰もやらないですよね。

 みんな、考えれば誰でも分かりそうな2018年の予想っていうのは、やるんだけども。

 あまり10年後っていうのは、ちょっとコツがあると思うんですけども、やる人が少ない。

 なので、「これは俺の独壇場かもな」って思うんですけども。

 ・・・

 じゃあ、この2028年の将来予想で、“ニコ生は、どうなっているのか?”っていうのを話します。


 まず、この“ニコ生は、どうなっているのか?”というよりは、デジタルメディア業界 全体はどうなってるのか。

 2017年の動きから見ると、ディズニー社による20世紀フォックスの買収が行われました。

 これは何の為かと言うと、独自コンテンツの囲い込みってヤツです。


 コンテンツ、つまり過去の作品とか、そういうものを、もう それぞれの会社が囲い込もうとしてるんですね。

 で、これをアメリカでは“ワンエンド時代の終わり”と言っています。


 つまりHuluとか、Netflixとか、Amazonとか、何でもいいんですよ。

 Apple TVとか。

 とりあえず、どこか一社と契約する、もしくは、どこか一番大きくなりそうな所と契約しておいたら、何でも見れるんじゃないか。

 これがワンエンドってヤツなんですね。


 このワンエンド時代、ワンエンドって幻想が、ついに終わっちゃう。

 そういうのが、ディズニーのフォックス買収で明らかになった事態なんですね。

 で、ニコ生の話になりますけども、角川とドワンゴの合併っていうのは、実は本質的には、このディズニー・フォックスと似てるんですよ。

 角川が、ドワンゴというテレビ局を買収したのと同じなんですね。


 角川がテレビ局を買おうとすると、それは逆になるんですね。

 角川が吸収されるだけなんですよ。


 でも、角川っていうコンテンツを山のように持っている所が、ドワンゴっていう流通を持っている所であって、テレビ局ほど強くない、ドワンゴぐらいのサイズだったらば、角川にしてみれば、自分の所に従えれる。

 つまり、コンテンツ産業として これから生きていく上で、ディズニーのようにやっていくには、どんどんどんどん囲い込みというのをやらなければいけない。

 実は、それが角川ドワンゴの統合の一番大きなパーツだと僕は思ってるんですね。


 今、身の丈にあった結婚ってコメントが流れましたけど、そのとおりです。

 身の丈に合ってると思います(笑)。


 しかしニコ生って言うのは、ドワンゴの事業の中でも、実は本質的には“コミケ”なんですね。

 角川のような出版社には向いてないというか、不要なんですよ。

 ニコ生っていうのは。


 なので、ニコ生のバージョンアップのクレッシェンドで、大揉めに揉めた本質は何かって言うと、ドワンゴがニコ生のことを「実は、どうでもいい」と思ってる事がバレちゃったんですよね。

 これはハッキリと言えます(笑)。


 この間までのドワンゴと言いましょうか。

 この間までのドワンゴは、ニコ生なんか、どうでもいいんですよ。


 そうじゃなくて、角川がコンテンツ企業として、より大きくなるための配信母体であったり。

 もしくは、ドワンゴ独自のコンテンツが作れる事が大事なんですね。


 だから、「生主なんて、どうなてもいいや」っていうふうに考えているからこそ、あんなメチャクチャな仕様が出来るわけなんですよね(笑)。


 「僕らのような角川ドワンゴさまというような大手のテレビ局にとって、岡田斗司夫チャンネルなんて、」

 ニコ生でやってる、どこのチャンネルにしても同じですよ。

 それはゲーム実況チャンネルでも、まったく同じなんですよ。


 そういう弱小製作プロダクションなんか、どうでもいいんですよ。

 そこが、いくら売り上げが上がろうと、角川ドワンゴが目指している、より大きな商売の為には。


 ハッキリ言ってドワンゴにとって生主って言うのは、コントロール出来ないんだけど、ある程度 売り上げが立ってるから、やめたくてもやめられないモンなんですね(笑)。

 なので、金をかけたバージョンアップなんか、もう正直したくない。


 金も、コストも、手間も、有限なんだから。

 技術者の数も、有限なんだから。


 ニコ生とか、生主とかの為のバージョンアップなんか、もうやりたくもねぇよと。

 それをやるぐらいだったら、お金とかコストをかけて、新しい独自ドキュメンタリーを作ったりとかですね、よそのコンテンツを買ったりとか。

 そういうふうにして、ディズニー・フォックスがやっているような、世界を相手にした対抗をやりたいと思ってるんですね。


 じゃあ今は、そういうふうに思ってるとして、10年後はどうなってるのかを話します。

 10年後は、今言ったディズニー・フォックスにしても、角川ドワンゴにしても、こういうコンテンツの囲い込みっていうのはもう終わってるんですね。


 それは、どっかが勝者になってワンエンドになってるかっていうと、そうではなくて。

 僕は、今のニコ生をやってるからリアルで分かるんですけども。

 今回、僕が年末年始に過去の映像っていうのを出してるのは何でかって言うと、「いや、昔の岡田斗司夫も、案外 面白いから、見てくださいよ」って本当に思ってるからなんですよ。


 12月30日の島本和彦対談を見た人は分かるとおり、昔の映像も、案外 面白いんですよ。

 でも今の人たちは、それは僕を含めて“今”を生きる私たちは、もう最新のもの以外は どうでも良くなってるんですね。


 どんなに「面白い」と言われても、目の前に見せられない限りは。

 つまり再放送でオンエアしない限り、過去の映像とか、過去のものなんて、もうどうでも良くなってくる。


 この“今しか見えない”っていうのが、これからの人間の特性になって行くんですよ。


 なので、膨大な過去のコンテンツっていうのを持っていても、そんなに意味が無い。

 そこまでコストをかける意味が無い。

 それよりは、今日 生まれた、さっき生まれた、1秒か2秒前に出てきたコンテンツっていうのを、如何に効率よく配信するのかの方が当たり前になってくる。


 だからこそ、今、ユーチューバーというものが主流になりつつあり、そして これからはユーチューバーの速度 自体が、もう勝てなくなってくる。

 AI、人口知能によるユーチューバーというのが出てきて、彼らがリアルタイムで、今 起きた事件に関してどんどんどんどん配信実況を始めるような事になってくると。

 もう、それに僕らは勝てなくなる。


 それは何でかと言うと、みんな、リアルタイムのものしか興味が無いからですね。

 もしくは、すごい大手のメディアで、世界同時中継で再放送などがあったときに、僕らがそれに反応するものとかになってくると思います。


 みんなは最新以外に興味が無くなるので、過去の映像とかコンテンツというのは、事実上、宝の持ち腐れになると思うんですね。

 ・・・

 そんな時代なので、コンテンツ囲い込みっていうのは、僕は本質的には夢だと思いますね。

 そんな事をやっても。


 だから角川ドワンゴも、「よその国の超メジャー企業がやっているから、それをやってりゃいい」 っていう、ド田舎の経営者みたいな考え方をして、クレッシェンドをやって炎上して、謝るハメになったと、僕は思ってるんですけども(笑)。

 
 生主とかユーチューバーはAIに変わり、AmazonとかYouTubeとかニコ生の差は、どんどんどんどん無くなっていくと思います。

 それで10年後の世界は、貴族であるアイドル様たちだけが番組を持つようになって、僕はその中でゲリラのように「アイドルを信じるな!」とか言って、アジってるようになるんじゃないかな(笑)。

 そういうふうに思います。

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