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「12月24日といったらクリスマスじゃなくてアポロ8号だろ!」
ちょうど49年前のクリスマスなんですね。
なので、今日はその話をちょっとしたくて、アポロ8号についてまとめて参りました。
もう、「宇宙に関してだったら、岡田斗司夫は止まらない!」というやつですね。
まあ、日本中、どこもクリスマスの話題をやっている中、「12月24日といえばアポロ8号だろ!」なんてやってる人は誰もいないと思うんですけど(笑)。
まず、1つ目は「決死の宇宙飛行」。
実は、かなり危なかったという話。
2つ目は「大感動の生放送」。
そして、3つ目は「なぜか訴えられて最高裁判所まで争うことになる」。
この3つの話をしようと思います。
その火災事故で、アメリカの宇宙開発の歴史上、初めて宇宙飛行士3人が焼け死にました。
この火災の原因 自体は今では判明していて、その理由は「宇宙船内で電気がショートして、それが可燃物に燃え広がったから」です。
アポロ宇宙船の中は、100%の酸素で満たされていたので、あっという間に火が回ってしまったんですね。
その上、事故の起きる少し前に、「宇宙飛行士のミスによって、ドアが開いてしまう可能性がある」という意見がNASAの中であったので、ドアが開きにくくしてたんですね。
この話については、このニコ生でも今まで何度か語ってるんですけども。
宇宙船が、まだ“宇宙カプセル”と呼ばれていた時代、つまり、マーキュリー計画の時代には、宇宙船のドアは外からボルトで止められていて、中から外せなくなっていたんですよ。
しかし、それを見たプライドの高い宇宙飛行士達が「なんだこれは! どんなジェット機にも戦闘機にも、脱出ハッチというのがついているだろ! スイッチ1つでポンっと脱出できるやつを付けろ!」と言ったんですね。
「俺達はパイロットだ! まず操縦装置をつけろ! 窓をつけろ! ドアをつけろ! ドアには“爆発ボルト”と呼ばれる非常時にスイッチ押すだけで、ボンと爆発してドアが無理やり開く仕掛けをつけろ!」と言ったんですね。
そう。今、コメントでも出た通り、ガス・グリソムの事件が起こった。
こんなことが起こらないように。
しかし、その結果、同じガス・グリソムが、アポロ1号の本番前のテストで、純酸素を満たした宇宙船の中に他の2人の宇宙飛行士と乗っている時に火災事故が起こり、脱出できなかったこの3人が死んでしまった。
しかし、火災事故のせいで、この計画が大幅に遅れてしまった。
そして、計画が大幅に遅れてしまったので、このアポロ8号の打ち上げでは、初めてのことが多過ぎだったんです。
続く、アポロ2号、アポロ3号というのは欠番です。
そして、アポロ4号は、“サターンロケット”の初めての全力試験です。
まあ、これがサターンⅤ型ロケットですね。
直径10m長さが110mの「人類が作った最も巨大なロケット」と言われてました。
これのエンジン全開テストというのをやってなかったんですね。
アポロ4号では、このサターンⅤ型の全開テスト、つまり「1段目を吹かして飛んで切り離して、2段目吹かして飛んで、3段目を吹かして飛んで~」というのを、全部やろうとしてやったんですよ。
…6kmですよ?
6kmって、かなりの距離なんですけども。
6km離れた場所で生中継を行っていたビルの報道ルームが壊れはじめて、解説を行っていたウォルター・クロンカイトという有名な解説者が、生放送の最中に窓ガラスが割れないように押さえていたという本当の話が残ってるくらいなんですよ。
NASAも、まさかそんなことになるとは思ってなかったんで、「これはエラいことだ」と、以後、発射台の下に水を張って衝撃波を吸収するようにしました。
6号でも、まだ無人です。
そして、アポロ7号で初めて、「この巨大なロケットのてっぺんに人を乗せて、宇宙空間に持っていっても大丈夫か?」という試験をした。
その次が、アポロ8号なんですよ。
・・・
アポロ8号の段階では、もう計画は遅れに遅れていた。
おまけに、グラマン社が作っていた月着陸船が「NASAのみなさんが言っているようなスケジュールで、アポロ8号の月着陸船は作れません! 間に合いません!」とギブアップ宣言をした。
なので、本来は月着陸船まで飛ばすはずだったところから、ロケットの先端に付いた、全体比からしたらほんの僅かなこの部分のアポロ宇宙船しか、宇宙に打ち上げられないことになった。
どうしようということで、NASAのスタッフが考えたのが、「じゃあ、せめてこれを月の近くまで持って行って、月の周回軌道に乗せよう」と。これが、1968年の計画でした。
なので本当に命がけで、なんとか月まで行ったんですね。
そこから先は、もう、観測するしかないんですね。
そして、観測している中で、月という星が、もう本当に“死の世界”であるとわかった。
そこで、宇宙飛行士達はアドリブを考えたんです。
その翌日の24日の夜の生放送で、例の窓ガラスが破れないように押さえていたアメリカで1番 有名なニュースキャスターのウォルター・クロンカイトと通話することがあったんですけど。
「こちら宇宙のアポロ8号です。月からみなさんにこの状況をお知らせします」ということで、色々と話した後で、最後のクライマックス、生中継の視聴率が最も上がる所で、いきなり宇宙飛行士3人が“創世記”の引用を始めたんですね。
これでまあ、アメリカ人は大感動したんですね。
このアドリブは、後に「68年という年は、この3人が救った」と言われるような出来事になったんですね。
そんな無神論者のマダリン・オへアという女の人が、この直後にNASAを、というよりは、アメリカ政府を訴えたんですよ。
「そんなアメリカの政府職員が、宇宙という公の場所で聖書を読んだということは、国家が特定の宗教を国民に押し付ける行為に他ならない!」というようなことで宗教裁判になったんです(笑)。
これが、もう、大揉めに揉めて、最高裁にまで行ったんです。
結果、最高裁において、この訴えは棄却されたんですけど。
この後、NASAはこういった宗教がらみのことについて、ものすごく神経質になりました。
後に、アポロ11号が月に着陸した時に、バズ・オルドリンという人が、「自分の宗教であるキリスト教の長老学派に法ったミサを執り行いたい」と言ったんですけども、NASAの方は「ダメだ」と言いました。
だけどNASAは「それでもダメだ」と言いました。
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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