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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「【捨てられないTシャツ・シリーズ】クトゥルフとサンリオキャラの勝手なタイアップTシャツが人生を決めた話」

2017/10/07 06:00 投稿

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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2017/10/07
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今回の記事はニコ生ゼミ9/24(#197)よりハイライトでお送りします。


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 「【捨てられないTシャツ・シリーズ】 クトゥルフとサンリオキャラの勝手なタイアップTシャツが人生を決めた話」

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 ここまでのお話


 SFショーというイベントの失敗で傷ついた僕は、心を癒やすため、アメリカはボストンの世界SF大会に行くことにしました。

 着いたら、そこはもうSFファンの天国みたいな場所でした。

 有名SF作家もいるし、新しいSF映画の上映はしてるし、本物の鎧とか本物の剣とかも、売ってるんです。

 なんちゅう国だと思いました。

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 子供の頃にすげえなと憧れていたアメリカは、「科学」の国というイメージでした。

 それが、アメリカの世界SF大会に行ったら、世界中からボストンにファンが集まって、ものすごいイベントが開催されてるんです。


 自分たちはイベントで700人のお客さんを集めようとして130何人しか客が集まらなかった。
 そんなSFショーが終わった直後だから、もう圧倒されっぱなしでした。

 夜になるとホテルでは、スウィートルームとか、普通の部屋とかが開放されていて、あちこちでパーティーが開かれているんですよ。


 僕ら日本人がのぞきに行くと、言葉がわからなくても、入れ入れと言われて、どんどん飲み物とか食べ物を出されて歓迎されるんです。

 「お前は何が好き作品はなんだ? 俺も、それが好きだ」とか、「このビデオ観るか?」とかガンガン話しかけられる。

 毎晩毎晩、ホテル中の部屋でバーッとパーティーをやってるわけです。

 そんな雰囲気にのみこまれて、「うわぁ、すげえなあ! 俺この世界で一生、生きていけたらな」と強く思ったんですよね。


 子供の頃に見ていた科学の国に来てみたら、こんな天国を見つけちゃったという気分です。

 「こういうものを扱って、一生 生きていけたらな」というのが、僕の今の人生に至る大きな流れになりました。

 そんなすごいイベントのディーラーズルームでは、膨大なTシャツも売ってたんですよ。
 やっとTシャツの話になります(笑)。


 “Star Wars”とか、“Star Trek“ と書かれたTシャツもいっぱいあります。

 でも、そのスターウォーズとかスタートレックって書いてあるTシャツの中にも、「スターウォーズはもう古い」とか、「スターウォーズで俺は人生が変わった」とか、「スターウォーズ死んじまえ」とか、「今こそスタートレックを見よう」とか、そんなTシャツもいっぱい売ってるんですよ。


 「おおー!」っと思って見て回っていたら『それ行けスマート』とか、『珍犬ハックル』とか、誰も覚えていないようなマイナーなテレビドラマとかマイナーなアニメとかのTシャツも売ってるんですよ。

 とにかく元ネタにする作品が幅広くてすごいんです。


 そんなたくさんのTシャツの中から見つけたのが、この『ハロークトゥルフ』です。

 クトゥルフ神話というもの自体が、かなりマニアックです。
 日本では、ライトノベル『這いよれ!ニャル子さん』のおかげで、そこそこメジャーになってきましたね。

 クトゥルフ神話には、地球をかつて支配していた古代の神で、このタコみたいなバケモノがいます。
 それにハローキティをあわせてる。


 キティは、当時のアメリカでは、もう本当に最先端の最先端の流行だったんですよ。

 だって、当時アメリカには、サンリオショップとか全くなかったから。
 今だったら世界中にあるから、誰でもハローキティを知ってるけどね。


 ただ一部、すごいアンテナ感度の高い奴が、日本にはハローキティというのがあって、ちょっとあれ面白いぞって思ってた。

 日本人でもようやっと男性の大人の人が、サンリオキャラクターって面白いかもしれないなと気づき始めた頃です。


 アメリカでもやっぱりそれ気づいた奴がいて、そいつがクトゥルフとサンリオキャラクターのなんていうの? 勝手なタイアップというのを、やっちゃったTシャツです(笑)。


 これを見た時に、もう俺はこの文化というのかな、「このノリに一生ついて行こう!」と思いました。

 それで後に『トップガン』と『エースをねらえ!』を足して『トップをねらえ!』というアニメを作ることになるんですけども(笑)

 そういうものを作るようになったのが、このハロークトゥルフというTシャツを買ったからですね。

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 この黒いTシャツでこの状態から分かる通り、勢い込んで買ったものの、どこに着ていっていいかわからない。

 いまだ新品のままです。

 当時の体型と今の俺の体型は変わらないので、今でもバッチリ着れます。
 でも、未だにこれを着る場所はですね、僕には与えられていないということです。
 

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