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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2017/09/29
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今回の記事はニコ生ゼミ9/17(#196)よりハイライトでお送りします。


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 「【捨てられないTシャツ・シリーズ】 大阪のオタク少年、『エイリアン』に出会う」


 【捨てられないTシャツ】シリーズは、今回のゼミが映画『エイリアン』特集ということで、ノストロモ号Tシャツです。

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 下に書いてある小さい数字、180286というのはノストロモ号の戦籍番号ですね。
 ここにちゃんとウェイラン・ユタニと書いてあります。

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 ウェイランド・ユタニっていうのは『エイリアン』に出てくる金儲けばっかりやっている悪の企業です。


 これ、ユタニっていう日本名の会社になったのは後のことで、最初はこれ、TOYOTAだったんですよね(笑)。

 ウェイランド・トヨタっていう名前でやろうとして、トヨタにOKもらおうとしたら、トヨタが絶対にダメ」って言ったわけです。

 それで、知り合いのユタニさんの名前を借りてユタニにしたんですけども、これトヨタだったら凄かったよね(笑)。


 映画『エイリアン』が公開されたのは、1979年の7月21日、土曜日です。
 当時、映画は土曜日に公開していましたねぇ。

 僕は梅田のOS劇場で、ちゃんとその公開日に見ました。


 1979年というのは、第二十回日本SF大会DAICON3の2年前です。

 僕が初めて開催したイベント「第4回日本SFショウ」の年ですね。
 『エイリアン』の封切りは、そのイベント開催のちょうど3週間前だったんですよ。


 第4回SFショウというのは、キャパ600人くらいの会場に100人以下の申し込みしかなかったという辛いイベントでした。

 だからもう赤字になるのは分かってて、恥かくのも分かってて、不安で頭の中はいっぱいだったんです。

 ところが1979年という年は、どんなに不安でいっぱいでも、僕に落ち込むことを許してくれないんですよ。

 だって『機動戦士ガンダム』が4月7日から放送を始まって、6月23日に『ジオンの脅威』ですよ!
 「ザクとは違うのだよ。ザクとは!」と、ランバ・ラルが出てくるんですよ。

 6月30日『再会母よ…』、7月7日に『時間よ、止まれ』、7月14日に『ククルス・ドアンの島』っていう、ちょっとテンションが落ちるのが3本続いたあと、7月21日に『セイラ出撃』!

 「え?あのセイラさんが?モビルスーツで出撃するの?」っていう回があった正にその日の夜に『エイリアン』が公開されたのです。


 というわけで、僕らは僕の家で一緒に『セイラ出撃』を見た後、梅田のOS劇場に『エイリアン』を見に行きました。

 実はこの翌週は、『アムロ脱走』です。

 「セイラさんがモビルスーツに乗れるんだったら、もう僕なんていいでしょっ」て、アムロが脱走します。

 で、SFショウの当日は『ランバ・ラル特攻!』という、ランバ・ラルが死んでしまう回です。
 この回はさすがに僕も見れなかったんですけども。

 まぁ、そういう時代でした。

 その日、梅田のOS劇場オールナイトに『エイリアン』を見に行きました。
 一緒に行った友達もみんなSFファンです。

 それどころか、映画館に来ている人全員、SFファンなのです。


 今の『マーヴェル』とか『スターウォーズ』の映画は、そこそこリア充さん達も来るんだけど、当時のSF映画のオールナイトっていうのは、もう「その筋の人」しか来ないんですよね。

 まあ、“その筋”っていうのも変ですけど。


 当時は、『エイリアン』がどんな映画かだって、全然わかってないんです。

 『エイリアン』の写真だって1枚もないし、聞いたこともない名前の人が監督をやっている。
 そんなわけで、僕たちは「三流映画じゃないかな」とか、「また騙されたかな」と思いながら、不安で見にいってるんですよ。


 ところが映画が始まると、もうすげえ面白い。
 これ『スターウォーズ』より面白い。

 さっきの宇宙船が離脱するところとか、方向転換するところとかのシーンで、ノズルから火を噴いて止めるんですよ。

 「よく止めた!」って、もう嬉しくて。
 「うわー!これ生涯で最高の映画だ!」って思って観てたんです。

 ところが、隣に座っているジュンさんが、「あ、あかん」って言い出したんですよ。
 「あかん、あかん」って。


  次号につづく。

 
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