俺は1stの初回放送をTVで1話から見た。子供の頃から筋金入りのガンダムファンだった。勿論、安彦氏の絵は大好きだった。美術部に入り、安彦氏の絵を真似てイラストを描きまくっていた。アリオンだって、雑誌「リュウ」の連載間もない頃から読んでいた。映画版ガンダム、クラッシャージョウだって、初日に並んで見たクチだ。当然、「安彦良和画集」だって持っていた。 だからこそ言わせてもらいたい。ORIGINの絵には魅力がない。アムロ・シャア・セイラ・カイ・・・そうしたキャラクターの目が刺々しくて、常にイライラしているように見えて、キャラクターの表情に全く魅力がない。もうこの人は、昔のように、滑らかで、力強く、美しく、繊細で、艶めかしい線でキャラクターを描けなくなってしまっている。まるでシャーペンで適当に描いているだけのような感じ。年老いてペンに力を入れて描けなくなったという事もあるかもしれない。だが、それだけではないと思う。この人はそれぞれのキャラクターを愛し、思い入れを込めて描いているように感じられなくなったのだ。そして、アニメのORIGINは、そんな現状の安彦氏の線を模写してるだけなので、見ていて全く魅力がない。しかも、変に古臭いギャグシーンがあったりして、見ているこちらが恥ずかしくなる事すらある。(アニメの原画マン・原画監督としての技量は、クラッシャージョウあたりで既にピークだったのかもしれない・・・) ストーリーに関しても、安彦氏オリジナルのパートは、原作との辻褄が合わないだけでなく、原作アニメがもっていた雰囲気ともマッチしない部分が多い。というか、安彦氏は登場人物たちの性格・言葉遣い・人間関係を十分理解していないままORIGINを描き出したのがバレバレ。こんな台詞、1st監督の富野氏やチーフシナリオライターの星山氏なら絶対に用いる事はないと感じる部分も多く、物凄く違和感ばかり感じた。富野氏はORIGINの事を「あれは(僕の考えていた)ガンダムではない」といった事を言ったようだが、それも当然だと思う。 ORIGINの幼少期のアムロはあまりにナヨナヨしく、カイやミハルの表情はあまりにも不細工に描きすぎて、見ているこちらが不快感を感じた。セイラの表情には優しさや陰りがなく刺々しい。シャアは単なるサイコパスだと感じた。しかも安彦氏は自分の作品としての色を物語に入れたいと思うあまり、原作にでは描かれていないジオン軍の話の部分に力が入ってしまっていたと思う。結果として、原作アニメでは丁寧に描かれていたWBの搭乗員たちの話がおざなりになってしまい、WBの登場人物達に対する感情移入がしきれぬまま最終回を迎えてしまったと感じた。ゆえに、WBのクルーたちが脱出してきたアムロを迎えるラストシーンも盛り上がりに欠けたと思う。正直言って、安彦氏はストーリーテラーとしての才能は高いとは思えない。 そもそも、過去の様々なインタビュー本で安彦氏は「アニメは嫌い」「ガンダムもストーリーを十分理解できていないまま描いていた」といった事を何度も話していた。コミック化だって、サンライズの社長などに何度も話を持ち掛けられ、半分嫌々で始めたはず。なのに今となっては、祭り上げられた事によっていい気になってしまっているようにすら見える。正直言って、そんな安彦氏とORIGINといった作品は見たくもなかった。
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岡田斗司夫ゼミ
(ID:3724640)
俺は1stの初回放送をTVで1話から見た。子供の頃から筋金入りのガンダムファンだった。勿論、安彦氏の絵は大好きだった。美術部に入り、安彦氏の絵を真似てイラストを描きまくっていた。アリオンだって、雑誌「リュウ」の連載間もない頃から読んでいた。映画版ガンダム、クラッシャージョウだって、初日に並んで見たクチだ。当然、「安彦良和画集」だって持っていた。
だからこそ言わせてもらいたい。ORIGINの絵には魅力がない。アムロ・シャア・セイラ・カイ・・・そうしたキャラクターの目が刺々しくて、常にイライラしているように見えて、キャラクターの表情に全く魅力がない。もうこの人は、昔のように、滑らかで、力強く、美しく、繊細で、艶めかしい線でキャラクターを描けなくなってしまっている。まるでシャーペンで適当に描いているだけのような感じ。年老いてペンに力を入れて描けなくなったという事もあるかもしれない。だが、それだけではないと思う。この人はそれぞれのキャラクターを愛し、思い入れを込めて描いているように感じられなくなったのだ。そして、アニメのORIGINは、そんな現状の安彦氏の線を模写してるだけなので、見ていて全く魅力がない。しかも、変に古臭いギャグシーンがあったりして、見ているこちらが恥ずかしくなる事すらある。(アニメの原画マン・原画監督としての技量は、クラッシャージョウあたりで既にピークだったのかもしれない・・・)
ストーリーに関しても、安彦氏オリジナルのパートは、原作との辻褄が合わないだけでなく、原作アニメがもっていた雰囲気ともマッチしない部分が多い。というか、安彦氏は登場人物たちの性格・言葉遣い・人間関係を十分理解していないままORIGINを描き出したのがバレバレ。こんな台詞、1st監督の富野氏やチーフシナリオライターの星山氏なら絶対に用いる事はないと感じる部分も多く、物凄く違和感ばかり感じた。富野氏はORIGINの事を「あれは(僕の考えていた)ガンダムではない」といった事を言ったようだが、それも当然だと思う。
ORIGINの幼少期のアムロはあまりにナヨナヨしく、カイやミハルの表情はあまりにも不細工に描きすぎて、見ているこちらが不快感を感じた。セイラの表情には優しさや陰りがなく刺々しい。シャアは単なるサイコパスだと感じた。しかも安彦氏は自分の作品としての色を物語に入れたいと思うあまり、原作にでは描かれていないジオン軍の話の部分に力が入ってしまっていたと思う。結果として、原作アニメでは丁寧に描かれていたWBの搭乗員たちの話がおざなりになってしまい、WBの登場人物達に対する感情移入がしきれぬまま最終回を迎えてしまったと感じた。ゆえに、WBのクルーたちが脱出してきたアムロを迎えるラストシーンも盛り上がりに欠けたと思う。正直言って、安彦氏はストーリーテラーとしての才能は高いとは思えない。
そもそも、過去の様々なインタビュー本で安彦氏は「アニメは嫌い」「ガンダムもストーリーを十分理解できていないまま描いていた」といった事を何度も話していた。コミック化だって、サンライズの社長などに何度も話を持ち掛けられ、半分嫌々で始めたはず。なのに今となっては、祭り上げられた事によっていい気になってしまっているようにすら見える。正直言って、そんな安彦氏とORIGINといった作品は見たくもなかった。