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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2017/08/23
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おはようございます。

今回の記事はニコ生ゼミ7/9(#186)より一部抜粋しました。

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 「村上隆さんから聞いた『日本と海外の美術教育の違い』」


 以前に村上隆さんから、おもしろい話を聞きました。

 海外と日本の美術教育は、何が違うのか。

 実は日本の美術の教科書は、めちゃくちゃ薄いんです。

 すぐに子供に画を描かせる。
 個性を出せと言い過ぎる。

 たぶん先生方は学校教育は個性を押さえてしまうと考えているのでしょう。
 だから、せめて体育とか美術は、治外法権的に個性を出していってバランスをとろうとしちゃう。

 でも海外の美術教育は違う。


 アメリカとかドイツとかフランスとかの美術の教科書は、めちゃくちゃ分厚いんです。

 それは過去の名画といわれるものが、なぜ名画なのかを、理論とか構造をちゃんと教えて、おまけに模写もさせる。

 名画の模写をやらせて、何がスゴイのかを自分の手でわからせる。


 でも日本の美術教育では、模写なんてことをほとんどやらせない。
 「好きに描いてみよう」というふうに言う。

 設計とか建築とかって絶対に初心者に「好きにやってみよう」とは言わないじゃないですか。

 
 実は基礎が出来るまで真似させた方が、独創性というのは伸びる。

 真似することによって技術ができることによって、ようやっと個性というのが照らされる。


 技術もないのに、個性やっても中途半端に周りから「器用だね」 「上手いね」といって褒められて、そこで終わっちゃう。

 そうならないためには、まず、最初に徹底的に技術を教え込む。

 いろんなことを教えるために美術の教科書を分厚くしておいた方が、実は中学校・高校に入ってから、趣味として画を描く人が増える。

 それが欧米の考え方。

 確かに欧米はそれで上手くいってるんですよね。


 なので欧米は、美術館に行く人口もわりと男女比がそれなりに整っているんです。

 でも日本の美術館は、おばさんがなんか定年後に行ったりするばっかりになっちゃうんですよ。


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