ABC放送の世論調査では、トランプが1%、ヒラリーよりもリードしてたんだ。
このあいだニューヨークに行ってきたんですけど、ニューヨークに住んでる人って基本的にヒラリー支持だったんだよね。
それは僕が9月に行った時のロサンゼルスも同じだった。
基本的に、インテリの人たちとか都会に住んでる人はヒラリー支持だったんです。
ニューヨークでもオシャレな雑貨屋さんとか自然食ショップに行くと「私たちはヒラリーを支持します!」って言ってた。
店のショーウィンドウを、わざわざ今回の大統領選用に切り替えてやってた人もいたんだ。
そもそも、なんでアメリカではこんなに大統領選が燃えたのかというと、日本と違ってアメリカでは大統領を選べるからなんだ。
一応「間接選挙」って言われてるんだけど、じかに自分たちで大統領を選べるからなんだよね。
日本では首相を自分で選べないじゃん。
国会議員に投票して、議員たちの人数の比率で最大与党が決まって、その最大与党の中で「今回は政権を担当する事になった人」が決まる。
僕らにしてみれば、よく目に見えないルールで日本の首相が決まっているよね。
それに対してアメリカは間接選挙なんだけど、国民が選挙人を選んで大統領を選ぶ。
それが4年に1回、それも「オリンピックと同じ年」って決められてるから、すごいお祭りになっちゃうんだ。
それで大統領選挙は去年の秋から始まって、すごく盛り上がってた。
アメリカの大統領選は共和党と民主党から対立候補が出てくるわけだけど、正直言って、この20年ぐらい争点がほとんど無かったんだよね。
民主党は大きい政府で社会保障をやっていて、人工中絶を認めましょう。
共和党は小さい政府で経済格差をある程度認めて、人工中絶は認めない。
そうは言っても、この社会保障も、ほとんど差が無くなってきちゃってたんだよね。
今回はその大統領選にトランプが殴り込んできて、「移民は全部、追い返す!」だの「日米安保はアメリカが不当に損をしている!なので日本から金を取る!もし金を出さないんだったら、日本から米軍を引き上げる!」とか言ってた。
なので、すごく争点があるように見えたんだ。
だけど10月の頭から半ばぐらいにかけて、ヒラリー・クリントンとテレビ討論をやって、その争点がそんなに燃えなかった。
だから、お互いのスキャンダル合戦になっちゃったんだよね。
なので、人によっては「こんなに下らない大統領選挙なんて、初めてだ!」「いくら何でも、これはヒドイ。」って言う人もいれば、「トランプに投票する人は、アメリカとインテリに対して絶望しているので、トランプが躍進するのが当たり前だ!」と言う人もいた。
という事で、日本人の僕らから見たら、あまり当事者意識が無いものになっちゃってたんだ。
さっきも話したとおり、ロサンゼルスやニューヨークでは基本的にヒラリー・クリントン支持だったんです。
だけどアメリカの残りの大部分の田舎では、案外トランプ支持が多かったんだ。
トランプって、すごい事を言ってたよね。
「もう一回、アメリカを強くする!」とか「低所得者層の所得税をゼロにする」とか。
あと「大金持ちから、徹底的に税金を取り上げる」とも言ってるんだよ。
これに“アメリカの貧乏人たち”は「おぉーっ!」って言った。
ヒラリーとトランプの支持層が各州によってどうなっていたのか、ネットを検索するとスグに出て来るんだよ。
それでアメリカ地図を見たら、すごい事になってた。
本当にトランプが大部分になってたんだよね。
でも、あくまで「各州」。
州ごとに選挙人の人数って違うんだよ。
たとえばカリフォルニア州なんかは人口が多いから選挙人が55人いる。
つまり55票の権利を持っている。
でもワイオミング州とか、そういうド田舎。
オレも「こんな州、『未知との遭遇』ぐらいでしか見たこと無いよ!」っていうような所に行ったら、選挙人が2人ぐらいしかいない。
いわゆる「一票の格差」っていうのが、アメリカではすごくあるんだよね。
そういう人口の少ないところでは、トランプの支持者が多いっていう事になってたんだ。
なので、ABCが調査した支持率では、本当に1%ぐらいの差しかない状態になっていたわけであります。
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