おはよう! 岡田斗司夫です。
誘致の宣伝に作った『愛国戦隊大日本』の上映も大成功だった。
おまけに僕たちが目指したのは「空前絶後のSF大会」だ。
四千名の参加者は全員合宿制、参加費も一万五千円。
つまり大会総予算は六千万円となる。
これだけの予算を、わずか二日のSF大会で使い切るには、いったいどんな企画が必要だろうか?
船という完全に閉ざされた空間を借り切れば、中の演出が思いのままだ。
DAICON 星系へ向かう宇宙船という設定にすれば、参加者は新惑星への入植者、スタッフは宇宙船乗組員。
すごく面白いイベントになりそうだ!
まだピースボートもない時代だ。
チャーター船の情報を探すにも、電話帳で該当しそうな先に片っ端 から問い合るしかない。
大阪に寄港する最大級フェリー『さんふらわあ』を有する関西汽船には僕が直談判した。
しかし旅客人数は五百人程度。
圧倒的に足りな い。
まず先方は警備会社を入れてくれと言う。
船舶クルーだけでは学生中心の行儀の悪そうな客が、一晩中酔って騒ぐのが不安だと言うのだ。
非常時の安全確保のため、通路には一切なにもできない。
塗装もシール貼りもダメ。
船室の飾り付けも、あらか じめ艤装パーツをこっちで作るにしても、船に換装するのに一日では不可能だ。
けっきょく、四日間・96時間も借りることになる。
手間と費用がうなぎのぼりに増えていった。
特に多忙なSF作家などゲストは、仕事の都合で遅れてくることも多い。
それでも参加してもらえるのはありがたいことなのだ。
「夜9時以降は参加できません」などという対応ができるはずもない。
チャーターしても客船は思い通りにならない。
「世界初!豪華客船を借り切って海の上でSF大会」という企画を泣く泣くあきらめた。
次に僕たちが燃えたのは「大阪フィルハーモニーを雇ってSF音楽を演奏させよう」という企画だった。
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