どう書いても「趣味が悪いですね」と言われてしまいそうだけど、【弱者マーケット向け】のテレビCMから目が離せないんです。
【弱者マーケット向け】といっても、別に貧乏人とか低学歴とか、そういうわかりやすい区分けじゃないんですよね。
「情報に引っかかりやすい人向け」という意味かな?
たとえばサラ金のCMを思い出しましょう。
そう、「レイクちゃ~~~ん」とか言ってるアレです。
「スマホでカンタン」とCMで言うけど、それでなにか便利になったわけじゃないんですよね。
「誰でもカンタンに借金しやすくなった」という恐ろしい報告なんです。
爽やかな音楽やキレイなモデルさん、「抜け」の良い映像でごまかしてるだけ。
それだけでテレビを見ている僕らは「サラ金でお金を借りること」のハードルが下がっちゃう。
「ガマンしてお金が貯まるのを待つ」じゃなくて「いますぐスマホで借金」に抵抗感がなくなっちゃう。
まんまと【情報弱者向けの戦略】に引っかかっちゃうわけです。
宝くじのCM。
あれも【弱者マーケット向け】の商品です。
以前に橘玲さんが「宝くじは別名『愚か者の税金』。あんなもの買う連中は搾取されてもしかたないですよ」と言っていました。
橘さんは露悪的だけど、本当のことしか言いません。
もちろん、宝くじを発行する政府や銀行の偉い人は【一生・絶対にあんな損する買い物をしない】という「真実」を知ってるから、僕たちに「耳に痛い」話をしてくれるわけです。
宝くじに関しては、僕自身は「国主導であくどいことするなぁ」と思っています。
もちろん、「夢を与えてる」という意見もあるのは知ってます。
でも、そんなこと言いだしたら原発だって戦争だって「国民に夢を与え」ていたんですよ?
第二次大戦が始まったとき、日本中で戦争万歳パレードが行われました。
それは先日の東京オリンピック決定と、なにひとつ違わない風景です。
夢を見ることは素晴らしい。
でも、夢見ることの快楽に溺れすぎると、あとで「悪夢」になります。
落ち着いて考えれば、「夢」と「悪夢」の差は、誰でも判別可能です。
宝くじの場合だって、【生涯買い続けた場合の金額】と【獲得の期待値合計】を計算したら、それが「悪夢」だとわかるはずなんですよね。
・・・とまぁ、僕の感想はさておきましょう。
一流の金融関係者が宝くじを決して買わないように、CMを作る人たちも、これが本質的には【弱者マーケット向け】。
つまり「詐欺じゃないけど、胸張れる仕事じゃない」ってわかってるようです。
だから【弱者マーケット向け】CMはいつも、「楽しさ過剰」になりがちです。
たぶんそれは、作る側と見る側双方の【罪悪感】を打ち消すためなんだと思います。
はい、今日はここまで。岡田斗司夫の、ちょっと悪趣味な、TVウォッチングでした!
以上、『岡田斗司夫の毎日メルマガ~力尽きるまで』よりお届けしました。
コメント
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夢につけこんで女食ってたやつがよう言うわ
(ID:57795958)
経験者(現在進行形)は語る
(ID:57431264)
これに金払う奴がまさにそう