友紀夫・享・大二郎・孟が構想する   「東アジア共同体」

【東アジア共同体研究所(EACI) News Weekly Vol.0015「『新基地反対』の信念に基づく報道」】

2015/04/17 17:39 投稿

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   EACI News Weekly 第15号(4月17日号)
  東アジア共同体研究所(East Asian Community Institute )
    http://eaci.or.jp/

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【目次】

【1】《今週のニュース 4/11-4/17》
 政治(2)、経済(2)、国際(2)、社会(1)

【2】《UIチャンネル放送予告 No.099》
4月20日(月)20時 鳩山友紀夫×高野孟対談「ミャンマー出張報告」
http://live.nicovideo.jp/gate/lv217710726

【3】《EACIレポート》
週刊朝日に鳩山友紀夫理事長と孫崎享所長が登場
「安倍首相は沖縄”植民地総督”にでもなったつもりか!」

【4】《研究員コラム》
緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター)
「新基地反対」の信念に基づく報道」

【5】《連載》検証・フテンマ(琉球新報より)
 第2部 官僚の壁 vol.15 「面従腹背」

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【1】《今週のニュース 4/11-4/17》
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【政治】
■【深掘り】知事、これまで首相と会えず 両者の発言で振り返る
(沖縄タイムス 2015.4.17)
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=112021

■安倍首相「大戦の反省」表明へ バンドン会議で 
(読売新聞 2015.4.15)
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2015041501001649.html

【経済】
■AIIBが日米に迫るTPP前進-アジア経済圏で中国と綱引き
(Bloomberg 2015.4.17)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NMU3SC6TTDSB01.html

■AIIB、独首相が日本の参加要請…電話会談で
(東京新聞 2015.4.16)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150416-OYT1T50064.html

【国際】
■シンガポール、リー・クアンユー初代首相死去でアジアの「英雄の時代」が終わった
(ダイヤモンド/橘玲の日々刻々 2015.4.13)
http://diamond.jp/articles/-/70086

■2人のリー:「リー・クワンユー」と「李登輝」
(ハフィントン・ポスト 2015.4.14)
http://www.huffingtonpost.jp/foresight/lee-kuan-yu_b_6975074.html

【社会】
■社説[きょう知事・首相会談]沖縄の民意受け止めよ
(沖縄タイムス 2015.4.17)
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=111960

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【2】《UIチャンネル放送予告 No.099》
4月20日(月)20時 鳩山友紀夫×高野孟対談「ミャンマー出張報告」
http://live.nicovideo.jp/gate/lv217710726
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 4月20日(月)20時からの第99回UIチャンネル放送は、鳩山友紀夫×高野孟対談「ミャンマー出張報告」を生放送でお送り致します。

※会員(月額324円)の方は全編視聴できます。非会員の方は有料(150pt)となります。(会員になるには携帯キャリア決済、カード決済が可能です。個別映像を視聴する場合は、ログイン後、ニコニコポイント150ptにてチケット購入してください)

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【3】《EACIレポート》
週刊朝日に鳩山友紀夫理事長と孫崎享所長が登場
「安倍首相は沖縄”植民地総督”にでもなったつもりか!」
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 今週火曜日に発売された週刊朝日(4月24日号/144ページ)に、東アジア共同体研究所の鳩山友紀夫理事長と孫崎享所長、木村三浩一水会代表との鼎談が掲載されています。
 「安倍首相は沖縄”植民地総督”にでもなったつもりか!」と題した記事では、沖縄の米軍基地問題で強硬路線をつづける安倍政権に対し、それぞれが問題を提起しています。
 鳩山理事長が現在も沖縄に通いながら現地の人のためにできることを続けている点について触れ、孫崎所長はこの問題に対する自身の見解を述べています。また、木村代表は先日のクリミア訪問を振り返り、「日本の外交にも、もっと多様性が必要」と意見しています。
 同号には翁長沖縄県知事と菅官房長官の会談から始まる現地ルポルタージュも掲載されています(22ページ)。ぜひご覧ください。(EACIメルマガ編集部)

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【4】《研究員コラム》
緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター)
「新基地反対」の信念に基づく報道」
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「新基地反対」の信念に基づく報道
4月9日(木)、朝からファントムジェット機の音がうるさい。ジェット機の轟音は、那覇市の上空ではあまり聞かれないのだが、今朝はなにか特別な演習でもしているのだろうか。
突然だが先週読んだ新聞にアドヴォカシー・ジャーナリズムという言葉が出てきたのを思い出した。advocacy journalism-n.特定の主義(見解)を唱道(擁護)する報道(機関)―リーダーズ英和辞典(研究社)。私のやっているのはこれに近いのではないか・・・と今ごろ気づくのもおかしな話だが・・。
特定の主義、といっても私の場合、ささやかなものだ。
「辺野古の新基地建設は反対、海を埋め立てれば元に戻らない、200年の耐用期間といわれる軍事基地を作れば戦争の火種が2世紀も続く・・ダメ」という単純明快な考えだ。
それに私の文章は飛躍が多い。3月13日(金)発行のマガジンで琉米修好条約についてふれた。ペリー来航(幕末)が「鉄の暴風」(沖縄戦)を招く黒雲だった、と記した。この間、1世紀近くも開いている。頭の中で、過去300年から未来の100年くらいは見通したい、―400年くらいは視野に入れたい―という気持ちがあるのでそうなってしまったのではなかろうか。言い訳めいた文章を並べているが、ともあれスタートしよう。

議題設定能力
翁長沖縄県知事VS菅官房長官。知事は時々、口を一文字に結び淡々と語る。一方、官房長官は、死んだ魚のような眼で、「(埋め立ては)粛々と進める」一点張りの口調。テレビ画面で両者を比べると、どうしても政府の言っていることに無理があるような気配だ。
(前幹事長の石破茂も瞬きのない開きっぱなしの魚の眼だった。なにか人を威圧する気持ちが共通の表情となって現れるのだろうか。)
メディアが果たすべき大事な役割の一つに議題設定がある。○○が問題ではないか、と問いかける役割だ。誰も気が付いてないが、実はこうなった原因は、○○にあるのではないか。このまま放っておくと○○になってしまうのではないか。○○で良い、と思い込んでいるが、そうではない。等々と突きつけ、問題解決を図る、これが本来の使命と言ってよい。
-本来の「議題設定」の定義は少し違うのだが、私の解釈で通すことにする。

「普天間基地が危険だから、除去のために同じ県内の辺野古に基地を作る」。
これが正しい選択かどうか、しっかり取材し分かりやすく伝えることがメディアの役割だ。だとすれば根源的な問題までさかのぼらなければならない。日米安保はこのままで良いのか、抑止力って本当に必要なのか、なぜ外国の軍隊が70年も居座っているのか、出て行ってもらうには、国内に徴兵制でも布いて自国を守るしかないのか、そもそも誰が、誰を、何から守るのか・・・と考えてゆくと短いニュースの時間では終わらない。
伝える側は、時間がとれない、表現が難しい、面倒だ、読者が離れる、視聴率がとれない、としり込みしてゆく。
今回の「翁長VS菅」の構図は単純明快、沖縄県VS日本政府だ。この対立アングルが一気にメディアの舞台に載った。これまでなかなか全国紙の一面トップにならなかった辺野古新基地建設問題がクローズアップされた。翁長知事に追い風が吹いた。

島ぐるみ会議が毎日バスを運行させ、辺野古の現地・キャンプシュワブのゲート前まで市民たちを運んでいる。往復1000円なので2~30人の乗客では赤字となる。
最近の報道で潮目が変わった。不動産会社が50万円、ほかにもいろんなところから寄付が相次いでいる。・・・こうした基地反対派が勢いづく風潮を、メディアがあおっている、と嘆く人がいる。
しかしながらこれまで「粛々と」選挙結果を無視され、海上保安庁の暴力にさらされてきた沖縄県民から見ると、ようやくメディアの報道がわずかにバランスを戻しつつある、と感じる。
大きな動きとして、新基地建設反対を目的とした基金が創設された(4月9日)。
これこそ大ニュースだ。メディアが飛びつきやすい、しかも深い意味がある出来事だ。

*ミックス阿倍野は、長年の小指の痛みを、たいしたことはない、と片づけていた。しかし神経にさわる重大な病気かもしれない。脳腫瘍?だとすると指詰めて済むような話ではない。なにか沖縄と日本政府の関係のようだ。
ネオコンのおっちゃんの声がミックス阿倍野の脳内を駆け巡る。既に幻聴か?
-ネオコン氏は父親が関西地区の宣教師やった。日本語は関西弁しかしゃべれへん―
ネオコン「あかんな安倍ちゃんも。沖縄の負担軽減やて、あほくさ。じゃんじゃん基地作って、山開いて、海埋め立てたらよろし。あんな島、どないすんねん。基地がのうなったらワヤや。オスプレイ、むちゃくちゃ低空飛行させて、ファントム、ようけ編隊で飛ばして、中国の観光客に見せたらええやんか。中国には米軍基地ないねんやろ。珍しがるでほんまに」
幻聴?に対するミックス阿倍野のなぜか関西弁まじりの独り言。
「おっちゃん、威勢のええことばっかり言いよってからに。最近沖縄のアトモスフェア、ノーグッドなんやで。辺野古かて埋め立てはファイナリー、ノー・キャンで、ほんでもって、いまの基地エクステンドしてヘリパッド増やしてジ・エンド、かも分からへんで。軍艦横付けのポートやら、V字形のランウェーやら、アウトになったらどないしよう。どこでもえーから、はよ尖閣オキュパイしてほしいわ。」

辺野古基金創設
おそらく本土のメディアでは小さな扱いしかされていないと思う。そこで4月10日の琉球新報の一面を紹介する。
―辺野古基金を創設 阻止へ民意発信 数億円目標 翁長県政を支援
基金の共同代表には前嘉手納町長の宮城篤実氏、金秀グループの呉屋守将会長、かりゆしグループの平良朝敬CEO(最高経営責任者)、沖縄ハム総合食品の長浜徳松会長、元外務省主任分析官の佐藤優氏、俳優の故菅原文太さんの妻・文子さんの6氏が就任した。―
佐藤優氏は母親が久米島出身。上江洲姓だ。佐藤氏は久米島高校に出向いて無料で講演、図書館に蔵書を寄付している。ふるさと納税を呼びかけ、実際に効果があがっているようだ。今回はさらに踏み込んで「沖縄の名誉と尊厳のためにも阻止しないといけない」と明言している。辺野古基金は億単位の金を集め、ワシントンでのロビー活動も行う。

米国はロビイストが政治を動かす。日本の自動車メーカーのロビイストに話を聞いたことがある。大事なことは「ファクツ&フィギュアの提示」と言われた。事実と数字、これならジャーナリストの仕事と変わらない。
日本の自動車が輸入されると、米の自動車業界が打撃を受ける。業界も組合も当然反対する。そこをどう打開するか。彼が取った行動はこうだ。
全米大豆組合にトラックを寄付。幹部を日本に招待し、朝から日本人がいかに豆腐や納豆を食べているかを視察させた。そして以下のような「予測」を語った。
「もしアメリカが日本の自動車の輸入に反対したら、日本人は対抗手段としてアメリカ大豆の輸入に反対するかもしれない。豆腐や納豆はしばらく食べるの止めよう、となると大問題ですね。」
全米大豆組合は、日本の自動車輸入に対して、理解を示すようになった、と聞いた。

「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」という諺を思い出す。
さあそれでは新基地反対をどうすれば日米両政府に認めさせるか。これは日本政府の方に問題大アリ、とよく指摘される。鳩山内閣の時は、外務・防衛官僚が首相を無視し、アメリカに頼んで、最初から日本政府に縛りをかけた。(これこそ売国奴のやること)
こんなことは今に始まった話ではない。先日、47年ぶりに沖縄を訪問した元米大統領特別補佐官モートン・ハルペリン氏の識者評論(4月9日、琉球新報)を読んで驚いた。
「日本政府の同意なくして米国は辺野古に新たな基地を造ることができない。意思決定は日本側に委ねられているのだ。 私は沖縄返還交渉に米側担当官として関わったが、その際も日本政府に「沖縄を返してほしい」と言わせなければならなかった。なぜなら日本政府は拒絶されるのをあまりにも恐れ、そう言わなかったからだ。」(下線は緒方)

外務省も防衛省も、完全にアメリカにひれ伏し、日本の「国益」を損なっている。こういう政府はひっくり返すしかないのだが、選挙では圧勝!?
では日本全体の「民意」は辺野古埋め立てか?
いやいや沖縄では4度も選挙を重ね、辺野古基地反対の「民意」は明らか。
菅官房長官は、「粛々と」埋め立てを進めると言い続け、批判されると「堅実に」進めると言い換えている。「粛々」も「堅実」も、しっかり沖縄を無視しているのに変わりはない。

沖縄で起きている異常事態を理解するには、最近出版された「世界」の臨時増刊号「沖縄
何が起きているのか」がおすすめ。
「SIGHT」(VOL.61) 総選挙で自民党は勝っていない も是非読んでほしい。


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【5】《連載》検証・フテンマ(琉球新報より)
 第2部 官僚の壁 vol.15 「面従腹背」
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 涙を浮かべ、就任わずか8カ月余りでの退陣を表明してから約3年。元首相の鳩山由紀夫はことし5月、国会議事堂周辺の事務所でくつろいだ様子を見せた。苦悩に満ち、うつろな目をしていた在任終盤の表情はない。
 昨年11月、首相野田佳彦が衆院を解散したのを機に、26年身を置いた政界から引退した。今は国内外での講演活動をする一方、自身が3月に立ち上げた「東アジア共同体研究所」の活動として、沖縄の基地問題を含めた外交・安全保障などの分野で積極的に意見を発信している。
 鳩山は2010年6月、普天間飛行場の辺野古移設回帰を受けた社民党の政権離脱や「政治とカネ」の問題の責任を取り、首相を辞任した。指導力を発揮できず、場当たり的な普天間問題への対応には「稚拙」「迷走」「失政」などと厳しい批判を浴びた。大きな挫折感を味わった。
 だが退陣後は講演会などで首相時代の普天間問題の内幕を明かしている。「辺野古に戻してしまった後悔の念がある。この問題は決着していない」。発言を続ける理由だ。
 県外移設を実現できなかった原因に自信の力不足を挙げた上で、外務、防衛官僚らが「県外」の方向で努力しなかったと率直に指摘している。
 10年4月。首相在任中の鳩山は自らが設定した「10年5月末」の普天間飛行場の移設先決定の期限に向け、じりじりと追い詰められていた。期限まで2カ月を切っていた。
 政権交代を果たした09年8月の衆院選では普天間移設の「最低でも県外」を掲げた。政権発足後、移設先探しを担った官房長官平野博文は、辺野古移設案を残しつつ、「ゼロベース」から県外も含めて検討するとしていた。
 だが県外移設先は候補地の近くに演習場が必要とされたことで、どんどん選択肢が狭まっていた。鳩山が「何とかできるのではないか」と望みを託したのは、沖縄の演習場からも比較的近い鹿児島県の徳之島だった。
 10年4月2日の関係閣僚会議で「徳之島を全力で追及したい」と明言した鳩山は、6日夜、首相公邸へ秘密裏に外務、防衛両省の実務担当者を呼んだ。鳩山の記憶では防衛省から防衛政策局長高見沢将林と局次長黒江哲郎、外務省から北米局参事官富田浩司が集まった。もう1人は記憶にない。平野も同席した。
 鳩山は期待を込めて言った。「あなた方を信頼している。このメンバーを中心に最終的な案を作ってもらいたい。とにかく、普天間を極力県外にするような答えを探してもらいたい」
 徳之島に普天間の航空部隊全てを移すことは困難との見方があったことから、名護市のキャンプ・シュワブ陸上部にヘリポートを造る案にも触れた。そして念を押す。 
 「こういった話し合いが外に漏れることが一番ダメージが大きい。とにかく秘密を厳守し、お互い知恵を出し合ってやってほしい」
 酒を酌み交わし、料理を食べ、皆上機嫌で会合を終えた。いい雰囲気だった。
 しかし、その翌日、朝日新聞夕刊1面に次のような見出しの記事が載った。
 「普天間移設シュワブ陸上・徳之島案 週内にも対米交渉か」
 前日夜の会合の中身が書かれていた。鳩山は衝撃を受ける。「面従腹背なのか」。疑念が湧き上がった。(文中肩書は当時、敬称略)(「日米廻り舞台」取材班)琉球新報提供

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