「将来オーストラリアに2500人の米海兵隊を移駐する」。2011年11月16日。オーストラリアを訪れた米大統領オバマは、豪首相ギラードとの共同会見でこう表明した。その5日後、米紙ニューヨーク・タイムズへの寄稿で知日派の重鎮ジョセフ・ナインはこう提案する。「沖縄県内に海兵隊を移設する計画が、沖縄の人々に受け入られる余地はほとんどない。海兵隊はオーストラリアに移すのが賢明な選択だ」
ナイは米国防次官補時代はアジア太平洋政策の責任者。普天間問題なども手掛けた経歴を持ち、米軍の運用に精通する。寄稿では豪移転に関してこう付け加えた。「地域からの米軍撤退という誤ったシグナルを送らず、自由に訓練できるようになる」
オバマが発表した豪州配備予定の「2500人」は重要な意味を含んでいた。独立した作戦能力を持つ編成部隊「海兵遠征部隊(MEU)」を組織できる規模であることを示唆しているからだ。米国は現在、本国以外では沖縄だけに
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