Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――今回のテーマは、先日のイベント前に死亡事故が起きたOne Championshipが取り組む体重管理制度です
痛ましい事故を繰り返さないように……
One Championshipの新しい体重管理制度、静かなるスタート
昨年12月11日、One Championship所属の中国人ファイター、ヤン・ジエンビン選手が減量の合併症による心臓発作で死去した。21歳だった。この痛ましい事故を踏まえて、Oneでは新たに、選手の減量そのものを禁じるという新たな体重管理システムを導入し、1月23日の中国・長沙大会から運用を開始した。この大会のメインイベントはバンタム級タイトルマッチ、「ビビアーノ・フェルナンデス vs. ケビン・ベリンゴン」であった。
発表された仕組みは次の通りだ。所属全選手は毎日自分で体重測定を行い、その結果をOneのデータベースに入力する。団体はそのデータを使って、選手の適正階級を決定し、マッチメイクを行う。この際、意図的な虚偽報告などが行われないように、随時抜き打ちの体重測定も行われることとされた。
試合を控えた選手の場合、試合の1週間前から3時間前まで、連日にわたって体重測定と尿の比重検査(脱水状態を確認するもの)が行われる。規定体重をクリアし、脱水状態ではないことが確認できないと、試合に出場することはできない。点滴の使用は禁止されている。
また選手は、試合の7週間前には自分の体重を契約体重の6%オーバー以内に収めなければならないこととされた。さらに6週間前には4.5%オーバー以内、5週間前には3%オーバー以内、4週間前には1.5%オーバー以内、3週間前には契約体重以内に収めなければならない。
階級を変更したい選手は、試合の8週間前までに団体に申し出ることとされた。申し出の段階で、新しい階級の体重になっていることが条件とされた。申し出を行った選手に対しては、8週間にわたり抜き打ち検査を行い、本当にそれがナチュラルな体重であるのかを確認することとされている。
この発表からひとつ抜け落ちていたことは、現在のチャンピオンがいきなり減量を禁じられるとなると、タイトルは一体どうなるのかという点である。この新制度について十分説明を受けていなかった様子の135パウンド級のチャンピオン、ビビアーノ・フェルナンデスは1月6日付けのMMA Fightingのインタビューで、次のように不安をぶちまけていた。
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