Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――今回のテーマは
「心配するな、スター選手は必ず出てくるさ」
RIZIN旗揚げ記者会見の翌日、スコット・コーカーは自信満々にこう語った
先週末、筆者は3年の沈黙を破って昨年ベラトール総帥として表舞台に復帰したスコット・コーカーにインタビューする機会に恵まれた。元PRIDEプロデューサーの榊原信行氏が7年の沈黙を破ったRIZIN旗揚げ記者会見の翌日のことである。そこで今回はいつもと趣向を変えて、取材雑感をお届けしたい(編集部注/スコット・コーカーのインタビュー記事は近日中に公開予定です)。
RIZIN記者会見で榊原氏はイベントのコンセプトについて、次のように述べた。
(RIZINでは)ここ数年間は、トーナメントを軸にしながら、過去と現在と未来がシンクロする競技会を作りたい。格闘技界に放つ3本の矢、1本目が「完結」です。過去のレジェンドファイターたちも、そろそろ選手としての終焉を迎えています。アメリカでマウリシオ・ショーグンやヴァンダレイ・シウバに会いましたが、もう1回日本の熱狂の中に立ちたい、その場で引退したいという選手がいます。2本目は次の舞台を作り出していく「息吹」。新しい選手のデビュー、チャレンジの場を作りたい。3本目が「未来」。ここが世界最強を決める場となり、いつかRIZINの世界大会に出たいと、選手たちが思うようなイベントを発信します。
日本の格闘技シーンに再び熱を取り戻して欲しい――そう待望している格闘技ファンは少なくないだろう。しかし、今の日本のどこかに、現代版の桜庭和志や、若き日の山本KID、化ける前の五味隆典が潜んでいるようにはなかなか思いにくい。そしてここ数年、国内で格闘技のビッグイベントが行われれば、登場してくるのは、正直言ってPRIDEやDREAM、戦極の時代と変わらない顔ぶればかり。若い力もオールドネームをしのぐには至らず、それが実力主義の世界の厳しさではあるとはいえ、それだけではJ-MMA10年の計はどうしても感じにくく、さらに外国人選手についても、主要選手はほぼUFCに抑えられている……そんな状況が続いていたのがここしばらくであった。
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