プロレス事情通Zが業界のあらゆる情報を線に繋げて立体的に見せるこのコーナー「プロレス 点と線」。今回はスターダムから電撃退団が発表された「高橋奈苗」について! その裏側には世IV虎vs安川惡斗戦があった……!?




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レイザーラモンRGが芸人として、プロレス者として激語り!
「ラッスンゴレライから考えるスターダム不穏試合」

②レスリング五輪銀メダリスト太田章が話題の映画を語る
「レスラーたちが苦闘したフォックスキャッチャーの時代」――あるいはダンヘンやランディ・クートゥアたちの物語

③「1976年のアントニオ猪木」著者・柳澤健のレスリング講座
「アマチュア・レスリング まだらのルーツ」

④衝撃秘話! ジャイアント馬場・全日本プロレスがよみがえった瞬間――あの日、キャピトル東急で
更級四郎×ターザン山本 
「馬場さんに全日本プロレスの再生計画の小冊子を渡したんです。1ページ目には◯◯が△△に■■することって書いてあって」

⑤あの熱狂はなんだったのか? PRIDEとともに生きた時代
雀鬼・桜井章一×笹原圭一
「ヒクソンはね、自分が息子を殺してしまったんじゃないかという罪の意識に囚われてしまったんです」

小佐野景浩の好評連載「プロレス歴史発見」
三沢光晴物語ー四天王プロレスの光と影
「いまになってあのプロレスはいけませんと言うのは酷でしょ。ありがとう!でしょう、彼らにかける言葉は」

⑦網膜剥離からの再起戦!
川尻達也ロングインタビュー


小原道由のクレイジートーク「海外遠征とは何か?」
「ドイツ遠征のとき試合前に会場に呼ばれたんです。どうも腕試しをしたいレスラーの相手をしてくれってことで……」

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以前のこのコーナーでも触れましたが、消滅に終わりそうな諏訪魔戦について藤田和之が各媒体でコメントしています。

 要約すると「やるなら第3のリング、立会人は猪木さん」と言っていますね。

――猪木さんが立会人の時点で第3のリングではないと思うんですけど……(笑)。

 藤田選手の発言からも、諏訪魔戦は猪木さんがストップをかけていたことが明らかになりましたし、猪木さんの存在を無視してやることできないということですよね。

――これで藤田側からアクションを起こすことは考えられますか? 

 いやあ、難しいですよねぇ。今回の『週プロ』の表紙が諏訪魔戦を煽る藤田選手だったじゃないですか。発売日翌日は全日本の後楽園ホールで諏訪魔選手の試合は休憩前。私は「これは何か起きるんじゃないか……?」と思ったんです。メインの曙vs潮崎豪の三冠戦を邪魔せずに盛り上げるという点では絶好の位置ですよね。

――でも……。

 何も起きない。なんだったんだ、『週プロ』の表紙は(笑)。

――まあ、『週プロ』の佐藤編集長はバラエティ番組なんかで「爪痕を残さなきゃっ!」って浮足立つグラビアアイドル的なところがありますから(笑)。不穏試合でもなんでもなかったスターダムの試合を扇情的に煽った件もそうですけど。

 『週プロ』としても藤田を表紙にするってことは、諏訪魔戦に何かしら希望があると思っていたんでしょうけど。昨日の後楽園で何もないってことは、道のりは厳しいんだろうなって。藤田と諏訪魔のあいだに誰かが入って個人ベースで調整していくしかないんじゃないですかね。

――でも、結局は団体の意向は関わってくるんじゃないですか?

 そこは両団体の景気具合なんじゃないですかね。

――ボクはですね、IGF側は大晦日に実現できればいいくらい気長に考えてると思うんですよね。

 ちょっと待ってください。まだ5月ですよ? 梅雨入りすらしていないんですよ?(笑)。

――なんでかというと、IGFはいまのところ放送環境がないんですよね。ニコ生やCSで中継をやっていない。大晦日は例年地上波の深夜枠を買ってるから、スポンサー向けにもアピールできる場じゃないとやりたがらないんじゃないかな、と。

 なるほど、ノーテレビ興行ではやりたくないと。全日本の場合は至急テコ入れが求められてるんですけどね。今回三冠戦があった後楽園ホールは主催者発表で900人ですよ?

――三冠戦で後楽園ホールが満員にならないのはキツイですよね。

 いまの全日本の試合は文句なしに面白いんですけど……。バラエティに富んでいて迫力もある。いまのプロレス界ではトップクラスの満足度がありますよ。

――それでどうして客足が伸びないんですかね。

 うーん、営業が弱いんですかねぇ。たとえばドラゴンゲートはスタッフ営業以外に選手営業が強いですよね。

――新日本プロレスって選手営業はやってないですよね。

 知り合いにチケットを頼まれることはあるんでしょうけど、基本的に一般売りが中心ですよね。全日本も新日本と同じ形態。DDTやドラゲーほど選手営業はしてないですね。諏訪魔や横綱(曙)なんかは後援会が強いんでしょうけど。

――昔ながらのタニマチ方式。IGFとリアルジャパンもそこがめっぽう強いですよね。

 あとIGFの澤田敦士は相当チケットを売るという話ですけどね。

――だから会場でも人気があるように見える(笑)。

 そうそう、澤田選手の知り合いが来てるから声援が多いんですよ。

――でもまあIGFは2〜3ヵ月に一興行だから、一点集中できるところはあるんでしょうけど。

 全日本だと月1で後楽園ホール、地方巡業もあるじゃないですか。そうなると選手営業以外も重要になってきます。今回みたいに三冠戦をやっても寂しい客入りだと、諏訪魔が藤田戦に動いた気持ちは凄くわかりますよね。

――藤田vs諏訪魔の行方はしばらく見守りましょう。それで今日はスターダムの高橋奈苗退団の件について聞きたいんですけど。

 高橋奈苗選手は表面上は円満退団ということですけど。退団会見の数日後にスターダムの後楽園ホール大会があったんですが、そこで奈苗選手がリング上から挨拶もしないというのは……。

――複雑な事情があるということですか。

 若い選手ならともかく、団体の立ち上げから関わり、多くのスターダムの選手たちを育ててきた奈苗選手がリング上からファンに向かって挨拶もしない。これは退団会見をやることが限界だったということですよね。このインタビューの続きと、金村キンタロー、平田淳嗣、川田利明、倉持隆夫、矢野啓太など、8万字オーバーの記事9本が読める「詰め合わせセット」はコチラです