Dropkickメルマガをご覧の皆様、はじめまして。格闘技ブログ「MMA THE ORANGE」の管理人をしているオレンジと申します。大変僭越ながらしばらくのあいだ、連載させていただくことになりました。2000年からPRIDRやRINGSを中心に格闘技観戦を開始。2006年以降はDEEPやパンクラス、修斗を中心に年間30大会前後を観戦・速報してきた中から、ブログではあまり触れることができないディープな体験談を綴っていきたいと思います。どうか最後までお付き合いいただけると幸いです。よろしくお願いたします。初回のテーマは「魅惑のディファカレー」です……


 格闘技観戦でいつも頭を悩ませるのが会場での食事事情。最近では妙に試合数が多い5時間以上のロングラン興行が一般的で、14時半にオープニングマッチが始まり、全試合終了は21時過ぎなんて事もざらにあります。とてもじゃないですが何か食べないと体力的にも精神的にも集中力が続きません。

 とは言え、ライブ会場のフード類にはガッカリさせられた経験のある方も多いのではないでしょうか。いまいち信用できないと思いますが、ダマされたと思ってぜひ食べてもらいたいのがディファ有明ディファカレーです。
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選手や関係者、格闘技マニアには絶大な人気を誇るディファカレー(500円)。売店付近に屈強な格闘家たちがカレーに群がる姿はもはやディファ有明名物と言っていいでしょう。1日限定100食~150食とも言われるこのカレーは大会の休憩前には完売していることがほとんど。毎回必ず「カレーが売り切れだった」と泣きのツイートする人がいるほどの人気を誇ります。食べたいときにカレーがない……。私も初めて食べるまでに数か月を要しましたもん。食べると決めたら迷っている暇はありません。会場に入ったら売店に直行。コレが鉄則です。

そんなディファカレー。誤解を恐れずに言いましょう。至って普通なんです(笑)。本格的なスパイスが効きまくっているわけでもないし、具が豪華なわけでもない。ごくごく一般的な味付け。もし、私の実家の食卓に出されても何ら違和感がありません。それでもなぜか美味しいのがディファ有明の七不思議。これぞディファカレーマジックです。

 その美味しさの秘密を紐解いていくと「海の家で食べるラーメンが美味い」「キャンプで食べる焼きそばが美味い」という諸説に通じる気がします。夏の日差しに塩分を奪われた身体には何の変哲もない海の家のラーメンが妙に美味しく感じたり、野外でワイワイ苦労して作った焼きそばが超絶だったりするアレです。言ってみればある種のナチュラルハイ。ディファカレーの場合、MMAハイ、ディファ有明ハイというべきか。格闘技をこれから観戦するという試合前の高揚感や、壮絶な試合に心躍らせた興奮が最高のスパイスになってディファカレーを美味しくさせている……そう思わないと納得できない美味しさがそこにあります。

とは言っても、鶏肉はゴロゴロ入っていて食べ応えは充分。その他の具は見かけたことがないので、おそらく煮込まれてルーの中で溶けだしているのでしょう。少し甘めのルーはマイルドで万人ウケすることうけあい。ご飯は毎回炊き立てで米粒が立っているので、美味しいカレーの条件はすべて満たしています。このバランスの良い下地に、ディファ有明の熱気が加わり、格闘技ファンに愛される最強のカレーに仕上がっているのでしょう。

また、カレーだけでは足りないという屈強な胃袋を持つ方は、売店で売っている唐揚げ棒を買ってカレーにのせたり、特大フランクフルトをのせたフランクカレーを自作するなんてことも…。あー、書いているうちにいますぐ食べたくなってきました。8月のパンクラス観戦までおあずけなのが待ち遠しい。

そして、このディファカレーにまつわる伝説がもう一つ。売店の売り子さんの中に「カレー様」と呼ばれる美女店員がいるというウワサがまことしやかにささやかれています。

 格闘技もカレーも美女にも目がない私にとってはこれ以上ない絶好球。毎回毎回それとなく目視確認しますが、いまだにお目にかかったことがありません。遭遇するのはふるさと感満載のおばちゃんだったり、ついこの前なんて厨房が全員男ですよ。男子ごはん状態。カレー様は都市伝説なのか、私の訪問時間とカレー様の勤務シフトがマッチしないだけなのか。ますますディファカレーの魅力に憑りつかれてしまいました。

 カレー様伝説も含めて、格闘技マニアだけでなく、初めてディファ有明に足を運ぶファンの方にこそ味わっていただきたい格闘技界のソウルフード。名勝負の陰にディファカレーあり!ぜひぜひご賞味くださいませ!(オレンジ)


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