Omasuki Fightこと高橋テツヤ氏による北米情報コラム、今回のテーマは「判定基準の定義」。大沢ケンジ選手と高崎計三氏の判定トークと合わせてお読みください〜。
UFC167の「ジョルジュ・サンピエール vs. ジョニー・ヘンドリックス」、先月のベラトール「エディ・アルバレス vs. マイケル・チャンドラー」など、米MMAのビッグマッチでの判定結果に立て続けに不満と疑問の声が上がっている。ヘンドリックスの勝ちとみたダナ・ホワイトは、「怖い。このままではMMAがアスレティック・コミッションに潰される」など、これまでになく強い調子でジャッジの質への不満をぶちまけている。米MMAメディアで主流の見方は、「たしかにジョニヘンが優勢であったかに見えたが、10ポイントマストシステムでの判定結果としては、GSP勝利というのは勝ち星泥棒とまでは言えない」、といったところであるだろうか。ただ、こうした納得の仕方というのも必ずしも、本来あるべき姿とはいえない。
MMAユニファイドルールでは、10ポイントマストシステムは次のように定義されている。
「ラウンドごとに採点を行い、ラウンド勝者には10ポイントが与えられなければならない(must)。ラウンド敗者には9ポイント以下が与えられる。優劣付けがたい場合は両者に10ポイントが与えられる。
しかし、カリフォルニア州アスレティック・コミッションのアンディ・フォスター氏はSherdogに寄稿し、そもそも10ポイントマストシステムはMMAにはそぐわないのではないかと、次のように論じている。すなわち、プロボクシングではラウンド数が多く、しかも偶数であるのに対し、MMAのラウンド数は少なく、しかも奇数だ。つまり、各ラウンドを独立した出来事として扱う10ポイントマストシステムでMMAのラウンドを採点することは、ボクシングに比べても、勝敗に対する影響力があまりにも重すぎるのである。
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