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川尻達也が振り返るRIZIN46有明!……のはずがPRIDEやDREAMの昔話を含めて2万字クラッシャートーク!(聞き手/ジャン斉藤) ☆Dropkickニコ生で配信されたものを再編集したテキストになります。


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――
今晩の配信のゲストは、お久しぶりの川尻達也さんです!

川尻 こんばんは!

――
ツイッターによれば、いまのいままでジムのお掃除をされていたそうで。

川尻
 はい。21時に終わって40分近く掃除してました。

――
そんなに時間をかけるんですね。

川尻
 めっちゃきれいにしてますよ。毎回消毒もするし、やっぱり汚いジムに人は来ないですよね。

――
こう言っちゃなんですけど、いまから20年前の2004年頃、ボクが初めて川尻さんを取材したときのジムはかなり汚かったです!(笑)。

川尻
 あー、どこですか? 総合格闘技TOPSかな。あそこは年3回くらいしか掃除してなかったですからね(笑)。

――
ハハハハハ! そこは経験が活きてるわけですよね。

川尻
 やっぱり女性の会員さんも多いし、汚かったり変な匂いがするところには来づらいじゃないですか。

――ちなみに女性会員はどれくらいいるんですか?

川尻 女性会員は4割くらいじゃないですかね。ほとんどの方は格闘技のことをよく知らないです。「朝倉未来の名前は聞いたことがある」「那須川天心のことはテレビで知ってます」と。知られているのは平本蓮選手ぐらいまでですね。

――
じゃあ、川尻さんのことなんてご存じないわけですね!

川尻
 全然知らないですよ(笑)。むしろそれが嬉しいです。ボクがジムを開くときに自分の名前で入会するんじゃなくて、格闘技を知らない人でも楽しんでほしいという目標があったんで。入会してから格闘技に興味を持ったりする人もいるし、超ド級の朝倉未来ファンもいますね。未来選手のグッズが出たらすぐに買うし、未来選手がPRしていた水も飲んでます(笑)。

――
じゃあ「俺は朝倉未来がやっているブレイキングダウンの解説をやってるんだぞ!」と自慢できるじゃないですか。

川尻
 こないだのRIZINの解説席で未来選手と並んだんですよ。モニターに映った未来選手とボクの写真を撮って、その朝倉未来ファンに「いいでしょ」ってLINEしました(笑)。

――普通にツーショットを撮ればいいのに。

川尻
 いや、もう怖いじゃないですか(笑)。

――
何を言ってるんですか(笑)。川尻さんがジムをオープンしたときにお祝いを持って行きたかったんですけども、あまりにも遠いので。近くで取材したついでに寄ろうと考えているうちに、ずいぶん時間が経ってしまいました。

川尻
 もう4年経ちましたよ。

――
経営は安定してるんですか?

川尻
 まあまあ、ぼちぼち。皆さんのおかげでなんとか生きていけてます。格闘技ジムの経営って、いきなりは大金持ちにはなれないじゃないですか。たとえば、会員がいきなり10倍になったりしない。でも、在庫を抱えるわけでもないし、ちゃんとやれば赤字になることはないなって感じですよね。

――でも、元UFCファイターの川尻さんには近々泡銭が入ってくるじゃないですか。

川尻
 あー、UFC集団訴訟のやつですよね。あれ、どうなってんすか。ジャンさんのせいでさ、めちゃくちゃ期待してたんですよ。ヘタしたら何千万円も入ってくるんじゃないかと思って、嫁と「どうする?」って話をしていたんですよ。そうしたら賠償金は思ったより低いんですよね?

――
ですね。UFC集団訴訟に関してはボクが繰り返し発信していることで、水垣(偉弥)さんからも「ジャンさんのツイートで期待していたら……」と苦情が入ってますね(笑)。

川尻
 いい迷惑ですよ。いくらくらい入るんですか?

――
うーん、100万円ぐらい入ればいいほうかもしれないですね。

川尻
 ですよねぇ。ジャンさんのツイートからすると、正直3000万とか入るのかなってワクワクしたんですよ

――
原告側が妥協しちゃっただけでボクは何も悪くないですよ(笑)。川尻さんもUFCでそれなりに試合しているからけっこう入るかもしれないですよ。

川尻
 いやいや、水垣くんに比べたらボクは10分の1ぐらいですよ。

――
水垣さんはこの話を振ってくる川尻さんに迷惑がってましたよ。

川尻
 水垣くんさ、配信番組に一緒に出たときにこの話を振ってもまったく乗ってこないんですよ。あの男は固いんですよねぇ。

――
川尻さんや水垣さんの今後の生活ぶりから、賠償金の金額を判断しようと思ってます。

川尻
 お金の話でいえば、ジャンさんに聞きたいことがあったんですよ。

――
なんですか?

川尻
  Dropkick、儲かってるでしょ? 

――
は?

川尻
 ぶっちゃけ儲かってるんでしょ!?

――
どうしたんですか、急に。

川尻 ボク、Dropkickに出るのは4年ぶりぐらいでしょ? 以前より出演料が増えてるんですよねぇ。

――べつに5倍10倍に上がってるわけじゃないですよ(笑)。

川尻 知りたいのはいま会員は何人いるかってことですよ。

――
32人ですよ。

川尻
 そんなわけないでしょ!

――
本当は値段を上げたいくらいですよ。ただシステム上、値上げができなくて。

川尻
 たしかに550円って安すぎません? それでも絶対に儲かってるよ、これ。

――
ひとつだけ言えることは毎週2~3人取材して、1万字超えのインタビュー原稿を延々とまとめ続けるのは精神的変調をきたしかねないです。かれこれ12年間ホテルで缶詰作業している感じですよ!

川尻
 コメント欄に「こんなに金の話ばかりする川尻達也は新鮮」ってコメントありますね(笑)。

――
川尻さんはPRIDEに上がったら億万長者になれると思い込んでいた銭ゲバですよ。

川尻
 そうですよ。五味隆典を倒したら、ファイトマネー3000万円になって年間3試合で9000万、スポンサーで1000万、年収1億円になると計算してPRIDEと契約しました。

――
雑な計算!(笑)。

川尻
 実際はそんなことなかったですよ。若さって恐ろしいですねぇ。

――
今回のRIZIN46はそんな川尻さんだけしか語れないテーマも内包されていたんじゃないかなと。

川尻
 えっ、どういうことですか? なんでも答えますからDropkickの会員数を教えてくださいよ!

――
だから32人ですよ! まずRIZIN46のメイン、鈴木千裕vs金原正徳ですけど、川尻さんはどっちの勝利を予想してましたっけ?

川尻
 ボクはさんざん金ちゃんとの古い関係を説いたあとに、鈴木選手の「1ラウンドKO勝ち」でした。今回はほぼ当てました。

――
まあ、予想って2分の1じゃないですか。鈴木千裕の勝利予想はどこまで確信いていたものだったんですか?

川尻
 いやあ、そこまで自信はなかったですね。どっちも勝つ可能性あるけど……ここで鈴木千裕にすると、また金ちゃんに怒られるじゃないですか。クレベル・コイケ戦のときもそうだったんですよね。で、今回も金ちゃんが勝ったら、またYouTubeの事前番組でネタになるのかなって(笑)。

――
そんなヨコシマな理由! まあ実力は拮抗していたってことですね。

川尻
 鈴木千裕が時代を作るんであれば、PRIDE武士道で10連勝した五味隆典みたいにどんな状況でも鈴木千裕は勝つだろうなって。もうひとついうと、金ちゃんのインスタを見たら、ケン・ヤマモト先生の治療を受けてたんですよ。

――
あー、みんながお世話になっているケン・ヤマモト先生の治療を受けていたってことは……という読み!

川尻
 そのあとのストーリーで「できることやろう」みたいに書いてあったので、これはどこかをケガしたのかなと。コンディションに不安があるってことを含めて、鈴木千裕の予想にしましたね。鈴木千裕はもう万全で絶好調だったと思うんで。

――
じつは金原選手は身体のある部分を痛めていたっていう話を聞きましたね。

川尻
 ああ、やっぱりそうなんですね。ヤマモト先生のところに行くってことは緊急ですからね。

――
しかも金原選手は年齢も年齢ですしね。

川尻
 41歳ですね。ボクも最後の試合が41歳ですけど、その前にアリ・アブドゥルカリコフとやったじゃないですか。試合後に動画を見たら、あまりにも動きが遅くてビビりましたもんねぇ。「ああ、俺、こんなに遅いんだ。これはもう無理だな」と思いましたね。

――
自分の動きを見て判断したんですね……。

川尻
 それでやめどきっていうのをずっと考えてて、誰かにぶっ飛ばされてからやめたいじゃないですか。

――
それがRIZINライト級GP開幕戦のパトリッキー・ピットブル戦だったと。

川尻
 PRIDE、DREAM、RIZINと3つのライト級GPに出ることになるし、そこで優勝できたらまた続けられるし、ぶっ飛ばされたらやめようと思ってましたね。

――
40代になると身体だけじゃなくて、戦うモチベーションも重要ですよね。

川尻
 自分の41歳のときでいえば、日本一を目指すことにはまだ自信はありましたけど、正直世界一を目指して格闘技に振り切ってやってきたから。そこで日本人ファイターと試合をすることは自分の中で考えられなかったですね、当時は。そしたらさ、フェザー級に朝倉未来選手が出てきて。もう1年ぐらい早く出てきてくれれば、俺も間に合ったかもしれないのに(笑)。

――
戦う動機を探していた川尻さんは堀口恭司との対戦をぶち上げて、バンタム級のテストマッチをやったり。いまは階級を落とすことがトレンドですけど、川尻さんの意見を聞きたいなと。

・弱い奴は階級や練習環境を変えても強くならない
・「1.2倍速」で戦えるかどうか
・「箱庭と対世界」の議論
・DREAMという悪夢

・RIZINのみんなにあんな思いをしてもらいたくない
・UFCなんかに行きたくなかった
・ドーピング上等だった時代

ブレイキングダウンの解説をやる理由
・川尻達也vsトムソンの悲劇
・ジョビンさんは強くなかった
・加藤浩之と青木真也……2万字クラッシャートークはまだまだ続く

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