ジャン斉藤が語る朝倉未来vsYA-MANについて(ニコ生配信したものを再編集した記事です)


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「魔法の煽りVをつくる男」 RIZIN演出統括・佐藤大輔17000字インタビュー

・朝倉兄弟とYouTube論■菊地成孔


オープンフィンガーグローブのキックルールで行なわれた朝倉未来vsYA-MANは衝撃的な幕切れでした。YA-MANが1ラウンドKO勝ち。完敗を喫した朝倉未来は試合後に引退を表明。その後、引退は撤回しましたが、格闘技界に大きなショックを与えました。


先日のガヌーvsタイソン・フィリーのボクシングマッチのテキストでも触れましたが、異種格闘技戦って必ず試合前に茶番扱いされるんです。でも、ハマったときの爆発力が凄まじい。「なんでそんな試合をやるの?」と批判されながらもプロモーターや選手がついつい異種格闘技戦に手を出してしまう妖しい魅力が秘められている。だから試合前に「予定調和」がどうとか論じることは控えたほうがいいって、声をしゃがらせながら言いたいんですよ!(笑)。

おぼえてるかどうはわからないですが、ボクが天心vsメイウェザーは「真剣勝負でやる」と主張したら、みんなから「やるわけねえだろバーカ!」って感じでめちゃくちゃ叩かれたんですよね。結果は凍りつくほどの真剣勝負でしたけど、ボクに謝ってきた人は誰1人いない!! これぞツイッター(現X)!!

たしかにスーパーファイトやエキシビションは全盛期を越えたレジェンド同士だと予定調和的なものになりがちです。だって彼らにはもう体力とプライドが残っていないから。でも、引退状態のメイウェザーはともかくとして、あの頃の那須川天心がそんな茶番に乗ったら将来と信頼を失うし、今回のYA-MANと朝倉未来の2人も「やっぱりねー」みたいな予定調和なファイトで済まそうとするわけがない。異種格闘技戦という設定は基本的に無理があるので「やる必要がない」という意識から茶番扱いしたくなるのはよくわかるんですが、数多くのファイターの人生を変えたり、歴史に刻まれている試合もあることを思い出してほしいんです。

那須川天心もメイウェザーにはやられちゃいましたが、あの試合を機に武尊との知名度が逆転したことで、世紀の祭典THE MATCH開催へと繋がっていった。堀口恭司の求心力がさらに増したのも那須川天心とのキックルールです。あのときはほとんどのMMAファンが堀口恭司の決断に大反対したんですよ。それは堀口恭司はキック初挑戦で生贄になる可能性があったから。「ルールが違うから負けても関係ない」ではない。関係のない試合に出て負けるから汚れた感じが出ちゃうのが異種格闘技戦。旧K-1の幻想が削れていったひとつには、K-1ファイターが流行りに乗ってMMAに出てあっけなく敗れことでした。レジェンドのピーター・アーツが大山峻護に足関を極められて秒殺負けした姿は「ルールが違うから」では済まなかった。朝倉未来ファンがこの敗戦が割り切れないのはそこです。
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