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RIZIN44で山本アーセン戦が決まった福田龍彌 インタビュー!!(聞き手/松下ミワ)



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――
福田選手は、いま京都の山奥で暮らしていると聞きました。

福田 そうですね。このMIBUROのジムに来るのも、車で1時間ぐらいかかりますね。

――
もしかして、自給自足生活とかそんな感じなんですか?

福田
 いやー、そこまででもないんですけど。敷地の中で自分らで野菜育てて食べたりはしてます。あと、電気は来てて、ガスはプロパンガス、水道も浄化槽やけど、地デジは映らない。

――
地デジが映らない! 日本にそんな地域があったんですか(笑)。

福田
 たまたまウチのところは入ってないみたいなんですけど、もとからテレビを観るタイプでもないからとくに困らないかな。インターネットがあればAmazonPrimeやU-NEXTとかは観れるんでね。

――
じゃあ、wi-fiはつながっているんですね。

福田
 wi-fiはつながってますよ。

――
先日、RIZIN.44での山本アーセン戦が発表されましたが、その反響などもwi-fiを通じて届いてますか?

福田 うーん、あったっちゃーあったんですけど、べつにもうみんなわかってくれてるというか。ボクはできるだけいっぱい試合をしたい人間としてずっとやってきてるんでね。とくにDEEPでは凄いペースで試合やってきてると思うんですけど、去年はどのぐらい試合したのかな?

――
2022年はなんと5試合も戦ってます!

福田
 フフフフ。しかも途中、骨折で4カ月飛んでますからね。だから簡単に言ったら8カ月で5試合やってるのか。2月、3月、5月に試合をして、そのあと骨折して、復帰後に9月と12月に戦ったかな。今年もそのぐらいやりたいんですけどねえ。

――アーセン戦が決まる前はちょっと期間が空きましたけど、じつは早く決まってほしかったんですね。

福田
 もちろん。ホンマは7月の超RIZIN2でできるという話をいただいていたんですけど、いろんな事情があって9月にスライドしちゃったという。だから、2ヵ月空いたのは痛いなあと。もう1試合挟めたのに。今度、DEEPでBlackCombatとの対抗戦が行われるでしょ?

――
9月18日ですよね。大原樹理選手や石司晃一選手が出るという。

福田
 そうやってチャンピオンクラスの選手が出てて、団体のプライドをかけて戦う感があるので、ボクもそこで一役買いたかったなあというのは思ってます。それがDEEPフライ級グランプリを獲った人間としての責任というかね。

――ただ、あらためてアーセン戦が決まって、いまどういうお気持ちなんですか?

福田
 やっとヒリヒリできるという感じですね。本当にそれだけ。ボクはあんまり相手がどうとかも関係なくて、戦うことが好きなんですよ。やるか、やられるか。そういう空気を感じたいなあというのがありますね。

――
アーセン選手といえば、DEEPフライ級グランプリのベスト4だった伊藤裕樹選手が敗れた相手です。

福田
 まあ、伊藤くんの試合って、どの試合もあの展開になっちゃうんですよねえ。相手が組みに来るとけっこうテイクダウンされたり、なんか組みでコントロールされてる感じが強くないですか? 

――打撃に強みがあるだけに、相手もそういう戦術になるんでしょうね。

福田
 だから、コントロールされる合間に伊藤くんが打撃を効かせられるかどうかが勝負の鍵みたいな。まあ、グランプリ準決勝の本田(良介)戦もそれで負けたんやろうし。だから、やられるんならそのパターンやろうなと思ってたけど、それが現実になった感じですね。試合映像自体は観てないですけど。

――
福田選手は、そうやって伊藤選手が敗れた相手にちゃんと勝ってる印象もあって。

福田
 まあ、向かい合ってみいひんとというのもあるやろうし、あんまり作戦立てるタイプじゃないんですよ、ボク。なんかこう、向かい合ってどうなるかなあみたいな、それも楽しみのひとつなんでね。タックルめちゃくちゃしてくると思ってたのに、めちゃくちゃパンチ殴ってきたら「タックル対策してきた練習が無意味になる」とボクは思っちゃうんですよ。だから、相手主体に考えることはなく、どう動いてもいいように練習はしているつもりですから、のびのび自分らしく楽しもうという感じですね。

――今回も、何か特別な対策をするというわけではないんですかね?

福田 もう、ボクはずっとそんな感じです。試合はけっこう、ボクにとってご褒美みたいな感じなので。

――
たしかに、福田選手って戦っているときめちゃくちゃ楽しそうですもんね。

福田
 そうなんですよ。あれやってるときが一番楽しいから。そのための日頃の練習じゃないですか。もうね、練習は淡々とやってますよ。で、たまにスパーを思いっきりやる日があるので、そこがヒリヒリできるかなあという楽しみの日なんですけど、「いくら倒し合ってもいいよ」という条件下でも、やっぱりケガさすとよくないよなあという気持ちでやるじゃないですか。試合はそれがないんでね。その楽しみのために、いまは質素で面倒くさいことも淡々とこなして、いいコンディションで当日を迎えようと思ってます。

――
そういうヒリヒリがないと生きていけないという自分の性格に気づいたのは、いつぐらいなんですか?

福田
 うーん、小6ぐらい。

――
早っ!(笑)。

福田
 そういうのがあったほうが、生きてるって感じますよね。たとえば、一流の大学に行って一流企業に勤めて定年までのんびり過ごそうみたいな、それだとボク満足できないんですよ。どんだけお金いただいても。それやったら明日生きてるか死んでるかわからん感じで生きてるほうが楽しいんかな、と。人生一回だけなんで。でも一応やってたんですよ、会社員。

――
あ、何か営業職をされていたという話を聞きました。

福田
 そうです、そうです。去年の3月までは営業しながら格闘家をやってたんで。なんかね、インテリア系の営業なんですけど、お家を買った人に「こういうコーティングしたほうが長持ちしますよ」みたいなオプション工事を請け負うような、それの法人営業をしてました。取引先を新規開拓でつくっていくんですけど、受注したあとのやりとりも全部自分がやってたから、法人のお客さんはボクがいないと回らないみたいな。

――
かなり責任ある立場じゃないですか。

福田
 なんか、強制的にそうなっちゃいました。だから、試合のときとかも現場のトラブルとかで電話がかかってきたり。クレームも窓口もボクだったんでね。

――
でも、福田選手ってパッと見、イカついタトゥーが入ってますけど、それは仕事に影響なかったんですか?

福田
 ああ、これね。この右腕は、一応ボクのスポンサーさんの契約のひとつなんですよ。

――
ええっと、契約というのはどういうことですか?

福田
 勝ったら刺青が増えていくという契約なんです。

――
えー! そんな話、初めて聞きました(笑)。

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福田
 営業のときは長袖着てたので大丈夫だったんですけど、いま7連勝してしまったんで、一気に増えてしまいましたねえ。最初、胸から掘りはじめて、それは修斗のチャンピオンになったときに入れたんですけど、それから「クジラ」とか「息子」とか増えていって。でも、ボクは彫り師さんも格闘家と一緒やと思ってるんですよ。自分の突き詰めてるもんで人にどう評価されるか。そういう意味では、その人も昔から縁のある人やったんで、一緒に頑張っていこうねという意味で、ボクが強くなって結果を出せば出すほどその人の作品も入っていくという。で、その人もボクの身体で表現できるということで、そういう契約をもらいました。

――その彫り師の方がスポンサーということなんですね。

福田
 ここの肘のところに入ってるんですけど「BLUE BIRD」というスタジオなんですよ。「青い鳥」ですね。

――
ちなみに、小6からヒリヒリを求めてたという話ですけど、福田選手のこれまでの話をもっとうかがいたくて。

福田
 ええっと、それは過去の話ですかね?

――聞いてもいいですか?

福田
 うーん……、ちょっと飛ばしたいかも。

――
飛ばしたい(笑)。もうあの有名なタイでのエピソードは聞かれすぎてイヤですか。

福田
 そうそう、現在のボクを見てくれという感じなんですよ。なんか、イロモノにされてる感というか、その話がネタになってるでしょ? 鉄板の。

――
ネタというか、福田選手のプロフィールでよく書かれている話ですよね。

福田
 それがしんどいんです。ボクの人生で言うたら、ホンマに過去にちょっと火がついただけの話なので。それが、いま格闘技を続けてることとつながってるかというと、それも違うし。タイから帰ってきてずっと格闘技を続けていたわけでもないんですよ。

――あ、違うんですね。

福田
 そこまでちゃらんぽらんに生活してて、高2ぐらいまでは行ってるんで。

――
じゃあ、高2までは何をやっていたんですか?

福田
 うーん、まあヒリヒリしてました。

――
ヒリヒリ(笑)。

福田
 そこはご想像にお任せしますとしか言えないですけど、まあ変わった子やったんやろうなという感じですね。

――
ざっくりいうと、小6から変わらずにずっとヒリヒリを求めて過ごされてたわけですね。

福田
 そうです、そうです。

――
じゃあ、ちゃんとジムに入って格闘技をやろうと思ったのは?

福田
 それこそ高2の冬ですね。17歳のときにジムに入ったんですよ。なんかね、ヒリヒリの方向を間違ってるなと思って。「それやったら一回格闘技をやってみたら」と中学の先生が言ってきたんです。だから「そんならやってみようか」ということで。当時のジムがPUREBRED京都だったんですけど、そこでいまのジムの館長(ウエタユウ)と出会えたという感じですね。

――
そのジムに入ってみて、最初どうでした?

福田
 入った初日は打撃スパーの日やったんですけど、アマチュアの人たちとやってたらまあまあしばけて。

――それは凄いですね。

福田
 そのノリでやってたら「なんかできるヤツが来た」みたいな空気になって。そしたら、次はプロの方たちがくるんですけど、そのときはライト級やミドル級の人しかいなかったんですよ。そのときボク体重59キロとかやったんですけど、その状態で血まみれにされました。

――
うわっ……。

福田
 まあ、ボクも「喧嘩したろ」というつもりで行きましたから。だから、入ってきたヤツがガチスパーをやりたがるみたいは話はよくあると思うんですけど、あの人らからしたら、何もわからないヤンキー野郎が来たみたいな感じやったと思うんです。で、血まみれされたんですけど、それがめっちゃ悔しかって。「絶対コイツらやり返したろ」と思って気がついたらプロになってたという感じですか。


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