「これが格闘技です!」は支持されるのか——北岡悟が選んだ茨の道■橋本宗洋
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4月26日のDEEP・TDCホール大会、そのメインイベントで起きたことに対する明確な答えは、たぶんない。これは格闘技の、というよりスポーツにおける永遠の問題なのだ。
メインイベントのライト級タイトルマッチ。挑戦者の北岡悟は王者・中村大介の持ち味である打撃と動きの多い寝技を封じまくり、判定勝利を収めた。問題になったのはラスト30秒。北岡が自分から仰向けになったり、飛び蹴りから倒れこんだりして時間をつぶしにかかったのだ。これに対し、観客の一部からブーイングが発生した。
北岡は試合後のインタビュースペースで、チャンピオンベルトを大事そうに抱えていた。彼にとってDEEPは日本一を証明するベルトであり、日本一という立場だけはどうしても譲れなかったと語っている。試合前の公開練習で「タイトルマッチであることに関してはいまはしゃべりたくない」と言ったのも、それが彼にとってかなり大事な、ナイーブなことだったからだ。ラスト30秒、北岡は徹底的に勝負にこだわり、ラッキーパンチの可能性すら封じるために自ら仰向けになったのだという。
それはそれで、一つの作戦だ。ただ、それが“逃げた”とか“勝負してない”ように見えるのも否定できない。北岡はルール違反をしたわけではないが、間違っているかいないかと試合としておもしろいかどうかは別の話。あれを見て“つまらない”と感じる人がいるのも、また当然だと思う。
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