多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー。(この記事は4月24日にニコ生配信されたものを編集したものです)



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――今日は月に一度のお楽しみ、シュウ・ヒラタさんのMMAマシンガントークということで。ベラトールの堀口恭司選手の試合(パトリック・ミックス戦)は残念な結果になっちゃいました。判定は3-0、三者48-47の1ポイント差とはいえ内容的にはかなり差があったんじゃないかっていう印象でしたけど、シュウさんはどういうふうにごらんになりました?

シュウ 試合を見て思ったんですけど、ミックスは打撃をポンポン出すわけじゃなく、中央に陣取って、堀口選手にプレッシャーをどんどん与えていくスタイルは、前戦のセルジオ・ペティスとちょっと似てましたよね。

――それはつまり堀口恭司対策のベーシックワンができていたんじゃないか、と。

シュウ 共通の対策に見えました。堀口選手のファイトスタイルはステップ踏んで出入りするものなので、そうなると彼が入ってくるところをカウンターで狙おうと。それプラスやっぱりミックスとはかなりリーチ差がありますからね。体格差をうまい具合に使われたという感じですね。

――タイプは違いますけど、以前のダリオン・コールドウェル戦も体格差で不利な局面がありました。

シュウ そうですね。ただコールドウェルの場合は、ちょっとあんまり詳しく言えないけど、ちょっと性格的や試合前の調整、準備という点に問題があるんで……。

――ボクもいろいろと聞いてますけど、性格的にムラがあるみたいですね。

シュウ そこはミックスとは全然違うと思うんですよ。堀口選手はUFCではフライ級でやってて、そこに見合った体格なんで。バンタムだと体格差を利用されて、厳しい戦いを強いられてますね。

――「フライ級でやればいいじゃないか」という声がありそうですが、最近ベラトールでフライ級の試合はたまに組まれますが、フル稼働はしてないという。

シュウ しっかりした階級はないですね。

――ただし、UFCのフライ級とベラトールのバンタム級なら、後者のほうが扱いがいいし、ファイトマネーも断然いいと。

シュウ そういうことですよね。それに堀口選手の適正はフライだけど、バンタムでもやれるだけの実力は持っているわけですから。

――そこは間違いないですね。

シュウ あとは戦い方だと思うんですよね。相手は研究してくるし、もちろん堀口選手も考えてやってるんですけども。ちょっと大振りが多かったんじゃないかなって印象を受けたんですけどね。あくまで印象で統計を見てるわけではないんですけど。そこは1ラウンド目にバックを取られて攻め込まれた影響もあったと思うんです。解説のジョン・マッカーシーは1ラウンドはミックスの10-8を付けたじゃないですか。あの内容だと「10-8をつけられた」っていう危機感はあったと思うんですよ。

――堀口選手からすれば2ポイント取り返さないといけないと。

シュウ KO決着するか、やっぱりポイントを稼がなくちゃいけないので、印象的なショットをバチンと当てようとする。どうしても大振りに見えるような一発狙いに繋がってしまったのかなっていう部分はありますよね。

――そしてまたバックを取られないように慎重さが求められますね。

シュウ ミックスがまたバックを取りにくることは絶対にわかってると思うんですよ。しっかり対策はしてたと思うんですけれども、あれって対策はなかなか難しいんですよね。水垣(偉弥)くんがUFCでブライアン・ボウルズとやったときも、スタンドでバックを取られて、振っても落ちない。下になると完全に印象が悪くなる。スタンディングで後ろに乗られたときの対処法はすごく難しいんです。あの1ラウンド目に完全に制圧されちゃった印象が残ってしまったのがターニングポイントだとは思いました。どうしてもメンタリティーとして追っかけなくちゃいけないですから。

――実際の1ラウンドのジャッジは「10-9」でしたけど、精神的に違ってくるというか。

シュウ それにこのクラスになるとちゃんと対策を練ってくるんで、どっちに転んでもおかしくない試合になりますよね。RIZINだってトップのせめぎ合いになってくると、その日のゲームプランや体調、ケガとかも関わってきますよ。

――堀口選手の次の試合は年末のベラトール日本大会になると言われてますが……。

シュウ そういうことになりますよね。私がRIZINの榊原さんだったら、対戦相手の選択肢はひとつでしょう。

――誰ですか。

シュウ セルジオ・ペティスとの再戦ですよ。

――うわっ、榊原さんが考えそうなマッチメークですね(笑)。

シュウ ケガが治るかどうかはわからないし、現実的には厳しいかもしれないけど……。やっぱりファンはそのカードが一番見たいですよね。もしくは扇久保(博正)選手との3度目の試合はどうなんですかね。

――うーん、この流れで日本人対決あんまりピンとこないですねぇ。ベラトールで外国人に2連敗しているので、ベラトールの外国人相手に勝ってもらうほうがいいのかなと。

シュウ そっちのほうが盛り上がりますよね。いずれにしても年末までちょっと試合間隔が空くので、しっかり休んでリフレッシュしてほしいですよね。

――この配信が記事になる頃には正式に発表されてると思いますが、6月から開催される「ROADtoUFC」トーナメントに日本人選手が何名がエントリーするそうですね、

シュウ それでいうと『パウンドストーム』の両国大会は、UFCのマッチメーカーがすごい興味を示したんですよ。注目している選手は3人ですよね。言わなくてもわかるのはメインの中村倫也選手。試合数が少ないとはいえ、素材も間違いないですし。UFCのアジアトーナメントだったら、UFCが一応目指しているところは、10戦以下の選手、若い選手に発掘がメインですから。そこを考えると、中村選手はいまの日本で当然着目されてしかるべきだと思います。

――中村選手は『パウンドストーム』のメインでアリアンドロ・カエタノに判定勝ちを収めました。

シュウ カエタノに勝ったのはすごいデカイと思うんですよ。彼もやっぱりUFC一歩手前の選手でしたし。中村選手の「ROADtoUFC」に関しては近日中に決まると思いますけど(後日正式に発表)。いまの日本はたとえばRIZINやONEと契約のある選手が多いわけですし。契約のない選手たちのリストを見たときに、素材的には中村倫也はピカイチ一だと思うんで。ボクならUFCのマッチメイカーのショーン・シェルビーに「取っといたほうがいいと思う」って推します。中村選手のエントリーは間違いないと思いますが、あとどうなるかですね……。

――朝倉海選手がダナ・ホワイトと面談したことで「ROADtoUFC」出場か……なんて騒ぎになりましたけど、これはオーディション企画なので。海選手はRIZINとの契約が残ってるはずだし、あれだけのキャリアや市場性がある選手はわざわざ出る必要はないですよね。

シュウ RIZINやONEの有望な選手は複数回契約を結んでますし、朝倉海選手ほどのキャリアのファイターがいまさらコンテンダーシリーズには出ませんよ。「ROADtoUFC」で3試合やるなら、RIZINで3試合やればいいわけですし。

――「ROADtoUFC」クラス以上の選手は呼べるはずですし。


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