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大晦日、朝倉未来との再戦に臨む斎藤裕インタビュー(聞き手/ジャン斉藤)


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――
前回のタイトルマッチ(牛久絢太郎)は残念な結果になってしまいましたが、あの負けを大晦日に払拭したいっていう気持ちはやっぱり強かったんですか。

斎藤 うーん…… どこまで言っていいのか。正直大晦日自体がどういった感じになるのか見えてこなかったところもあるので。そこにはRIZINの都合ももちろんありますし。

――
自分の希望だけじゃなくて、そこにはプロモーターの都合もあるってことですね。

斎藤
 本音でいえば、額の傷のこともありますけども、練習を再開した頃には、このままコンディションを上げていけば、大晦日に試合はできるかなとは思っていたんです。ただ、そういう大晦日の流れに自分がハマるのかなっていう。

――
RIZINに対して「俺を出してくれ!」「俺のことは出さないといけないでしょ」という強気な感じではない。

斎藤
 まあ、そうやってお願いすれば、前向きに検討してくれたとは思うんですけど(苦笑)。

――
猫も杓子も「大晦日、空いてます!」アピールする中、謙虚!(笑)。ファイターとして早く負けを取り戻したいという気持ちはあったわけですよね。

斎藤
 それはもちろん。負けは負けとして受け止めなきゃいけないんですけど、格闘家は試合でしか取り返せないとは思っているので。 できれば同じ相手と再戦、というかたちがいちばんよかったんでしょうけど、そういう流れにはならなかったので。「うーん、大晦日はどうなるんだろうなぁ……」という気持ちで過ごしていました。

――斎藤選手って「流れ」や「タイミング」を大事にしますね。

斎藤
 やっぱりお客さんに見てもらうものなので、やるからには盛り上がりたい。発表したときにアッと驚いてもらうカードがいいよねっていうふうには自分でも思ってるんですけど。 「なんでそのカードなの?」っていうのはどうなのかなって。そういう意味で流れは考えますね。

――
以前インタビューしたとき、斎藤選手の中では、朝倉未来選手との再戦はどうなんだろう?と。ややクエスチョン気味だったじゃないですか。

斎藤
  発表されたら盛り上がるんだろうなあと思ってました。いまの日本人選手のいろんな組み合わせの中でも、 一番見たいんじゃないかなあと傍から見ても思います。そういう意味では大晦日らしいんじゃないかなと。だからって、よくわかんないときにやってもしょうがないのかなって思うし、大晦日に巡り合ったのは、お互いにとっても……クロスするなら、いまなのかなって思いますね。

――大晦日という日本の格闘技界にとって一番重要な日だからこそ、やるべきだと?

斎藤 そうですね……これもどこまで言っていいのか。 外国人選手が日本に入って来れなくて急展開みたいな感じだったですよね。会見で朝倉選手も言ってましたけど、最初はクレベル(・コイケ)選手を希望してて。そこがうまく噛み合わなかったみたいだし、 「海外の選手も入ってこれませんでした」っていう中でのめぐり逢いだったので。

――
記者会見の数日前、「自分のためだけを考えてやることなんて、たかが知れてるのかも。いろいろなことを乗り越えて人のため、自分以外のためにやれるようになってこそでしょう」とツイートされてましたけど、「自分以外のためにやれる」というのはそういうことなんですね。

斎藤
 いろいろとありますよね。年末、とくに今年は フジテレビさんからすれば他局の番組が弱いわけじゃないですか。

――
斎藤選手がそんなことを考えるんですか。意外です!

斎藤
 普通に考えますよ。ボクもけっこうキャリアは長いのでいろいろと考えます(笑)。

――それは失礼しました(笑)。

斎藤
 ハハハハハ。そういうことも考えたりすると、けっこう刺さるカードなのかなという。ダウンタウンの番組もないですし、井岡一翔選手のボクシングも外国人選手が入国できないので、どうなるかわからない。 井岡選手は別の選手とやるのかもしれないですけどね。

――
フジテレビ、RIZINからすれば大チャンスだと。

斎藤
 そういうことを考えていたら、こういう展開になってしまったなあと。トータルで考えても、格闘技界として、彼との試合は世に出せるカードなのかなと(キッパリ)。 期待してもらっていいかなと思います。 

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――
朝倉選手も会見数日前に出場を匂わすツイートしてるんですよ。

斎藤
 見てないですけど、 そのツイートを受けて「大晦日に出場するんじゃないか」って騒ぎにはなってたみたいですね。

――
「命を削ろう、俺は格闘家だからな 格闘技に痛めつけられ、でも生かされている 格闘技が、好きだ 年末は日本盛り上げてやるよ 色々任せとけ」と。言い方は違えど、斎藤選手とマインドは近いのかなって。

斎藤
 もしかしたら他の選手にも失礼だったりするんですけど、客観的に見て目玉カードとして世間と勝負ができるのかなという思いはあります。お互いに万全ではないけど、いまの大変な状況だったらありだよね、やるしかないな……っていう気持ちは強いですね。

――大晦日やイベントのために犠牲になる、という献身性が良くも悪くも感じちゃうんですけど。

斎藤 自分が犠牲になってるっていうふうには思ってなくて、もちろん大晦日に試合をすることで自分にも返ってくるものはありますし。 「仕事をする」っていうのはそういうことなのかなって思いますね。

――
斎藤選手から対戦相手のリクエストはあったんですか?

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